受身組織を改革する方法<2>NG疑問文を使わない

受け身組織を改革する方法の第二弾は「NG疑問文を使わない」です。

私達が日常使う言葉の中には「疑問文」のような形式を取っているが、意味合いは「相手を責める」ようなものが多くあります。

このようなワードを多用すると部下の自主性や主体性が育たないばかりか、メンタルを破壊してしまう恐れがあります。

なぜなら、部下が受け身になっている理由の多くは「怒られたくない」「否定されたくない」といネガティブな深層心理が働き、「余計な事はしないで言われたことだけ何とかこなそう」と考えるからです。

では、どうしてこのような心理を持っているのか?というと過去の人生において「人格を否定」されるような言葉を投げかけられた経験が少なからずあり、これがトラウマのようになっている可能性があります。

したがって、上司が自分をどのように見ているのかという事に対して部下は、とても「敏感」であり、上司は部下と接する時にどのような言葉を使うのかについては注意が必要です。

今回は上司として部下に言ってはいけないNG疑問文と「毒にならない」言い換え方をいくつかご紹介したいと思います。

【1】こんな事もわからないの?(できないの?)

これは言外に「お前は使えないやつだな」と言っているに等しいのでNG度は最悪ランクです。
これを言う事で部下が「奮起する事」も「改善する事」もなく、上司が部下に対し文句を言っているだけなので関係性は悪化、下手したら恨まれるようになり、「害」しかありません。

お勧めの言い換え方➡何かわからない事があったの?できなかった理由は何なの?

【2】なんで~なの?(なんでこうしたの、なんでできないの?なんでわからないの?など)

英訳すると「WHY」なので一見相手に何を尋ねる文章のようで実際は「叱責」のニュアンスが強い言い方です。
こういう言い方は部下を追い詰め、「メンタル破壊」にも繋がる危険性があるのでNG度は同じく最悪ランクです。まさに「猛毒」ワードです。

お勧めの言い換え方➡こういう風にした理由は?できなかった理由は何かあるのかな?どこがわからないの?

【3】何やってんの?

これも良く日常で登場する「ワード」です。期待した通りに部下がやらなかった時に良く口から出てくるワードです。これも相手を強く責めるワードで職場だけでなく、家庭でもよく使いがちなNGワードです。私も結構子供に対し、言ってしまってるかもしれません。反省反省。

お勧めの言い方➡おっ、どうしたんだ?あれ、正しく伝わらなかったかな?

【4】何回説明すればいいの?

同じ間違いを繰り返してしまう部下に言いがちな言葉です。これも「お前は〇鹿なの」と言っているのと同じであり、相手に与えるダメージは強いワードです。

お勧めの言い方➡また、間違っているよ。わからないのはどこかな?

【5】どうすんの?

ミスや未達成の事柄に対し、対応を求める場合によく使うワードです。追い詰める要素が大きく、改善よりも精神的に追い込む要素が強くなります。

お勧めの言い方➡どうやって対応する?どうやって取り返そうか?

一見疑問文だけれど、相手を攻撃してしまう要素のあるワードを見てきました。

お気づきの方がいらっしゃるかもしれませんが、NG疑問文の方は「お前は」という主語が隠れているのに対し、お勧めワードの方は、「こと」や「行動」にスポットが当たっています。

上司が部下と話すのは本来「成長」を促し、「成果」に結び付けてもらう為です。
話す前に「目的は何か?」を考え、一時の「怒りの感情」をぶつけるだけにならないように注意しましょう。

仮に怒ったところで一時的に部下の行動が変わったとしても「怖いから」と言う理由で動いただけで成長には決して繋がらないからです。

今まで私が多くの管理職の方と接してきてわかった事は、部下が自分の思ったように動かない,期待通り成長しない理由の多くは「部下」にあるのではなく、上司の「あり方」「話し方」「聴き方」「接し方」にあるという事です。

良かったら、自分が使いがちなNG疑問文を洗い出し、「部下の行動を変える」「成長を促す」言い方に変えてみましょう。

もしかしたら、最初は、ぎこちなくなってしまうかもしれませんが「コミュニケーション」は筋肉運動と同じで繰り返し使う事で上手くなります。

言い方を変えるだけで部下の心理が「怒られたくない」「否定されたくない」から「認められたい」「評価されたい」に変ったら、こんな良い話はないと思いませんか?

心理的安全性を創ろうとしてはいけない

「心理的安全性」はビジネスシーンだけでなく、学校や部活、サークル活動など様々な場面において注目されるようになってきました。

その反面、じゃあ、どうしたら実現できるのか?については曖昧な認識のままではないかと思います。

なので、今日は心理的安全性について考えてみたいと思います。


心理的安全性に関しては、様々なHOW TO本があり、それに倣って取り組みをされた企業様も多いと思います。

ただし、結論から言うとコミュニケーションの自由度を高める事で心理的安全性を向上させようとしてもうまくいきません。

なぜなら、心理的安全性は創るものではなく、「生まれる」ものであり、「コミュニケーション」の改善だけで実現できるものではないからです。

その証拠に「心理的安全性」が脚光を浴びるきっかけになった「Google」の発表も「パフォーマンスの高いチーム」の共通項として心理的安全性を挙げただけなので、「心理的安全性」は「必要条件」であって「必要十分条件」ではないと言っているわけです。

したがって、この事からもわかるように取り組むべき事は「心理的安全性」を創る事を目的した活動ではなく、「パフォーマンスの高いチームを創る」事を目的としたアプローチです。

では、「パフォーマンスの高い」チームはどうやって創ればよいのでしょう?

