「日本の組織でコーチングを機能させるには?」

欧米から、日本にコーチングが導入されて30年近く経とうとしています。

以前と比べれば「コーチング」と言う「単語」自体の認知度は上がったかもしれませんが、どれだけ浸透しているかと言うと「疑問符」が浮かんでしまいます。

なぜなのだろう?と長い間考えてきましたが、コーチング発祥の地である欧米人と日本人との違いが少なからずあるからではないかという考えに至りました。

違いについては、あくまで私見ではありますが、だいたい以下のようなものかなと思っています。

1. 自己開示に対する抵抗感が強い

日本人の中には、自分の事を話すのは恥ずかしい、本音をなかなか話せないという方が多いように感じています。

コーチングは自分の本心を話さないとなかなかうまく機能しません。

欧米はクリスチャンが多く、子供のころから教会で懺悔する習慣があります。

なので、言いにくい事や思ったことを率直に話すという事に抵抗感が弱いのです。

日本人は自分の心の内を話すことに抵抗感が強く、それがコーチングにフィットしづらい状況を作っている要因の一つではないかと考えています。

2. 横並びを尊ぶ

日本の社会は、「個性」よりも「人と同じである」ことに価値を見出してきました。

これは「稲作」という集団行動が必須の穀物栽培で、日本と言う国が成り立ってきた事や江戸時代の五人組から始まった「相互監視システム」が影響しているのではないかと感じています。

人と違うという事に対し、不安を抱いたり、疎外感を感じたりすることが多いので何かやって、他者から否定をされる事を何よりも恐れているように感じます。

3. 基本的に受け身である

リスクを負って、何かを得るよりも「ミスをしない」ことに価値を感じている方が多いように思います。

答えがある事に臨む方が安心であるので、自分で「考えて」「決めて」「実行に移す」事はできれば避けたいという風に思うのではないでしょうか?

なので、「言われたことはまじめに取り組む」がそれ以上は・・・・という方が多いようです。

4. 考える事が苦手

これは研修等でいつも感じている事ですが、そもそも、本来の目的とかを突き詰めて考える習慣がなく、必要なことを暗記して答える機会が多かったため、「考える」事に慣れていないという印象があります。

「3」にも関係するのですが、自分で考えるよりも「言われたことをやる」方が楽なので、突き詰めて考える事がなく、途中で思考停止してしまうわけです。

5. 「決める」事を避け、曖昧を好む

何か提案を受けた時に「検討します」と言う言葉が返ってくる事が多いのですが、経験上「本当に検討する」事はなく、事実上の「断り」文句であることが多いのが実情です。

その気がないならば、相手のためには「断る」方が賢明であるにもかかわらず、はっきりさせることを避ける習慣があるように思います。

ざっと、日本人にコーチングが機能しにくい理由を挙げてみましたが、実は各項に共通している事があります。

それは、「自己防衛意識」です。

つまり、究極の理由は、自分を守ろうとする意識が強いため、何か今までにない新しいチャレンジをして、うまくいかなくて傷つくより「今のままで良い」と思う考え方が強いという事です。

結果、精神的に「楽」である事や「安心」「安全」である事が上位の価値観として根付いているために、コーチングが機能しにくい状況になっていると考えられます。

しかし、最近はコーチングを提供する教育機関も増え、「コーチング」に触れた方も増えてきているのも事実ですし、以前と比べれば、認知度は上がってきております。

さらに、言うと閉塞感のある組織を変えてゆくには、今までにないアプローチが必要であり、そこには「個の能力」を「個性や強み」を伸ばす働きかけ、そしてチームワークを高めてゆくコーチング的なアプローチは必要ではないかと考えてます。

では、どのように日本の組織にフィットしにくいコーチングをどのようにカスタマイズしてゆけば良いのでしょう?

私は「段階的に自由裁量を増やしてゆく」ソフトランディング的なフローを作る必要があると考えています。

それは、多くの日本人にとって「自由」はある意味苦痛であり、制約がある方が安心できるという側面があるからです。

なので、まずは安心領域を作ってあげて、そこから始めるという事です。

そして、少しずつ、「自由度」を増やしてゆき、自信を育みながら「自主性」「主体性」が発揮できるように導いてゆく。

あたかも、グラデーションで色が徐々に変わってゆくような感じです。

具体的には、最初はある程度の「答え」を提示して、その中で考えさせる。

例えば、「野球」で考えるならば、本当は自分で課題を見つけて、トレーニングして欲しいとところですが、こちらで課題であると思う所を提示して、そしてトレーニング方法をいくつかの候補から選ばせ、実行させるという流れです。

次に、やってみて、結果が変わったのか、変わらなかったのか?

どちらに転んでも、「うまくいったこと」「できたこと」「その理由」を考えさせる。

そして、次の課題を考えさせ、トレーニング方法を選ばせる。

こうやって、教えながら、結果を振り返り、少しづつ、自分で考え、決めて、実行に移させてゆく事で、主体性が徐々に身についてゆきます。

日本人は古くから海外から輸入したものをカスタマイズして「最適化」するのを得意としてきました。

私は、コーチングでもそれができるのではないかと考えていますし、死ぬまでに「日本人に合ったコーチング」を体系化して遺したいという野望を持っています。

何が一番良いかの「答え」は見つからないかもしれませんが、探求心を持ちながら、精進を続けてゆくつもりです。

なんか、面白そうだな、興味がわいたなとお感じになったら、お声をおかけ下さい。

一緒にジャパニーズコーチングを作りましょう!!

