Z世代とプレイングマネージャー

最近読んだ本で面白い本がありましたのでご紹介したいと思います。

「先生、どうか皆の前で褒めないで下さい・・・いい子症候群の若者たち」(金間大介著)という本です。

「皆の前で褒めないでってどういうこと???」と私はタイトルを見て、興味を持ち購入したわけですが、大学教授として若者たちに接してきた著者が、Z世代と呼ばれる若者たちの特徴を表面的なものではなく、より深く洞察した視点でまとめています。

ご興味があれば、ご一読いただきたいと思います。

実際にお読みになる方もいらっしゃると思いますので、内容を詳しく書くことはいたしませんが、私が「確かに!!」と思った点は、彼らは「ゆとり教育」が原因でそうなっているわけではなく、日本人の本質が時代背景の中で「変容」しているだけで、本質的には変わっていないという指摘です。

おとなしくて真面目、反応が薄い、言われたことしかやらない、安定志向、横並びを重視する特徴があると言われている「Z世代」ですが、彼らが生まれて今日に至るまで「良い時代」を経験しておらず、閉塞感の中で過ごしてきたこと。

そして、その中で「大人たちの姿」を見て育ってきた彼らに「主体性」を求めるのは、理不尽であり、本質的な要求ではないことがわかります。

では、どうしたら良いか?ですが、「大人たちが自ら失敗を恐れずに挑戦する」姿勢を見せる事であると著者は言っています。

自分ができないことを「若者に要求するのはおかしい」と。

確かにそのとおりであると思いますが、なかなかすぐに行動に移せることではないと思いますので、私は身近なZ世代と言われる人たちに関わる方々がすぐにできる事、やるべき事という視点で考えてみたいと思います。

まず一番目は、そういう彼らの「特徴」を踏まえた上で「レッテルを貼らないこと」だと思っています。

Z世代という言い回しで括っておきながら??と思われるかもしれませんが、大切なのは「違い」を理解した上で 接してゆく事だと思っています。

なぜなら、レッテルを貼ってしまうと「可能性が消える」からです。

私たちは一度「こういう人間だ」と決めてしまうと、そこに囚われて、見方を変えようとしません。

特に、一緒にいる時間が長くなればなるほど、見方は固定してしまいます。

なので、大切なのは「違い」に対し「レッテル」を貼る事ではなく、特徴を踏まえた上で接し方の可能性を探ってゆく事です。

言い換えると、「対応の選択肢」を増やしてゆく事と言えるかもしれません。

例えば、「何か質問は?」と聞いても反応がないか?そこじゃないよ!!と突っ込みたくなる反応が返ってくることもあると思います。

でも、決して理解が曖昧なことはないわけではなく、勇気がなかったり、相手の反応が怖かったりすることが原因で、肝心なことを質問ができないわけです。

なので、そんな場合は「問い」を変えてみる事を試してみてはいかがでしょうか?

例えば、(疑問があるんことを前提に)

  • 今僕がした説明に対し、3つ確認したいことがあるとしたら?
  • 良く聞かれるのが、AとBとCなんだけれど、君はでどれが一番聞きたい?

などです。

自分の尺度に囚われない感度をもって部下を観察し、対応の仕方を変えてみましょう。

そうすれば、その人の持つ成長への可能性が見えてくると思います。

二番目は、「認識のずれ」や「理解のずれ」をなくしてゆく事だと思っています。

例えば「わかった」を鵜吞みにしないことです。

これはZ世代とのやり取りに限ったことではありませんが、人と人のやり取りの中で良く起こることでもあります。

業務上、上司が部下に「わかった?」と問いかけることが良くあると思いますが、実際は「伝わっていない」「わかっていない」ことが後になって発覚し、問題になることがあります。

なので、「何がわかったのか?」を上司が部下に対し、具体的に確認する必要があります。

ただし、言葉にすると簡単な解決策ではありますが、実はなかなかできないことでもあります。

それは、「わかった」で済ませることでお互いが得られる「利」があり、後々の問題につながるであろう「リスク」をかき消してしまうからです。

どういうことかと言うと「わかった?」「わかりました」という会話の応酬は上司にとっては、「仕事を早く進められる」という「利」や「わかったのなら、何かあったら、お前が悪いんだぞ」という責任転嫁の「利」があり、部下にとっては「あいまいさを突っ込まれ、責められる事を避けられる」という自己防衛の「利」と「煩わしい上司とのやり取りを早く終わらせることができる」という苦痛回避の「利」があると言う事です。

何か問題が起これば、上司は、部下の意識や能力に問題があるというレッテルを貼る事で自分を正当化し、部下は上司の仕事のさせ方や人格に問題があるという見方をする事で自分を正当化します。

お互いが「目先の利」を選択したために問題が発生し、信頼関係を損ねる結果になるので良いことは一つもありません。

なので、たとえ、面倒でも、急いでいたとしても「確認」にひと手間を加える。

そうすることで上司は「部下の現在地」が把握できるようになり、部下もあいまいな不安を抱えたまま過ごす時間をなくすることができます。

時代背景の違い、経験の違い、視座の違い、個性の違い、価値観の違いなど、誤解や理解不足を生む要因は無数にあり、これからもなくなることはありません。

「見方」を固定したり、「発する言葉」を鵜呑みにするのではなく、もしかしたら、伝わっていないのかもしれないという可能性を常に頭の片隅で意識して置くことで、違いから生まれるギャップを埋めることができます。

「面倒くさい事の中に正解はあるんだぞ!!」

20年以上も前に、私が部下に諭すために使っていた言葉ですが、これは時代が変わっても不変の事なのかもしれません。

「レッテルを貼らない」、「対応を変えてみる」良かったら、ぜひ試していただきたいと思います。