Googleの調査でもわかるように一口で「パフォーマンスの高いチームはこうだ!!」というような正解はないと思いますし、様々なカラーがあってしかるべきだと思いますが、

参考までに、今まで弊社でクライアントの組織改善に関わらせていただいた中でわかってきたパフォーマンスの高いチームが持っている要素をピックアップしてみました。

□チーム内に「心が躍る」共通の理想像、目的や目標がある
□会議に目的とゴールがあり、全員が発言する機会がある
□議論の場では意見の違いを大切にしている
□メンバーは、自分の主張が通らなくても、決定した事には気持ちよく参画している
□一人一人に主体性と成長意欲がある
□一人一人が持ち味を発揮し、役割が明確である
□リーダーがサーバント型リーダーシップ(メンバーの意思、意欲を尊重し、能力やパフォーマンスを引き上げる)にベースを置きながらも状況によって対応を変える柔軟なスタイルである
□心理的な役割分担ができている(しっかりもの、ムードメイカー、モチベーターなど)
□お互いの感情に関心を持ち、大切に扱っている
□ミーティングで対話をする機会が多い
□メンバー同士がお互いに関心を持ち、プライベートも含めて良く知っている
□懇親の機会が多い(飲み会、プライベートな企画参加が多い)
□メンバー同士、お互いの取り組みや努力が刺激となっている
□チームの為、仲間の為に協力、助け合いが出来ている
□抽象的なやり取りではなく、数値で対話ができている

チームカラーに差はあれど、経験上70%チェックがつけば、パフォーマンスの高いチームと言えるのではないかと思います。

あとは、足りないところを優先順位をつけて取り組みを行なってゆけば、さらに強いチームが創れます。

ご参考にしていただけたら、幸いです。

具体的にどうしたら?という事をお知りになりたい場合はお気軽にご相談ください。

アンガーマネジメントの前にやるべき事

最近また、ハラスメントに関するニュースをよく眼にする機会があります。
それを象徴するようにアンガーマネジメントに関する研修も
相変わらずニーズが高いプログラムとなっています。

一昔前は、当たり前であった部下への接し方が、今ではすぐハラスメントということになる可能性があり、企業側も応急処置的に対策を打っているというところでしょうか。

研修を実施する事自体は人に対する関わり方や接し方に意識が向くことになり、基本的には良い事だと思います。

ただし、私はその前に解決しておかなければならない事があると思っています。
それは、何故「怒りを覚えるのか?」ということについて、自分なりの答えを知る事、つまり怒りを発動する「メカニズム」を理解すると言うことです。

例えば、
「普通はここまでするのが当たり前でしょ!」
「若手から挨拶するのか当然だろ!」
「なんで、もっと早く言わないの?」
など、日常のやり取りの中で「怒り」を感じる場面は頻繁に登場するわけですが、

これは、相手が「自分が期待する反応」をしなかった事によって起こります。

そして、「自分が期待する反応」は自分にとって「これが普通でしょ」「当たり前でしょ」という
ある意味一人一人が持っている固定観念がベースになっています。

したがって、まずは自分が認識している「普通」「当たり前」はどんな事なのか?を自分自身が理解しないといけないわけです。

でないと、対処法的に研修をやったとしても根本的な解決にはならず、一過性の効果しか期待できないからです。

実はこの件で最近、ある企業の管理職に対し、コーチングを行いました。

まず、その方が抱えている固定観念である「普通」「当たり前」だと思っている事を書き出していただいたのですが、固定観念と言ってもひとつひとつ、見てみるとおかしなことは一切なく、実は正論そのものであり、異論を挟む余地はありませんでした。

ただし、なぜ他人は自分が当然と思っている反応をしないのか?
なぜ、自分とは違う行動をとるのか?ということについては、「知らないから」「理解できていないから」という認識しかありませんでした。

だから、強く言って知らしめなければと思ってしまうわけです。

違いを認めた上でどう接するか?

この知らない、理解できていないという考えは、自分の考え方や捉え方が絶対的なスタンダードであり、他人にとっても当然「当たり前でしょ」という認識に立った考え方です。

しかし、私たち各々が持っている「当たり前」は、自分の人生を通じて出来た「当たり前」であり、一人一人が違う人生を歩んでいる以上、少なからず「違い」が生じます。

例えば、仕事に対する姿勢について、残業する事が当たり前だった時代を経験した人と、ワークライフバランスなど個人の生活を大切にする風潮が当たり前の中で会社に入ってきた人では、当然、仕事に対する考え方は違うわけです。

その背景には身を粉にして言われたことを忠実にやれば、定年以降も含めてある程度人生を保証されているように感じられた時代と、会社が社員の人生を保証できなくなり、会社と社員の関係性が変わってきたという背景の違いがあるとも言えます。

なので、部下が自分が期待する反応をしない場合については、まずは「当たり前」が違っているのかもしれないという視点を持つ事と、その違いはどこから生まれているのか?を洞察してみる事も必要です。

感情面からの洞察も必要

あともう一つ考えるべき事は、「感情」です。

なぜ、感情について考慮すべきなのかと言うと、私たちが「感情優位」な動物であるからです。

なぜ、感情が「思考」よりも強く、人の行動に影響を及ぼすという事に対しては「脳」の進化において「思考」を司る機能が出来たのが「感情」を司る機能が出来てから、2億年も後だったからであると考えられている事は以前お伝えした通りです。

したがって、相手が自分の期待通りの反応をしなかった時には、相手の「感情」についても考えてみる必要もあります。

例えば、若手が自分の方から挨拶してこなかったとします。

この場合、「けしからん!!」と思うかもしれませんが、やらなかったのではなく、出来なかった可能性も考えた方が良いという事です。

「他の事を考えていて、視界に入らなかったのかも?」
「仕事で何かあったのかも?」
「何か悩みがあるのかも?」
「何らかの理由で会社に来たくないのかも?」

相手の感情という視点で考えてみると色んな可能性が出てきます。

そうするともしかしたら、自分から挨拶をすべきである事はわかっているのかもしれないけれど出来なかった可能性がある事が推測できるようになります。

相手に自分の期待を押し付けない

以上、「違いを認める」「相手の感情を考える」という2つの可能性から、相手が期待通りの反応をしない場合について考えてみました。

それらを踏まえた上で「私達ができる」事は、自分の期待を押し付けない事ではないかと思います。

そして、「当たり前の違い」について話す場面があれば、相手の考え方を聞いた上で「否定」せず、「なぜ、そうして欲しいのか?」を相手のメリットに紐付けて話し合う事ではないでしょうか?