問題の本質

今日は「問題の本質」について書いてみたいと思います。

それは、弊社でご提供できる価値の一つと考えているのが、「問題の本質」にフォーカスできる事だからです。

「問題の本質」とは何かと言うと表面的に見える事象ではなく、それを引き起こしているもともとの原因を言います。

効果的な研修を考える上で大切なのは、「問題をどうとらえるか?」であり、いかに「問題の本質」に沿ったものにできるか?ですが、実は言うほど簡単ではありません。

なぜなら、私たちは日頃から「表面に見えているもの」に目が行き、その奥底に隠れている「本質的な問題」になかなか目が届かないからです。

これは、問題解決の研修を実施するたびに感じる事でもあります。

したがって、効果的な研修を計画するには、時間をかけて表面に見えている問題を「なぜ?」を繰り返しながら深堀りし、一方でクリティカルに「本当にそうか?」を考え、「特定」してゆく必要があります。

またさらに問題解決に向けた優先事項や「すぐにできる事」と「できない事」に分類しながら、「何からやるべきか?」を順序だてて考える必要があります。

ただし、研修のご担当者の方にそこまで求めるのは非常に「酷」な事だと思っています。

それは特定の階層の「教育研修の事」ばかり考えているわけではなく、複数のタスクを同時に抱えている場合が多いからです。

なので、そうした中で、問題を捉えようとするとどうしても「表面的」な事になりがちですし、また思い込みによる「課題のマンネリ化」というものが良く起こります。

「問題の表面」しか見えないというのは、例として挙げるなら、プレイングマネージャーにおける部下マネジメントがうまくできていないという理由を「部下に対しての関わり方がわからないからできないのだろう」と考えるという事です。

そうすると、提供すべき研修は「知識供与」という事で「部下に対するマネジメントの仕方を教える」というのが研修のテーマになります。

でも、もし仮に問題が「知識がない事」ではなく、「現状のままが楽であり、変わりたくない」と思っているマネージャー達の感情や「マネジメント業務に対する捉え方」にあるとすると、いきなり「HOW TO」を教えても効果性が薄く、例え研修の場で一時的に盛り上がったとしても「現場の温度」に引っ張られ、熱がすぐに冷めてしまう事は容易に想像がつくのではないでしょうか。

だとしたら「知識供与」の前にまず「マインド」を作らなければなりません。

つまり、部下を育て、チーム力を上げる「力」を身に付けるという事に価値を見出し、前向きになってもらうという事です。

マインドの作り方は弊社では、リーダー能力の価値を「未来志向」で考えていただくというベネフィットアプローチ(個人的な恩恵)と「変わらない」(現状維持)という事で発生するリスクを考えるリスクアプローチから考えます。

弊社で「天国と地獄」と呼んでいるコンテンツです。

「変わりたい、変わらなくてはいけない」と言う思いは、研修に参加すると大なり、小なり抱く方が多いと思いますが、よりリアリティをもって未来を考えていただくことで「思いを強くする」事が出来ます。

また、さらに「今部下から自分に対し、どういうニーズがあるのか?」を知っていただくアプローチも有効です。

日ごろ接している中で「部下たちの本音」は表層化しにくく、「案外うまくいっている」「大きな問題はない」という認識を持っておられる方も多いと思いますが、実際に意見を集めると自分の認識との「ギャップ」に少なからず衝撃を受ける場合が多いのです。

こうして、未来を鑑み、自分のあり方に目を向けると「本質的な問題や課題」がありありと浮かび上がってきます。

そして、ある程度、「確かにそうだな。このままではまずいな」と言う考えに至ってから、次は徐々に「関係性の築き方」や「部下の能力の伸ばし方」という段階に入っていけば、研修の充実度は向上すると思いますし、さらに、一過性で終わらないように彼らと伴走するコーチングを組み合わせれば、よりマネージャー達が変容や進化を起こしやすくなります。

それでも2:6:2の法則という事で表されるように全ての人が「変容する」わけではなりませんが、このうち、仮に半数が変容を起こせば、組織に対する影響度は高く、会社内部の「マネジメントについての当たり前」が変わってゆき、近い将来、私が考える「風土の変容」に到達するスピードは速くなります。

これから、研修は「コスト」という考え方から、「投資」であるという時代に入ってゆきます。

なのでより高い投資効果の高い研修をお求めでしたら、プログラムありきで考える前に「問題の本質」を探ってみてはいかがでしょう?

問題の深堀をする時は、当事者だけでは難しい場合が多く、第三者の存在が有効になります。

そんな時は一声おかけください。

体重は増加傾向ですが、フットワークは軽いので迅速にお伺いいたします。

会社経営とコーチング

今度キンコーズ様の渡辺社長とあるオンラインイベントでモデレーターとして対談いたします。

テーマは「会社経営とコーチング」です。

渡辺社長はもともと心理学やコーチングにご興味をお持ちでそれが高じて、コーチングを1年間お受けになったことのですが、実際にクライアントとしてコーチングに触れた中で、その魅力を知り、会社経営に活かしたいと言う思いから、現在はご自身もコーチングを学ばれています。

いつもはプレイングマネージャーに焦点を置いて書いておりますが、実は組織改革に最も早く効果を生むのが、渡辺社長のように経営者の方がコーチングを受ける事なんです。

では、コーチングとは何か?といううことですが、イベントの打ち合わせの時に渡辺社長がコーチングについて語った言葉が核心をついた説明になっているのでご紹介したいと思います。

それは、コーチングは「コーチを使って自分をえぐることである」という言葉です。

私も仕事柄、経営者の方と接する機会が多いのですが、こういう認識をお持ちの方は非常に少なく、大半の方が「私はいいから、社員をやって欲しい」「コーチングって何をしてくれるの?」という方が圧倒的に多いのが実情です。