例えば、

部下「なんで、残業しなくちゃならないんですか?」

自分「残業をしたくないのはどうしてなの?」

部下「プライベートを大事にしたいんです。仕事をするために生きているわけではないんで。」

上司「そうか。それはそうだよね。」「私も君に残業をして欲しいわけではないんだよ。」「仕事って納期があるでしょ?だから、それに間に合うように目標を立てる必要があるよね。」「目標は納期をゴールに例えると今どこにいるかがわかる目印なんだ」「君が今日到達しているべき目標に到達していれば良いんだけど、どうだろう?」「今のペースで間に合うかな?」

新人「そう言われると、どうですかね?」「でも、まだ僕新人なんで、そこまで求められるのはおかしいと思います。」

上司「そうか。新人だから、例え仕事が終わってなくても残ってまでやる必要はないと思っているんだね」「じゃあ、例えば君が先輩になったとして新人と2人で組んで仕事をすることになったとしよう。」「その彼が君と同じような考えで先に帰ってしまったら、君はどう思う?」「目標に間に合わせるために彼が出来なかった分を君が引き受けなければいけないんだよ」

部下「そうか、自分がやらなければいけなかった事を他の人がカバーしなくてはいけなくなるんですね?」

上司「そうだね。私たちは組織で働いている以上、協力し合って、組織の目標を達成するために動く必要があるんだ。」「私だって、本来は残業する事は良い事ではないと思っているけれど、時には必要な場合もある事はわかってくれたかな?」

部下「はい。」

上司「だから、残業しなくても良い状態になるように一緒に頑張ろうよ」

部下「わかりました。」

実際はこのようにスムーズにはいかないかもしれません。
ただ、「新人」だから、相手が「未熟」だからという認識で否定したり、説得しようとするのではなく、相手がなぜそのように考えるのか?を考えながら、辛抱強く接してゆく必要があると思います。

慣れるまでは苦しいかもしれませんが、相手の視点に立って考えることができるようになれば、仮に、一瞬怒りを覚えたとしても表出せずにクールダウンする事ができるようになります。

自分の持っている「普通」や「当たり前」は案外わかっていないものです。

仮にアンガーマネジメントの研修をするのであれば、自分の「普通」「当たり前」を内省する事もセットでやっていただけるとより効果的です。

今日の内容が上司と若手のギャップを埋める一助になれば幸いです。

「リーダー育成」と「組織変革」を同時に行うプログラム

弊社で展開している「プレイングマネージャー育成プログラム」は、おかげさまで導入いただいている企業様から大変好評をいただいております。

理由は「教育」の目的を実現できるプログラムだからです。

教育研修は本来、対象者が受講する事で「意識変容」が起き、職場で「行動変容」が起きる事、つまり、組織に何かしらの「良い変化」をもたらすことを目的としております。

しかし、実際は「研修」を受けてもなかなか行動変容までたどり着かない事が多いのではないでしょうか?

それは、新たな行動を起こす動機付け、チームにおける価値のある取り組み、そして行動の継続を促進するための「設計」がされていない事が大きな原因です。

どんなに研修が素晴らしくても、研修を一回二回受けたくらいでは、なかなか人は変容しません。

それは、私自身も数多くの「研修」を提供してきた事で嫌と言うほど経験してきたのでよくわかります。

対象者が変容しないのは「知識やスキル」が足りない事もあるかもしれませんが、それよりも「変わる理由」つまり「意思」がない事、また、変化に価値を感じる事、行動を継続できない事にあります。

したがって、これらの点を解決しない限り、提供側としては、一応「やっている」という満足は得られるかもしれませんが、効果については、「参加者の責任だよね」ところで落ち着いてしまうのではないでしょうか?

なぜ「プレイングマネージャー育成プログラム」で変容が起きるのか?

1. モチベーションを高める事からスタートする

どんなに素晴らしい研修でも、受ける側が学びを活かす「モチベーション」がなければ、全く役に立たない無駄な投資になります。

そして、そのモチベーションはどこから生まれるのかと言うと、弊社では参加者が自分の現状を客観視して、未来を「希望」と「絶望」の両面から考察する事によって生まれると考えています。

簡単に言うと、将来を考えると「現状維持ではまずい事になるな」(絶望)、むしろ「変わる事で定年後も含めて良い人生にできるな」(希望)と考えられるようになる事です。

これによって、「学び」を自分事として捉える事ができるようになります。

私たちは何もなければ、目の前の事に追われ、あまり、将来の事をじっくり考える機会がありません。

でも、機会を作って改めて将来を考える事で、今の自分を俯瞰して捉えるこちができるようになります。

希望と絶望、天国と地獄とも言えますが、上手くいったバラ色の未来と避けたい最悪の未来を考える事は、価値観を見直す機会にもなり、非常に効果的です。

2. 視点を変える仲間達との対話

研修の中でグループセッションを多く取り入れています。

これは同じ立場の仲間達と「自分の考え」や「感じたこと」をディスカッションすることで、自分とは違う視点を手に入れる事に意味があります。

特に同じような立場の人間が自分とは違う視点を持っている事に気づくと、自己内省が始まり、行動変容に繋がりやすくなります。

同じことを言われたとしても、上司から言われるのと同僚が言うのでは「受け取り方」にも違いが出るのです。

3. チームにおける「関係の質」を高める

「質の高いコミュニケーション」が設計されている。

さらに、弊社のプレイングマネージャー育成プログラムは、集合研修の他、リーダーがチーム内で変革を起こす対話が設計されています。

これは「業務のやり取り」ではなく、「理想のチームとはどんなチームか?」「現状とどのような違いがあるのか?」「チームをどうしたいのか?」「チームにどうかかわってゆきたいのか?」「リーダーに望むことはどんな事か?」等を包み隠さず、本音で話し合う事です。

多くのチームでは、日常業務の打ち合わせ等は頻繁に行われていると思いますが、「自分達」が「何処に向かっているのか?」「それはなぜか?」というような、チーム運営上、本来は重要である対話がなされていないのが実情ではないかと思います。

メンバーが何を考えていて、どんな願望があり、悩みを持っているのか?を共有しあう事はお互いをより深く理解し合い、より強いつながりを創る上では欠かせない事です。

また、チームメンバーがどんな関わり方をしているのか?を表す「関係の質」は、長期的な成果に影響を及ぼす事や風土改革に欠かせない事は組織学の大家である「ダニエル・キム」氏によっても提唱されておりますし、グーグルの実験でも立証されています。