もちろん、コーチングの認知度はまだまだ低いですし、仰ることもよくわかります。

たしかに、社員の方に対するコーチングも有効ではありますが、経営者がコーチングを受けることで生み出されるものと比較したら、その「破壊力」はけた違いです。

コーチングは、クライアント自身がコーチとの対話の中で「自分のあり方や思い」などについて、日常ではなかなか作れない「自分と向き合う」時間を作ることによって内省し、奥底にある「答え」を見つけ出すことで、新たな行動に繋げてゆく事に大きな意味があります。

特に経営者の方は影響力が大きいので、社長が気づきを得て変ったことで、今まで変化しなかった社員たちが変わるという事が良く起こるのです。

例えば、典型的なワンマン経営で指示命令で部下を動かす事しかできず、YESマンだらけの組織になった会社が、社長がコーチングを受けたことで、部下へのかかわり方が変わり、会社自体が大きく変容した例があります。

それまでは、いつも社員批判を繰り返していた人が、「社員が率先して動いてくれるようになったので楽だよ~」なんて言葉も吐けるくらい大きく変わり、「今までの自分は、ダメ社長たった」なんて、素直に自分を話せるくらい器が大きな社長になられています。

こうお話しすると「コーチング」を受ければ、必ず良いことがあるという風に伝わるかもしれませんが、ただ受ければ良いわけではなく、「どういうスタンスで受けるか?」によって果物は大きく変わります。

それは先ほど渡辺社長が仰った「自分をえぐる」勇気を持って臨めるか?という事です。

「本音」や本当は気づいているはずの「自分の弱いところ」や「ダメなところ」と向き合うのはとても勇気のいることで、コーチとの信頼関係があったとしてもなかなかできないことでもあります。

良く私は「鎧を脱ぐ」という表現をしますが、私たちは大人になるにつれて「多くの鎧」を身に付けて生きるようになり、自分を偽って生きることにも慣れてゆきます。

この鎧が自分の「ありたい姿」や「あるべき姿」を遠ざけ、「本当はどうすべきか?の答え」を自分の中に奥深く、埋もれさせてしまうのです。

コーチングではコーチとクライアントが共同作業で「このような鎧」を時間をかけて、一枚一枚一緒にはがしてゆきます。

そうすると自分はどうしたら良いのか?という答えをクライアント自身が発見し、行動に至ることで大きな成果を生むようになるのです。

鎧が重ければ重いほど、脱げたときの恩恵は大きいでしょう。

今回は経営者がテーマになりましたが、どなたでも「本気で自分を変えたいという思い」があれば、コーチングは大きな力になりますし、周囲との関係性を大きく変えるきっかけにもなります。

最近、「このままではいけない」「何かやらなくては?」と思う事が多くなったなとお感じになりましたら、一度コーチングをお試しになってはいかがでしょう?

きっと、今まで見えなかった「答え」が手に入ると思います。

Z世代とプレイングマネージャー

最近読んだ本で面白い本がありましたのでご紹介したいと思います。

「先生、どうか皆の前で褒めないで下さい・・・いい子症候群の若者たち」(金間大介著)という本です。

「皆の前で褒めないでってどういうこと???」と私はタイトルを見て、興味を持ち購入したわけですが、大学教授として若者たちに接してきた著者が、Z世代と呼ばれる若者たちの特徴を表面的なものではなく、より深く洞察した視点でまとめています。

ご興味があれば、ご一読いただきたいと思います。

実際にお読みになる方もいらっしゃると思いますので、内容を詳しく書くことはいたしませんが、私が「確かに!!」と思った点は、彼らは「ゆとり教育」が原因でそうなっているわけではなく、日本人の本質が時代背景の中で「変容」しているだけで、本質的には変わっていないという指摘です。

おとなしくて真面目、反応が薄い、言われたことしかやらない、安定志向、横並びを重視する特徴があると言われている「Z世代」ですが、彼らが生まれて今日に至るまで「良い時代」を経験しておらず、閉塞感の中で過ごしてきたこと。

そして、その中で「大人たちの姿」を見て育ってきた彼らに「主体性」を求めるのは、理不尽であり、本質的な要求ではないことがわかります。

では、どうしたら良いか?ですが、「大人たちが自ら失敗を恐れずに挑戦する」姿勢を見せる事であると著者は言っています。

自分ができないことを「若者に要求するのはおかしい」と。

確かにそのとおりであると思いますが、なかなかすぐに行動に移せることではないと思いますので、私は身近なZ世代と言われる人たちに関わる方々がすぐにできる事、やるべき事という視点で考えてみたいと思います。

まず一番目は、そういう彼らの「特徴」を踏まえた上で「レッテルを貼らないこと」だと思っています。

Z世代という言い回しで括っておきながら??と思われるかもしれませんが、大切なのは「違い」を理解した上で 接してゆく事だと思っています。

なぜなら、レッテルを貼ってしまうと「可能性が消える」からです。

私たちは一度「こういう人間だ」と決めてしまうと、そこに囚われて、見方を変えようとしません。

特に、一緒にいる時間が長くなればなるほど、見方は固定してしまいます。

なので、大切なのは「違い」に対し「レッテル」を貼る事ではなく、特徴を踏まえた上で接し方の可能性を探ってゆく事です。

言い換えると、「対応の選択肢」を増やしてゆく事と言えるかもしれません。

例えば、「何か質問は?」と聞いても反応がないか?そこじゃないよ!!と突っ込みたくなる反応が返ってくることもあると思います。

でも、決して理解が曖昧なことはないわけではなく、勇気がなかったり、相手の反応が怖かったりすることが原因で、肝心なことを質問ができないわけです。

なので、そんな場合は「問い」を変えてみる事を試してみてはいかがでしょうか?

例えば、(疑問があるんことを前提に)

  • 今僕がした説明に対し、3つ確認したいことがあるとしたら?
  • 良く聞かれるのが、AとBとCなんだけれど、君はでどれが一番聞きたい?

などです。

自分の尺度に囚われない感度をもって部下を観察し、対応の仕方を変えてみましょう。

そうすれば、その人の持つ成長への可能性が見えてくると思います。

二番目は、「認識のずれ」や「理解のずれ」をなくしてゆく事だと思っています。

例えば「わかった」を鵜吞みにしないことです。

これはZ世代とのやり取りに限ったことではありませんが、人と人のやり取りの中で良く起こることでもあります。

業務上、上司が部下に「わかった?」と問いかけることが良くあると思いますが、実際は「伝わっていない」「わかっていない」ことが後になって発覚し、問題になることがあります。

なので、「何がわかったのか?」を上司が部下に対し、具体的に確認する必要があります。

ただし、言葉にすると簡単な解決策ではありますが、実はなかなかできないことでもあります。

それは、「わかった」で済ませることでお互いが得られる「利」があり、後々の問題につながるであろう「リスク」をかき消してしまうからです。

どういうことかと言うと「わかった?」「わかりました」という会話の応酬は上司にとっては、「仕事を早く進められる」という「利」や「わかったのなら、何かあったら、お前が悪いんだぞ」という責任転嫁の「利」があり、部下にとっては「あいまいさを突っ込まれ、責められる事を避けられる」という自己防衛の「利」と「煩わしい上司とのやり取りを早く終わらせることができる」という苦痛回避の「利」があると言う事です。

何か問題が起これば、上司は、部下の意識や能力に問題があるというレッテルを貼る事で自分を正当化し、部下は上司の仕事のさせ方や人格に問題があるという見方をする事で自分を正当化します。

お互いが「目先の利」を選択したために問題が発生し、信頼関係を損ねる結果になるので良いことは一つもありません。

なので、たとえ、面倒でも、急いでいたとしても「確認」にひと手間を加える。

そうすることで上司は「部下の現在地」が把握できるようになり、部下もあいまいな不安を抱えたまま過ごす時間をなくすることができます。

時代背景の違い、経験の違い、視座の違い、個性の違い、価値観の違いなど、誤解や理解不足を生む要因は無数にあり、これからもなくなることはありません。

「見方」を固定したり、「発する言葉」を鵜呑みにするのではなく、もしかしたら、伝わっていないのかもしれないという可能性を常に頭の片隅で意識して置くことで、違いから生まれるギャップを埋めることができます。

「面倒くさい事の中に正解はあるんだぞ!!」

20年以上も前に、私が部下に諭すために使っていた言葉ですが、これは時代が変わっても不変の事なのかもしれません。

「レッテルを貼らない」、「対応を変えてみる」良かったら、ぜひ試していただきたいと思います。

予定調和をぶっ壊せ!!

私がチームや組織改善に臨む上でまず最初に行うのが「予定調和」を破壊することです。

破壊というと「物騒」に聞こえるかもしれませんが、真意は、「お互いが遠慮しあって程よく調和している」状態を壊すという意味です。

人が集まるとその場に少なからず、妥協と調和が生まれ、「その組織に合った」距離感が生まれます。

必ずしもそれが悪いわけではありませんが、新しいチャレンジや改革を試みようとすると「障害」になる場合が多くみられます。

これは、私の経験上、子供から大人に至るまであらゆる組織で起こる事です。

なので、私がクライアントに対して行っている事と、私が関わっている子供の野球チームに対して行っている事は実をいうと同じなんです。

特に、停滞している組織は、組織のレベルを決定づけている古参キーマンの考え方や意思に合わせて停滞していることが多く、(合わせている方々の本心とは違っても)、古参キーマンがどういう意識を持っているかによってチームのカラーが決まっています。

その中では、「雰囲気を壊さないかかわり方」というのが基本になっており、本音があっても言えない、言ったら自分に不都合が生じるというリスクを恐れて妥協することが当たり前になっているのです。

したがって、組織を向上させようとする為には、この「予定調和」を壊す必要があります。

そして、破壊に向かうアプローチの基準になるのは、「ありたい姿」である「本当はどうしたいの?」「どうなりたいの?」「今のままで良いの?」「変わったら、何が得られるの?」などの問いかけです。

ここで、上昇意欲のある人の意見をピックアップして、予定調和に慣れていた人たちの「眠れる意欲」に火をつけるのです。

ただし、本音の話し合いができていない組織の中でいきなり、対話で本音を引き出そうとしても出てきません。

自分から調和を崩すような発言ができる人はなかなかいないからです。

なので「付箋」を使って、全員の思っていることを引き出す等をしながら、徐々に前向きな話し合いに持ってゆくような工夫が必要です。

対話のテーマは、ざっくり言えば、今より良くするには?なので、今までやっていなかった新しいことをしなくてはならないという機運が少なからず出てきます。

ただし、ここで起こるであろう問題が「総論賛成、各論反対」という動きです。

どういうことかと言うと、話し合った時は「改善に向かって進む」という合意がなされたはずなのに、実際は、予定通りに進まないという状況です。

原因は、今までの予定調和のスタンダード創りに大きな影響を与えていた古参のキーマンが表立って行動するかは別として、何らかのもっともらしい理由で抵抗するからです。

つまり、「なし崩し」にしようとするわけですが、ここは引かずに「障害がある中でいかに進めるか?」に議論を移してゆく働きかけと組織の未来に向けて「絶対にひかないぞ‼」という強い意志を見せてゆく事が大切です。