4. リーダーの行動変容をサポートするプロコーチによるコーチング

モチベーションが上がり、チームにおける改善活動を実りあるものにするためには、リーダーを孤独にせず、チャレンジを継続させる為の応援が必要です。

行動を変え、新たな良い習慣を創るには「継続」しながら、PDCAを回してゆく事が重要です。

しかし、一人では継続が難しいのです。

それは、ダイエットやジョギングを始めても中々長続きしないのと同じ理由で、その人に問題があるわけではなく、私たち人間が共通に持っている本能に原因があります。

個別コーチングでは主に本人が「自覚できない成果」に重点を置き、自発的な改善活動を促進できるようにサポートしていきます。

5. 経験学習を加速する「内省」…グループコーチング

このプログラムでは、リーダー同士が「内省しあう」メニューを後半に用意しております。

自分が部下に関わる中で「感情を乱された」出来事について話し、同じリーダー仲間からのフィードバックや質問のシャワーを受ける事で自身を内省し、新たな行動に繋げてゆく事を目的としています。

これは有名なヘンリーミンツバーグというマネジメント学の研究者が発案したものからインスパイアーされて作ったものです。

マネジメントの学びはMBAではなく、現場の経験から学ぶことの方が有効であるという信念のもと作られました。

主観で物事を捉える私たち人間は「自分の見方、考え方」が「普通」であり、他者も同じであると考えがちです。

しかし、当事者でなくなると「冷静」に「客観的」に自分の心を振り返る事が出来ます。

自分と違う見方を手に入れる、俯瞰して捉えられる能力を磨く事は、リーダーの成長にとても有効に機能します。

このように弊社のプログラムは参加者が参加し続ける事で、無理なく「変容」してゆくように設計されています。

「現状」は「今までの行動」を積み重ねた結果が表れているものです。

したがって、現状を変え、新しい状況を創るには「行動」を変えるしかありませんし、行動を続け、習慣にする必要があります。

弊社は有名な企業ではありませんので、依頼するには勇気が必要かもしれません。

しかし、参加者の成長に真剣に向き合う覚悟は誰よりも持っているつもりです。

ご興味をお持ちいただけたら、詳細をご紹介する機会を頂けると嬉しいです。

感想が言えない日本人

現在、私が提供している教育の大半は、研修とコーチングをサンドする形で半年間走るプログラムが中心です。

研修と研修の合間に個別コーチングを実施しているのですが、研修を受けた方との最初のコーチングでお聞きするのは研修の感想です。

これは、どんな感想を持ったのか?その人なりにどう感じたのかを知ることがコーチングを提供する上で大切な事だからです。

でも、大半の人が「感想」を話してはくれません。

どういうことかと言うと、どんな研修だったかを説明したり、学んだことを説明するのです。

こういう「現象」に遭遇すると私は改めて「危機感」を強く抱いてしまいます。

なぜ、感想が言えないのか?という事ですが、私なりに推測すると、常に「正解を言う事」を求められて、長い事、過ごしてきたからではないかと感じています。

私の提供する研修は、もちろん知識やスキルを学んでいただくという要素もありますが、なぜなのか?何を?どのようにするのか?を自分で「考える時間」を多く設定しています。

したがって、何かしら「感じる」事があるはずなのですが、なかなか、「感想」は出てこない。

自分の感想はないのか?

では、本当に「感想」はないのか?と言うとそうではないと思います。

「そんなの机上論だろ?」
「出来の良い部下の場合はそれで良いかもしれないけれど、あいつには無理」
「そんなことしている時間はないよ」
など、心の中でつぶやいた事は少なからずあるはず。

でも、いざ感想を求められるとお門違いな返答をしてしまうのは、単に感想を言う「習慣」がないからだと思っています。

したがって、感想を言ってもらえるようになるには、 繰り返し、しつこく「感想」を求めてゆく以外にないと思っています。

感想や考えを求められた時に、自動的に「正解」に直結するようになっていたシナプスを、感想を答える訓練を繰り返す事で「自分の心」につなぎ直すという事です。

例えば、「今言ってくれたのは、学んだことですね。感想を言って。感想を」と言う風に食い下がるという事です。

こういう事を何回か繰り返すことで、自分の抱いた感想や考えがまず第一に頭に浮かぶようになり、問題なく、抵抗なく、感想が言えるようになるはずです。

感想にこだわる理由

私がここまで「感想」を言ってもらう事にこだわる理由は、「感想を言う」事が人の感情に興味を持つことに繋がるからです。

なぜなら、「心に感じたことや思ったこと」を話すのが「感想」ですから、感想を言えるようになる事は自分の「感情」や「思い」に興味が持てるようになる事でもあり、結果として、他人の感情にも興味を持つことに繋がります。

そして、感情に興味を持てるようになったら、他人との関わり方も変わってゆくはずだからです。

私たちは長い間、感情と仕事を切り離す事を求められてきました。

心を持った人間であるにも関わらず、ロボットのように感情を軽視して働いてきました。

それでも成果が上がった時代は良かったかもしれませんが、「物欲」に人を動かすパワーが薄れた今、組織の中で「人を動かす」のは「感情」です。

人のモチベーションを上げたり、関係性を強くするのは「心」に対するアプローチです。

だから、どういうタイミングでも良いです。
会議でも、ミーティングでも、仕事に対してでも。
感想を求める。

まずは、身近にある事に対し、「感想」を言える環境を作っていただけると、業務のやりとりだけで人が動くような無機質な組織ではなく、躍動感のある組織創りに繋がってゆくのではないでしょうか。

まずは自分からという事で、今回の記事を読んでどんな「感想」を持ったか?心の声に聴いてみてください。

「上司の関わり方」が6割

1月から、大手精密機械メーカーのプレイングマネージャー10名に対し、「コーチング」を実施しています。

この人たちは、どちらかと言うと上司から「評価が低かった」方々です。

上司から出された課題に対する、アクションの実行をサポートしてゆくのですが、一人一人と向き合い、じっくり話しを聞いてみると「やっぱりな」と改めて気が付いた事があります。

それは、今の上司が改善して欲しいと認識している「問題」はその人そのものの問題と言うよりも「上司」がどう関わったか?という事によって生まれるケースが多いという事です。