そうすると、「本音では組織を良くしたい」と思っているメンバーに覚悟が伝わり、支持を集められるようになります。

また、同時に抵抗勢力である古参キーマンとも話し合う必要があります。

率直に感じていることを伝えつつ、協力を要請することです。

何らかの不満や不信感がベースになって抵抗している可能性もあるので、彼らの言い分にも耳を傾けながら、前に向かせる可能性を探ってゆきます。

これで変わってくれれば、しめたものですし、例え、変わらなかったとしても、一度火が付いた変革への流れは止めることはできず、予定調和に浸かっていた人達の中にも「危機感」を感じ、遅ればせながら、変化しようという人が現れたり、今までとは変わって前向きに進めようと言う人も出てきます。

勿論全ての人がそうなるわけではなく、中には、依然として既得権益にしがみつき、変わろうとしない人もいるかもしれませんが、そういう人はだんだん、居場所がなくなって行きます。

結果として「職場を離れる」人も出てくるかもしれませんが、「辞める」という事を殊更ネガティブにとらえる必要はありません。

人が「辞める」ということに対し、憶病になる事もあるかもしれませんが、私は組織が成長して行く段階の中で「一緒に進みたくないと思っている人が辞めてしまう」のは、ある意味仕方がないことだと思っています。

確かに、その人にも良いところもあるだろうし、居てもらうと助かることも多いかもしれません。

しかし、現状から未来へ行先が決まった以上、歩を進めることに抵抗する人は、居てもらっては困るのです。

辞めさせようとしてそうなるわけではありませんし、もしかしたら、その人に合った職場が他にあるかもしれません。

組織を今より良くし、未来につながる組織にしようとしているわけですから、ある程度人が入れ替わるのは致し方ないのではないでしょうか。

勿論、いろんな考え方があり、緩やかに穏便に進めるという方法もあると思いますが、私たちが思っている以上に環境の変化は速く、より一層迅速に対応できる体制が求められてゆく中で、変化に対するスピード感は大切な要素ではないかと思います。

ただし、ドラスティックな改革は、内部だけでは進めようとすると「利害関係等」デリケートな問題があり、進めにくい側面もあるとか思います。

そんな時は、ぜひ一声おかけください。

今回は組織の成長を止める予定調和についてお話ししました。

次回は、プレイングマネジャーの部下である驚くべき「若手の気質」に焦点を当てたいと思います。

彼らはどういう価値観を思って生きているのか?を一緒に考えてみましょう。

研修の目的と立ち止まる意味

研修を開催する時に最も考えなければいけないことは「何のため」にやるのか?
つまり「目的を明確にする事」です。

そのためには、研修に参加する人たちの「課題」をおおよそ把握した上で「どうなって欲しいのか?」が明確になっていなければなりませんし、研修実施後の「変容に対する期待値」が少なからず見える必要があります。

しかし、現実的にはなかなかそうならない状況が多いようです。

それは以下のような理由が挙げられるからです。

参加者の要因

  • 研修課題が自身の課題であると認識していない
  • 仕事の一環として「義務感」で参加している
  • 研修で新たな知識やスキルを身に付けても職場に帰ると元に戻ってしまう
  • 何かを得ようと言う姿勢でなく、「斜に構えて」参加している

企画要因

  • 参加者の抱えている問題を考えず、「知識がないから、」「やり方がわからないから」できていないと考えている
  • 研修が研修会社の提供する汎用性のあるコンテンツである
  • 研修会社選定の決め手が「知名度、企業規模」である
  • 参加者の課題を研修会社と詰められていない
  • 一回こっきり、しかも短時間の構成である
  • 効果測定ができていない

研修担当者の要因

  • 本来の目的でなく、主眼が「自身の責任回避」に向いているので参加者の課題とコンテンツがフィットしているか考えられていない
  • 参加者の課題を認識できていない
  • 意欲を持てず、こなさなくてはいけない業務になっている

「予算が少ない」「業務が多忙である」「会社の方針が明確でない」などの理由から、研修の企画や実施に労力を割けないのは、ある意味仕方ないのかもしれません。

しかし、どこかで見直しをしないと、結果として無駄なコストと時間をかけるだけになり、良いことは一つもありません。

また、これから社会が急加速で変わってゆく中で「時代に合った教育」にシフトしていかないと、変化に対応できない組織になってしまう恐れがあります。

私が感じているコーチングにおける本質のひとつに「立ち止まると早くなる」というものがあります。

私たちの日常は、ともすると目に前の事に追われる日々の連続になりがちで、軌道を修正するきっかけがありません。

走り続けていると「視野が狭く」なり、道から反れていても気が付かなくなるからです。

なので、定期的に立ち止まって「行先」「現在地」「手段」「次回の到達点」を確認しながら、進んだ方が無駄な行動や時間の過ごし方をせず、効率的に進んでいけるようになるのです。

本当は「意味がない」「無駄だ」と思っていても、走り続けているとだんだん「不感症」になり、「流れを変える事」はとても難しくなって行きます。

典型的な例が「定例会議」です。

研修などで良く「無駄な会議」があると感じているか?を参加者に質問する事がありますが、90%以上の方が手を上げます。

業務の生産性向上という事を考えれば、参加者の時間を同時に拘束する会議のあり方は、真っ先に手を付けるべきことではないかと思いますが、あまりにも慣習化しすぎている事で違和感すら感じなくなってしまうのです。

研修もある意味同じであり、「目的は何か?」「研修によりどうなって欲しいのか?」「効果をどう図るか?」は定期的に見直した方が費用対効果の高い研修になります。

それでも「忙しくて」という方は、「忙しい」を俯瞰して、分解してみる事をお勧めします。

私が今までクライアントにかかわってきた経験上、「心で感じている忙しさ」>「実際の忙しさ」であることが多いからです。

特に嫌だな、大変だなと思っていることは、実際にかかる負担よりも大ごとに考える傾向があり、物心ともに余裕をなくす要因になっています。

せっかく手間暇かけて実施する研修なので、実りあるものにするために、まずは立ち止まる時間を創ることをやってみてはいかがでしょう。

きっと、「立ち止まった方が早くなる」を実感していただけるのではないかと思います。

対話と会話

強い組織を創るために「関係の質」を高めてゆくことが大切であるという事は以前からお伝えしている通りです。

では、いかにして?という事ですが、私はコミュニケーションの「量」を増やし、「質」を高めてゆくことが最優先事項であるとであると考えています。

特に「質」の部分、「何を、どこまで話しあうのか?」がとても重要です。

なぜならば、質の高いコミュニケーションの積み重ねによって、チームの意識が高まって行くからです。

巷には、一見仲の良い人間関係であっても肝心なことは話せていない、話題にすら上がっていない組織は数多く存在します。

「本当はこうしたほうが良い」「なんでそうしないんだろう?」多くの人が「腹に抱えながら」思ったことを言えないでいます。

言うなれば、「会話は多い」のに「対話は少ない」ということです。

この状態を放置すると「組織は確実に弱体化」してゆきます。

なぜなら、求心力もエンゲージメントも生まれず、人も組織も成長しないからです。

「会話」と「対話」は一見すると似ていますが、何が違うのでしょう?

広辞苑のような辞書には同じような説明が書いてありますが、私は「目的」があるか?ないか?であると考えています。

「チームを強くする」「成長させる」為の「対話」があるチームは強く、ただ「会話」が多いチームは仲良しクラブであり、強いチームとは言えません。

これを初めて実感したのが、私がファミレスの事業責任者をやっていた時です。

当時、比較的「運営レベルが高いお店」と「そうでないお店」2店舗を管理する立場だったのですが、「良い店の店長」はスタッフと話す全てのコミュニケーションに意図がありました。

元気がないアルバイトの様子を他の子に聞いたり、新人教育の話や成長について、相談したり、はては次期アルバイト採用にかかわる進学情報や兄弟姉妹の有無、年齢まで日常会話のように思えるものにも全て目的がありました。

対話に目的があるので、対話を重ねてゆくにつれてリーダーが何を考えているのか?が周囲に伝わるようになるので、アルバイトの意識も自然と高くなり、結果、運営レベルが高いお店を作れたわけです。

一方、レベルが高くないお店の店長は、愉快な人間だったのですが、無駄話が多く、アルバイトと友達のようになっていました。

意味のない会話が多いので、店長に肝心な情報は入ってこず、突然アルバイトが辞めるようなこともあって、シフトもなかなか組みづらい状況が続きました。

また、働いている人達も仕事自体に面白みを見出すことがないため、割り切った働き方になり、結果として、慢性的に良い状態の運営ができないお店になってしまったのです。

私はその後、新しい事業として中古のゴルフショップを4店舗展開しましたが、その時もリーダーがチーム内で話すコミュニケーションの質によって、チームレベルが変わるという現象に変わりはありませんでした。

このようにチームで何を話すのか?どこまで話す習慣があるのか?によってチームの運営レベルは大きく変わるという事です。

「目的を持った対話」を続けていれば、徐々にベクトルも合ってゆき、結果として、一体感のある強いチームを作ることができる。

最初、対話が弾まないかもしれませんが、手を変え、品を変えながら継続してゆくことで確実に変化が起こってゆきます。

関係の質を高める為に重要な「コミュニケーションの量と質」。

もし、「うちのチームいまいち関係が薄いな、肝心なことを話せていないな」とお感じになるようなことがありましたら、まずは、「自分達のチームは果たして、良いチームなんだろうか?」というテーマで話し合ってみてはいかがでしょう?

次回は研修の目的について、お話ししたいと思います。

組織を蝕む「慢性的思考停止」癖

誰もが陥る「慢性的思考停止」癖の背景にあるもの

こんにちは、カンパニーコーチの青木栄明です。

今日は「慢性的思考停止」癖についてお話します。

聞きなれない言葉だと思いますが、この「慢性的思考停止」癖というのは何か?と言うと、「本来たどり着くべき所まで考えずに途中で考えることをやめてしまう癖がついており、本人も自覚がない状態」を言います。

と言うか、私が勝手に定義付けしたのですが・・・。

具体的にはどういうことなのか?を私が提供している「成長的問題解決」研修の例を挙げてご説明したいと思います。

この研修は2日間かけて「自分が描く理想像」(例えば、チームや自身のありたい姿)から「近未来のあるべき姿」を考え、現状とのギャップを埋めるアクションを考え、実行に移すというもので、基本的には「マネージャー層」の「思考力」と「主体性」を引き出す目的で実施しています。

2日間で一枚のアクションプランを完成させることが研修のゴールなのですが、参加者がアクションプランにあらかじめ設定されている「問い」に答え、記入をしてゆく中で「思考停止」が頻繁に起こります。

例えば「自分の抱えてる問題は何か?」という問いに対し、「問題」を書ける方は、ほぼほぼいません。

「問題」は「あるべき状態と現状のギャップ」を言いますが、大半の方は「問題」ではなく「現状何が起こっているか?」を書きます。

仮に自チームのあるべき状態を「部下との信頼関係が築かれており、チームが一丸となって目標に邁進している」だとします。

また、それに対し現状は「部下との信頼関係はなく、メンバーがバラバラに動いており、チーム力を発揮しているとは言えない」だとすると、よく「問題」として書かれがちなことは、「部下とのコミュニケーションの時間が不足している」等、現状起こっている現象についてです。

これを「問題」として設定してしまうと、改善のためのアクションは、「部下ともっとコミュニケーションの時間を増やす」とか「一日一回話をする時間をとる」等になってしまい、浅い表面的なもので終わってしまいます。