例えば、現在の上司に「もう少し、リーダーとして主体的に行動をして欲しい」という課題を与えられたあるプレイングマネージャーは、以前の部署では長きにわたり、研究職のスペシャリストである上司に言われた事を実行する事だけを求められてきました。

つまり、「君の意見などいらない、私の指示通りにやってくれれば良い」という事を言われ続けてきたという事です。

ご本人は、自分をあたかもモノであるかのように扱われていると感じた事でしょう。

また、別のプレイングマネージャーは、ホウレンソウなど業務上必要なコミュニケーションが弱いという評価を受けていますが、以前の上司は自分の業務遂行に埋没し、全くと言ってよい程、部下の仕事を「見ない」人であったので、上司に信感を抱き、積極的にコミュニケーションをとろうという意識が薄くなってしまったそうです。

大人ですから、全てが上司の責任とは言いませんが、上司の部下に対する影響力は大きく、関わり方次第では今の問題は「発生」しなかったように感じます。

本当の問題は何処にあるのか?

今回10名の方々と接してみて私が本当にその人自身に本質的な問題があると感じた人は「4人」です。

10名中6名は過去現在における上司との関係性に問題があると思っています。

つまり、6名は上司次第で今回の対象にはならなかった可能性があるという事です。

これは本来、活かされるべき人間が活きていないという事になり、会社としては「目には見えない」大きな損失です。

では、このようなミスマッチが起きないようにするにはどうしたら良いのでしょう?

ひとつは、「部下を持つ」べきでない人を上司にしないという事です。

これは、プレイヤーとして優秀であるからと言って「優秀な上司」になるとは限らないという認識に立つという事です。

たしかに「できる人」がリーダーとして育ってくれれば、それに越したことはないですが、先ほど挙げた研究のスペシャリストである上司のように、どうしても「向かない人」も一定数いるのは事実です。

なのでそういう人は、思い切ってその任からといてあげた方が「本人」にも部下の為にも良いのです。

評価や給料にも関連する事なので、簡単な事にできる事ではないかもしれませんが、利益と損害のバランスを考えれば、その人を上司に置いておくよりも、プレイヤーに徹してもらう事の方がはるかに「益」を産むのではないかと思います。

あともうひとつは、上司が部下に対する「見方」を変える事だと思っています。

これも言うのは簡単で、なかなかすぐには難しい事かもしれませんが、自分より部下は「下」であるという認識を改めるという事です。

一般的に上司の方が「熟練度」が高いため、どうしても「部下」に対しては「上」から見がちになりますが、「自分より下」と言う見方は、部下のモチベーションの低下や成長の鈍化に繋がります。

「下」ではなく、ともに「チームの目的、目標を実現する」仲間なんだという見方に変える事が出来れば、「損」は「益」に大きく転換できるでしょう。

「人は理屈ではなく、感情で動く」という事は、私の研修でも強調して伝えている事ではありますが、関わり方次第で、 やる気の向上やコミュニケーションの活性化、関係性の向上に結び付くのであれば、結果として、上司である自分の仕事も楽になるはずです。

会社で働いている人がどんな関わり方をしているのか?がパフォーマンスに大きく影響するという事は、グーグルが証明し、「心理的安全性」と言う言葉とともに認知されるようになってきました。

であれば、後はいつから、どこから始めるかです。

これは、ある意味会社の「体質改善」でもあるので「変化」が見えるまではそこそこ時間がかかりますし、進捗に対しては、一進一退があるはずです。

変化に抵抗する勢力に妨害を受けるかもしれません。

でも、これからは今まで以上に「人」を活かせる企業が生き残り、発展をしてゆくと私は信じています。

現状維持を続け、じり貧になって後で後悔する前に、早めに手を打つ方が得策だと思うのですが・・・。

今日は、ある企業の例をとってお話をしましたが、同じような問題は日本中至るところにある組織、会社にあると思っています。

良かったら、この機会にご自身の会社も「上司の適正」や「上司の部下に対する関わり方」について見つめ直して頂ければ幸いです。

サッカー日本代表「ベスト8」に向けて犯した2つのミス

サッカーワ-ルドカップがいよいよ佳境に差し掛かってきました。

わが日本代表は「ベスト8」の目標を掲げてのチャレンジでしたが、残念ながら、またしても悲願達成はなりませんでした。

強豪ドイツとスペインを倒したことは奇跡のような出来事であり、賞賛以外の言葉はありませんが、ここまできたら、やはり、「壁」を突破して欲しかったし、間違いなく「できたはず」ではないか?と思っています。

私はサッカーについては素人なので技術や戦術的な事はわかりませんが、「人の心理」という目線で考えると、ほんの少しアプローチを変えるだけでクロアチアには勝てたと思っています。

理由は2つあります。

一つ目は目標設定の仕方です。

脳科学的には「目標」の設定によって勝敗が分かれるという事は良く言われていて、代表的なのは「水泳日本チーム」にコーチとして帯同した林さんという脳科学者が、パフォーマンス向上のために行ったゴール設定の仕方です。

通常水泳は「壁にタッチ」することがゴールになるわけですが、ゴールを目の前にすると「人の心理状態」は変化し、「力んだり」「緊張したり」でパフォーマンスが落ちるという事がわかっていました。

野球でも勝利がかかった最終回で「ここを抑えれば勝てる」と言う意識が強くなりすぎた投手が四球連発で崩れる場面がよく見られるのも目の前に「ゴール」が迫ってきて必要以上に「緊張したり」「力んだり」するからです。

それで林さんがまず行ったのが、ゴールの設定を変えるという事だったのです。

最近、水泳競技をTVでご覧になった方はお気づきかもしれませんが、選手たちは壁にタッチしてから、一様にある行動をとっています。

それは振り返り、「掲示板のタイムを見る」という事です。

つまり、ゴール設定を「壁にタッチ」ではなく、「タイムを確認する」にしたのです。

これによって、実際にコンマ何秒のタイムが向上が見られたそうです。

人は誰しも、ゴールが目の前に迫ってくると緊張したり、力んだりする。

その心理を利用して「ゴール設定」を変えたのでした。

サッカー日本代表に話を戻すと、ペナルティキックの結果如何で目標としていた「ベスト8」に進めるかどうかが決まる、痺れるような場面では、選手たちに相当なプレッシャーがかかったことは容易に想像がつき、パフォーマンスが落ちるのは当然の事だと思われます。