また、仮にやったとしても期待しているような変容は起こらず、忙しさにかまけて、いつの間にか立ち消えになりがちです。

本当の意味で「問題」を考えるのであれば、どうして、そうなっているのか?を深堀りして考える必要があり、先ほどの例でいうと「信頼関係がないバラバラの状態」になっているのはなぜか?という事を考え、さらに自分の問題と自分以外の問題に分けて考えてみる事が重要です。

もしかしたら、メンバー間の仲が悪いのかもしれないし、面倒くさがって、関わることを避けている自分のあり方に問題があるのかもしれません。

問題は、得てして、当事者からすると、「不都合なこと」や「触れたくないこと」「痛いところを突かれる」ようなものが多く、表面に「露見している現象の深層」に隠れています。

でも、それを表に出し、メスを入れない限りは、同じような現象が姿かたちを変えてエンドレスに続くようになり、本質的な問題解決はできず、チームも成長しません。

私たちが思考停止をする理由は「考えられない」事、「考える力がない」事が原因ではなく、大変なこと、面倒くさいこと、不都合なことを避けたいという自己防衛本能に原因がある場合が多く、表面化させるには、利害関係のある内部からのアプローチでは難しい場合があります。

それは、距離が近い分、少なからず忖度が働くからです。

なので、お金はかかりますが、穴が開いたザルで水をすくい続けるより、第三者の力を借りて修復したほうが結果的に安く上がると思います。

もし、組織の問題を解決したいとお考えでしたら、一度ご相談いただければと思います。

次回は、似て非なる「対話」と「会話」についてお話ししたいと思います。

プレイングマネージャーの育成⑨

プレイングマネージャーの意識を向上させる「リーダーズコミュニティ」

今回は、リーダーの意識向上に有効な「リーダーズコミュニティ」についてお話ししたいと思います。

「リーダーズコミュニティ」とは、同じ立場の人同士が、「定期的」に集まって話しをする集まりです。

ただし、ただ集まるだけでは生産性の高いコミュニティにはならないので、テーマを設定する事が「実りの多いコミュニティ」を創る鍵になります。

私の会社でも「相互内省」をテーマに「Wa」kingというコミュニティ型の研修を提供しております。

「Wa」kingのWaは「輪」になって、「和」を作り、「話」をし、自分のチームも含めた「環」に広げてゆくという思いと、英語で目覚めを意味する「Waking」から付けた名称で話し合いをしながら目覚めてゆく事を目的としています。

これは「リフレクションラウンドテーブル」というヘンリー・ミンツバーグさんという組織マネジメントの学者が考案したプログラムを参考に弊社なりにアレンジをして、提供しているものですが、人間関係における「悩み」から派生した「自分の感情を乱された(ガッカリ、イライラ、怒り、悲しみ、感動、嬉しいなど)出来事」について5人一組で1時間~90分間の時間を使って話し合うプログラムです。

「感情の乱れ」にフォーカスしているのは、「感情」が「思考」や「行動」「態度」「振る舞い」に強い影響をもたらし、人や組織運営の成長に大きくかかわってくるからです。

以前は「仕事に感情を持ち込むな」と言うのが、組織運営についての不文律であり、感情を軽視する傾向がありました。

しかし、私たちの脳が、本能➡感情➡思考という順番で進化をしてきた影響で、感情を無視して組織運営を行う事はかえって不合理であり、生産性を下げる要因になることがわかってきました。

したがって、お互いの感情の動きや、なぜそう思ったのか?それは、本当なのか?という事について冷静に振り返る機会がある事は、想像以上に大きな価値をもたらすのです。

 「事実」はひとつでも「人が語る真実はその場にいた人の数だけ存在する」という事はよく言われる事ですが、「Wa」kingは、仲間が話す「真実」に「違和感」を持って、それをフィードバックしたり、質問をすることで発言者の視点を変え、「気づき」を促す事、そして、新たな行動に結び付けてゆく事を目的としています。

ただし、ご想像いただくとお分かりになると思いますが、職場に導入当初は、自己防御からくる「相互牽制」や「遠慮」「忖度」が頻発します。

なので、この予定調和を崩す「工夫」が必要になります。

「Wa」kingでは、軌道を修正し、対話が本来の目的に近づくよう、ファシリテーターが「貴重な時間を使って集まる目的」や「意義」を繰り返し説明したり、対話を核心に導くようナビゲートする他、弊社で用意した「相手の気づきに繋がる質問」を用意し、発言者が「自分の見方は自分だけのものに過ぎないかもしれない」という事を気付いてもらえるように仕掛けを工夫してあります。

従って、回を重ねてゆくにつれ、本音を語り合えるようになる事で、「Wa」king本来の狙いを汲んだ対話が繰り広げられる様になり、それを現場に持ち帰り、「関わり方を変える」行動に繋げるという人が増えて行きます。

また、その中で「意外な方」が成果を報告してくれたりし、それを聞いている仲間が刺激を受け、自分から質問をするような場面も見られるようになります。

もちろん、ガンとして「変わろうとしない」人もいるのは事実ですが、当面は「その人の中で不愉快な葛藤が起こる」状況を作れれば良いと考えています。

最初にお話しした少年野球の話ではないですが、他人の成長には「波」があり、いつ変化するか?は人によって違うからです。

「自分の方が正しい」という思考は、「変化を妨げる要因」で、全ての人間が持つ「自分が可愛い」という感情から起こるものあり、ある意味人の根っこにあるものです。

ですが、そのまま周囲の人と関わると信頼関係を損ね、「見えない孤立化」が起こり、あらゆる問題を引き起こす要因となります。

自分が「普通」だと思っている考え方は、本当に「普通」なのか?を考える機会は日常で中々作る事はできません。

なので、定期的に5人一組の集まりの中で自分に偏った「モノの見方」に気付ける事は、少し、「痛い」「不愉快」な思いをするかもしれませんが、とても貴重な時間になり、後になって、リーダーにも、チームにも、そして会社にも大きな恩恵をもたらします。

今回はプレイングマネージャーの意識を向上させる「リーダーズコミュニティ」についてお話ししました。

もし、気になる事やご質問があればお気軽にお問い合わせいただければと思います。

次回は、企業を停滞させる「慢性的思考停止」についてお話ししたいと思います。

プレイングマネージャーの育成⑧

こんにちは、カンパニーコーチの青木栄明です。

私事で恐縮ですが、昨日、小学五年の長男が所属する野球チームの練習試合がありました。

結果は16対6で大勝し、来週から始まる大会に向けて、良い準備が出来たなぁと思っています。

このチームは、最近やっと、勝てるようになってきましたが、つい3か月前まで試合をしても全くと言ってよい程勝てないチームでした。

目的意識を持たせ、個人の目標を設定してから、徐々にチームも選手も成長が早くなり、結果に繋がり始めています。

意識改革において、まずやった事は、「どんなチームにしたいのか?」「それはなぜなのか?」「そのために自分は何をするのか?」「どんな選手になりたいのか?」「それはなぜなのか?」「そのためには何をするか?」について考えてもらい、自発的な行動を引き出すという事です。

各々が全員の前でコミットして行動の約束をするので、実行度が高く、今のところ、努力が成果に繋がっているという状況です。

そして、新たに取り組みを始めたのがチーム創りです。

今やっているのは、練習や試合がある時に三人づつリーダーを決め、全員で話しあって生まれた「スローガン」を実行する為に一人一人が何をするのかを約束させ、結果を振り返り、他のメンバーからもフィードバックを受けるというものです。

こうする事で自然と対話が生まれ、助け合える本当のチームになりつつあります。

まだまだ、課題は多いのですが、私は、いつか彼らがこの経験を活かして 社会で活躍して欲しいと思っています。

そのために親父コーチは、毎週末、腰痛と闘いながら、彼らと一緒に汗を流し続けます。

グラデーション型育成

前回は部下の発達段階に合わせて、対応を変えてゆくシチュエーションリーダーシップにベースを置いてお話ししました。

今回はその発展型である「グラデーション型育成」についてお話しします。

部下に個性や能力に合った育成を続けてゆくとスピードに個人差はあっても、その人なりの変化が起こってきます。

つまり、これが成長なのですが、この部下の変化に合わせて「働きかけ」を変えてゆくのが、「グラデーション型育成」の考え方です。

人は時間の経過と共にキャリアを重ねて行きます。

そして、その人がどんな成長を告げてゆくかは、人それぞれ異なるわけです。

従って、上司が部下の成長に合わせて持っている情報や知識、必要なスキルを出し入れできれば、どんな部下であっても成長を加速化することができます。

ただし、私達はロボットではありませんので、階段を上がるように成長してゆくわけではありません。

例えば、部下に知識と経験が足りない若手の段階においては、「教える」「訓練する」「アドバイスする」という関わり方を中心に、部下の変化を観察しながら、次の段階のスキルである「考えさせる」「選ばせる」「決めさせる」というプロセスに進んで行くわけですが、一回の説明で「理解する人」もいれば、そうでない人もいます。

中には何度説明しても、同じミスを繰り返したり、違う行動をするなど、一向に成長が見られないように感じる人もいると思います。

こういう部下には、「教える」=「わかるはず」という発想を捨てて、接し方を変え、「教える」をもう少し、細分化する必要があります。

例えば「教える」という事を「説明をした」「理解した」「自分の言葉で説明できるようになった」と言う3つのパートに分解し、必要があればさらにひとつ、ひとつをいくつかに再細分化してみるという事です。

具体的に「理解した」を例に挙げて考えてみますと、

  1. 「何がわかったか?」を説明させて「覚えたか?」どうかを確認
  2. 「では、こういう場合はどうなると思う?」という応用問題を出す事で「理解度」を深める

そうすると「理解」の精度が上がり、次は「自分の言葉で説明できる」という段階に入れるわけです。

さらに、次は「訓練」を

  1. 上司の手本を見た
  2. 上司に見てもらいながら、やってみた
  3. 一人でできた
  4. 複数回できた

等に分解し、確認しながら、進めてゆきます。

それでも、また「訓練」後、ミスやヌケが発生するようであれば、戻って「なぜ?」という問いを立てて「理解」を促進する。

手間がかかって、大変だなと思われるかもしれませんが、こうする事で着実に成長に結び付ける事が出来ますし、後々の事を考えると、無駄な問題が起こりにくくなります。

そして、そしてさらに、大きな副産物が生まれます。

それは、「今手間がかかっている部下」が先輩や上司になった時に「自分がしてもらった事」が後輩にできるようになる事です。

つまり再現性のある教育プロセスが作れるという事。

人によって関わり方や教え方が多少異なっても、部下や後輩に対する育成の仕方をある程度標準化できれば、結果的にそれが組織の生産性向上に繋がります。

今日お伝えした「グラデーション型育成」は育成のプロセスを細分化、再細分化して進める考え方です。

そのためには抽象的な表現を「どういうことか?」と言う視点で分解し、誰もが共通認識できるように言語化する必要があります。

また、この共通言語化については別に機会に改めてお話ししますが、一見遠回りの様に見えても結果として成長スピードは早くなります。

もし、伸び悩んでいる部下が周囲にいるようでしたら、育成、接し方のプロセスを見直してみて下さい。

目先のスピードに目が行く事によって生まれている「無意識の手抜き」が「部下の成長鈍化」に繋がっている事をご理解いただけると嬉しいです。

次回は、リーダーの成長を加速する「リーダーズコミュニティ」についてお話ししたいと思います。