では、どうすれば良かったか?という事ですが、決勝トーナメントに進出が決まった段階でゴールを「ベスト8」ではなく、「優勝」に軌道修正するか、韓国が作ったアジア記録である「ベスト4」にすれば、良かったと思います。

そうすれば、「ベスト8」はたどり着きたいゴールではなくプロセスなので、「こんなところで負けるわけにはいかない」という強い気持ちを持ってPK合戦に臨めたのではないか?と思います。

実際に今回、決勝トーナメントに進出できたのは「ベスト16」を「目標」とするのではなく、「通過点」にしたことも大きな要因であったと考えられるからです。

とは言え、決勝トーナメントで一度も勝ったことがないチームがベスト4や優勝を掲げるには勇気と根拠が必要なので致し方ない面もあったと思いますし、ドイツやスペインと同じ組になった段階で「本音」のゴールは「ベスト16」だったのではないか?と私は思っています。

だから、決勝トーナメント敗退でもサッカー協会的にはOKだったのでしょう。

あと、もう一つ変えるべき事は「PKの順番の決め方」です。

「挙手」で順番を決めたそうですが、「一番目に蹴りたい人?」と選手たちに聞いても5秒くらい誰も手を挙げなかったそうです。

この場面での「5秒」って結構長いですよ。

実は、この段階で「勝負あり」だったと私は思っています。

つまり、PK合戦を想定した準備ができていなかったという事です。

それで、仕方なく?「南野選手」が手を挙げたわけですが、緊張で気持ちが弱くなっていた時に相当なプレッシャーに中で蹴ったボールが止められたとしても誰も彼を責める事は出来ません。

選手たちの自発性を大切にしたのかもしれませんが、一方で責任を「選手達」に委ねたという見方もできます。

「本田圭佑」のような人が居れば、また違ったかもしれませんが、ここは、監督が順番を決め、「これで行く。責任は俺が持つ。思いっきり蹴ってこい‼」と送り出してあげたら、もしかして、結果が変わっていたのではないか?と思っています。

監督と選手たちの関係性が良かったようなので、一層そう思えてなりません。

まぁ、結果論ではありますが、このように勝負の綾は、ちょっとしたことで揺れ動きます。

日本のスポーツにも以前よりは、メンタルトレーニングやコーチングが導入されてきていると思いますが、世界に打ち勝つには、正直、まだまだ不十分なのかもしれませんね。

ところで、リーダーシップの形は、トップダウンではなく、メンバーの主体性を活かすスタイルが良いとされているのが、最近の風潮であり、私もそこを目指して「人材育成」を行っているわけですが、今回の森保監督の采配を見ているとここぞという場面では、トップダウンも必要ではないかと思います。

平常時は、部下たちのコミュニケーションを活性化させ、主体性をどんどん引き出して行く事が大切ですが、誰も手を挙げたがらない、あるいは膠着する、議論が停滞するような場面においては、上司が決めなくてはいけない。

大切なのは、状況によって使い分ける事です。

そのためには、メンバーを観察し、感情を敏感に感じ取り、出し入れができる能力が必要です。

今回のサッカー日本代表の姿を見て、改めて、今に時代に合ったリーダー像が明確になったような気がしますし、私自身もコーチとしての研鑽を積んでゆきたいと改めて思いました。

さて、スポーツにおける次の楽しみは、来年3月開催のワールドベースボールクラシック(WBC)。

どんなドラマとチームマネジメントが見られるのか?
今から楽しみです。

日本人に合ったコーチングを創る④

前回は義務感、強制感を感じる仕事の中で、その中に「個人の目的」を設定できるか?どうかが大切と言うお話をしました。

今回は目標の具体的明確化についてのお話です。

これは簡単に言うと「いつまでに、なにを、どのように、どのくらい、どうする」という事を決めるという事です。

こうやって書くと簡単に見えますが、日頃から「抽象」「曖昧」の世界にどっぷりつかっている我々には、具体的に決めるという事は意外と難しい事です。

また、「アクションプラン」のところでも振れますが、とにかく、私たちは「はっきりさせる」事が苦手な国民であり、「決める事」を嫌がります。

でも、ここで妥協してしまうと部下の成長も「曖昧」なものになってしまい、変化の少ない停滞した日常に陥ってしまいます。

目標はどうやって決める?

では、具体的に目標をいかに決めるのか?ですが、部下が描いた「理想の姿」「GOAL」を達成するための「要件定義」を考える事から始めると良いと思います。

理想像である「ありたい姿を実現している」将来の部下が持っているであろう「人格」「知識」「スキル」「経験」を考えるという事です。

そして、その「要件定義」と現状に至る「ギャップ」を埋めてゆく事で自身の成長に対する道筋が見えてきます。

そして、理想への「標」(しるべ)である「目標」を今見えている、頑張れば手が届く範囲で設定します。

例えば、プロ野球選手の例で例えてみたいと思います。(なんで?と言う突っ込みは置いておいて)

今年ロッテにドラフト3位で指名された新潟「日本文理高校」の「田中晴也」と言う選手がいます。

私が新潟出身なので注目している子なんですが、ドラフト指名された時にこのテーマに合った「発言」があったので「題材」として取り上げてみたいと思います。

田中選手は記者会見で「日本を代表する選手になりたい」という「ありたい姿」を掲げています。

もし、あなたが、田中選手のコーチだったら、どうやって、この選手の目標を設定させますか?

ここで、先ほどのプロセスを使って考えてみましょう。

以下、田中選手と目標設定の為にやる妄想対話です。

コーチ
いつ、そうなっていたいの?

田中選手
25歳(7年後)

コーチ
どうなっていたら「日本を代表する選手」と言えるの?

田中選手
22歳から3年連続「最多勝投手」になっている。
18勝以上を3年間続けている。
通算防御率が2点台。
WBCに日本代表の先発投手として参加し、チームを勝利に導いている。
最高速度160km/hを投げている。
次にメジャーに行くのは「田中」とメディアでも言われている。
子供達のなりたい野球選手1位になっている。
チームメイトから「認められる」存在である。

コーチ
実現するために必要な事は?

田中選手
年間を通じて安定した投球ができる「ボディ」。
わかっていても打てない「直球」(回転数2500以上)。
何があっても動じない「メンタル」。
けがをしない「柔軟性」「ケア」を極める。
好不調に関わらず、態度を変えず、ファンに接する姿勢。
変化球のバリエーションを5種類まで増やす。
いつも見られているという事を意識して、私生活が乱れないようにする。
すべての球種でいつでも「ストライク」が取れるようになる。
サポートスタッフに対する「感謝の気持ち」を忘れない。
ファンあっての自分である事を忘れない。
チームワークを良くする存在である。
バッター心理を理解し、裏をかけるようになる。
頭を使った投球術を身に付ける。

コーチ
そのために来年一年間はどんなことを目標にする?

田中選手
プロ野球選手としての基盤を創る。
一年間戦える体力とボディを手に入れる。
ストレートの球速と回転数を上げる。
怪我無く過ごす。
メンタルについての知識を学ぶ。

コーチ
具体的には?

田中選手
体脂肪率5%で体重95㎏を達成する(現状85㎏)。
メンタルトレーニングの本を10冊読む。
年間で1200㎞走る。
股割りができるようになる※前屈や他の柔軟目標を別途細かく設定。
最高球速を5km/hアップする(155km/h)。
毎日気づいた事振り返り、記録する。

という具合です。

「ありたい姿」からそれが達成される為の条件を決め、短期の目標にする。

こうすると「遠くに見える未来」に向かう道筋が見えてきて、部下自身も自分の成長を図る事が出来ます。

ありたい姿や目標は変えちゃいけない?

良く研修で、「一度決めた」「ありたい姿」や「目標」は変えてはいけないのか?という質問をうけます。

ありたい姿や目標達成に向けて活動している中で、違う課題が見えたり、もっと、やりたい事が出てくることがあります。

それでも「一度決めた」ことはやり続けた方が良いのか?ということですが、私は変えても良いと思います。

なぜなら、未来のことなど簡単に答えが出るものではありませんし、最初に立てた目標に「苦しさ」を感じたり、「義務感」しか感じなくなるようでしたら、そもそも本末転倒だからです。

大切なのは、しっくりくる「未来」を見つける為の自己探求をし続ける事、そして、そこに向かって「目標」設定をして挑み続ける事です。

「未来の奴隷」になる事ではなく、「理想の未来を更新」して「今を活性化し続ける」事です。

上司としては「コロコロ変えやがって」と思う事もあるかもしれませんが、繰り返し、繰り返し「苦悶」する中で本当に望んでいる事が見えてくるはずです。

なので、部下の「成長へのもがき」を「否定」「避難」することなく「俯瞰して見守ってあげてください。

「自分で見つけ出すこと」が何より、「大切」な事だからです。

今日は具体的な目標設定について取り上げました。

次回は目標を達成するための「スモールステップ」について考えてみたいと思います。

日本人に合ったコーチングを創る③

前回は「自信」を育てるために「自己肯定感(自分の存在価値を認める)」を向上させる必要性と育て方についてお話をしました。

今日は「自信」のもう一つの要素である自己効力感について考えてみたいと思います。

自己効力感を向上させる

自己効力感は「自分が成し遂げたいと思う事をやれる力がある」と信じられる事です。

この「自己効力感」を獲得できるようにするためには、「描く」力とそして「描いたものを」具体的にする事、そして行動力、継続力が重要にあります。

なので、上司としては部下に以下のような視点で関わってゆく事が大切です。

  1. 目的、理由の深堀り
  2. 目標の具体的明確化
  3. スモールステップ
  4. アクションプランの具体化
  5. 成長(小さな変化)に目を向ける

今日は「1.目的、理由の深堀り」について、考えてみましょう。

まずは何と言っても、ここが「肝」になります。

なぜなら、私たちは日常の業務をこなす中で「目的」「理由」よりも「早く着手する事」や目の前の「目標」に関心を置くことが多いからです。

したがって、「そもそもなんで?」という事に関して考える事に慣れていません。

しかし、ここが「甘い」と全てがズレてきて部下の行動が「止まる」ったり、パフォーマンスが落ちる原因になります。

なぜなら、「目標」ばかりに焦点が当たると、それが延々と続くことによって、次第に「義務感」や「強制感」ばかり感じるようになるからです。

「目的や理由」を深堀するのは、部下にとって新しい取り組みが「自分事」といて捉えてもらう為です。

価値観まで堀さげる

では、どこまで掘り下げるのか?という事ですが、部下の持っている「価値観」にたどり着く事が重要です。

「価値観」はその人が大切にしている「考え方」や、何かを決める時の「判断基準」になるものです。

簡単に言うと「良い、悪い」「好き、嫌い」「やる、やらない」を決めているその人なりの「考え方」ですが、今回扱うのは「理想像を描く」上で基準となる「価値観」で「こうありたい」「こうなりたい」の根拠となるものです。

この会社、仕事を通じてどうなりたい?どうありたい?を言語化できると、期限を決めた「目標設定」がしやすくなります。

後は、「価値観」探求をどうやってやるかですが、その人の過去にヒントがあるので、昔の事を「聴きだして」みてください。

ただし、過去の出来事は膨大であり、沢山時間が必要です。

なので、比較的、仕事の中で活きる価値観を聴きだすためには、リアル、二次元問わず、「影響を受けた人」に焦点を当てて質問すると「理想像」が描きやすくなります。

例えば、

  • 今まで出会った人の中で尊敬する人はどういう人?なんで?
  • 好きな歴史上の人物、有名人は?なんで?どういう所が好き?
  • 過去出会った中であこがれた人は?なんで?
  • 先生、先輩や上司で影響を受けた人は?なんで?
  • 好きなアニメのキャラクターは?なんで?

こういう質問を部下に投げてみてください。

そうすると部下自身も「自分が理想とする人物像」を描きやすくなりますし、「なぜそう思うのか?」という価値観も見えてきます。

まずは、「習うより慣れろ」という事で、最初から上手くいかないかもしれませんが、「なんでそう思うの?」と部下が言う事に関心を持って聴きだしてください。

もしかしたら、意外な発見があるかもしれません。

次回は②目標の具体化についてお話しします。

日本人に合ったコーチングを創る②

「自信を分解する・・・自己肯定感と自己効力感の育成から始めるコーチング」

前回は「日本人に合ったコーチング」を創るために「自信」を育てる事から始める必要があるというお話をしました。

今回はその続きになります。

まずは「自信」についてですが、自信は「自分で獲得する」と言うのが一般的な考えではないかと思います。

しかし、一方で自分で獲得する事が「難しい」人も多く存在するのも事実です。

特に人の目を気にし、「比較する、される」機会が多かった日本人にはその傾向が強いように感じます。

自信を育てる話の前に「自信とは何か?」を明確に理解する必要がありますが、辞書等によると自信とは「自分の能力・価値や自分の言行の正しさなどをみずから信じること。また、その気持ち。」とあります。

つまり、自信のない人とは、どう人なのか?と言うと「自分に価値や能力がない」と思っており、「自分の言葉を信じられない」人という事になります。

言い換えると、「自己肯定感」や「自己効力感」が低い人達であると言えます。

「自己肯定感」とは「自分を存在価値がある人間」であると感じる事であり、「自己効力感」は「自分はやろうと思ったことがやれる」人であると感じる事です。

この二つが低いと「自信がない」と言う認識になるわけです。

したがって、対象となる相手の自信をつけるには「自己肯定感」や「自己効力感」を高めてゆく事を意識しながら、関わってゆく必要があります。

自己肯定感、自己効力感を育てるコーチング

まず、今日は自己肯定感を高めるアプローチについて考えたいと思います。

自己肯定感を高めるには「自分の存在」が他者に良い影響を及ぼしている事を認識させる事が必要です。

その人の持つ長所や強みを「素直に」理解させることです。

良く研修で「自分の長所と強みを20個挙げて」という課題を出すことがあるのですが、残念ながら、20個書ける方はほとんどいません。

これは長い間「謙虚と卑下」を混同してきた結果と言っても良いのですが、褒められることに「素直になれない」私達の反応に原因があります。

私たちは褒められると良く「大したことない」「そんなことない」と言う言葉を発し、「いい気にならないよう」「調子に乗らないよう」戒めてきました。

しかし、見方を変えると「自分を否定する」言葉をを長い事自分に吐き続けてきたとも言えます。

結果、「自分は大したことない」と刷り込ませてきたわけです。

本当はそんなはずはないのに「自分に対する評価」が低くなってしまうのです。

私は「本心から自分を駄目だと思いたい」人はいないと思っています。

なので、自己肯定感を育てるにはこの呪縛から、解く必要があります。

では、具体的にどうしたら良いか?という事ですが、経験上、有効なアプローチの一つに「過去への旅」があります。

具体的に言うと「自分史」を書くという事。

私はクライアントとコーチングを始める際に「自分史」の交換からスタートします。

これには三つの狙いがあります。

一つ目は、私が先生ではないという認識を持ってもらう為であり、自分の価値観がなぜ、どのように形成されたのかを知ってもらう為です。

「自分史」は自分の偉大さや華やかな経歴だけを書くのではなく、むしろ、逆にある「苦しみ」「悲しみ」「挫折」等を洗いざらい、自分の記憶がある範囲で書き出すことが大切です。

なぜなら、「現在の価値観」が形成された原因となる出来事が「そこには」あるからです。

出来事を「乗り越えるために」自分なりの解釈をして私たちは生きてきました。

この解釈は、生きてゆく上で「自分を納得させる」為に必要なものでしたが、ある意味、「自己肯定感」「自己効力感」が低い原因にもなっている可能性があります。

したがって「自分史」を交換する事でコーチは上にいるのではなく、同じように悩み、苦しみ生きてきた人間である事を洗いざらい見てもらい、また「私の自分史」を手本にして素直に自分を振り返ってもらう事で自分の価値観が形成されたプロセスに目を向けてもらうのです。

更に言うと、今はあなたを応援するために「横にいる」のだという事を分かってもらい、自分から「腹を割って付き合う覚悟があるよ」と言う姿勢を見せる事で、相手が自分の事を話しやすい環境を創るためです。

二つ目の狙いは、自分に少なからず自信があった時、自信を持つことができた出来事、経験を思い出してもらう為です。

大きな出来事でなくても、周囲の人から「受け取った言葉」の中に自分の価値を表す「言葉」があるはずで、それを記憶の中から「発掘」し、「埃を掃って」再び、光を当ててもらいます。

そうすると「そういえば、こんな言葉をもらったなぁ」「こんな風に言われてたな」「このころはこうだったな」と自分の価値を感じていた自分を思い出せるのです。

その上で改めて「長所と強み」を書き出してもらうと、今まで書けなかった、忘れていた自分の長所や強みに目を向ける事が出来ます。

今、もしかしたら「自覚」できていなくても過去に発揮した長所や強みは、その人が本来持っているものであり、これから、自分を取り戻す上で「資源」になります。

こうして、まずは自分の存在価値に目を向けてもらい、「素直に」「正当に」自分を評価をしてもらう事からスタートすると「自己効力感」である「やろうと思ったことがやれる」にシフトしやすくなります。

また、書き出した「長所」や「強み」はいつでも、見れる状態にしておくとさらに良いと思います。

人の感情は一定ではありませんから、いつしか。ダークサイドに落ちた時に「戻れる場所」を作っておけば、深く沈むことはなくなります。

そして、三つ目の狙いは、いろんなことがあって、今まで生き抜いてきた自分を認めてもらう為です。

今まで多くの人と「自分史」交換をいたしましたが、平々凡々、平坦な人生を送ってきた人はおらず、ギャップが大きいか小さいかは別として山あり、谷ありの人生を皆潜り抜けて、今日を迎えています。

このことは、当たり前のようで実はすごい事なのです。

私の古い友人の中にも若くして、自らの人生に幕を下ろした人たちがいます。

まずは、純粋に今日まで「がんばってきた自分」を認める事から始めて欲しいと、いつも、クライアントには伝えています。

今日は「自己肯定感」を高める方法についてお話ししました。

「自己効力感」向上へのアプローチについてはまた次回、お話ししたいと思います。