プレイングマネージャーの育成⑦

部下に合わせる個別対応型コーチング

 「上司に合わせる」から「部下の状況に個別で対応する」へ

今日は部下に対する個別対応のお話しをします。 

一昔前は一般的に「上司に合わせる」のが当たり前でした。

それは、多少不満はあっても、素直に言う事さえ聞いていれば、それなりに実績も上がって給料も上がったからです。

でも、「答えのない時代」と言われる今は、そうはいきません。

部下一人一人のキャリアや能力、個性に合わせた対応をし、能力を高めて行く事が求められているのです。

そして、個別対応について、成否のカギを握っているのが、プレイングマネージャーの「コーチング能力」です。

ここで言う「コーチング能力」とは一般に言われている「コーチング」とは違い、「コーチング」を包括した能力を言います。

なぜ、コーチング以外の能力も併せて必要になるのかと言うと、部下の成長や個性の違いによって、一般的な「コーチング」が有効でない場合も多々あるからです。

本来のコーチングは主体性(自分でどんどん考えて、動ける人)を持った部下に対しては有効ですが、そうでない部下に対しては、段階を経て主体性を覚醒させ、コーチングが機能する状態まで育ててゆく必要があります。

基本、受け身で「言われたこと」は真面目にやるけど、それ以上は何もしないというような部下には、コーチングは機能しません。

なので、コーチング部下の成長に合わせて対応を変えてゆく必要があります。

例えば、キャリアの浅い部下に対しては「ティーチング」や「アドバイス」、「コンサルティング」が必要な場合もありますし、メンタルが落ちている部下には「カウンセリング」の要素も必要になります。

従って、今回私が言う「コーチング能力」はこれらの根幹のスキルであり、包括したものになります。

考え方としては、基本をコーチングに置き、相手の状況に合わせて必要なかかわり方を出し入れしてゆくという感じです。

では、どのように出し入れしてゆくかという事ですが、考え方の一つとして「意欲」と「技術」を軸に考えるというやり方があります。

シチュエーションリーダーシップと言われるもので、別名SL理論とも言われています。

縦軸に意欲の高低、横軸に技能の高低というマトリクスを使い、部下達を4つの領域に分けて、それぞれに適した接し方を考えるというものです。

ご興味がある方は「1分間リーダーシップ」(ケン・ブランチャード著)という本に書かれていますので、ご一読いただくと良いと思います。

私は、それを日本人に合った形でアレンジして応用しています。

4つの領域と対応の仕方は以下の通りです。

1. 意慾が高くて、技能が低い(新人のような若手)

やる気はあるけど、経験や知識、スキルが足りないという人です。

自信を育ててゆく事が需要テーマになるので「知識」や「やり方」を教え、承認、モチベーティングを含めて、存在価値(自信、他者からの信用)を創って行く事がポイントになります。

2. 意欲がいまひとつで、技能も伸び悩んでいる

入社後、数年が経過しているが、期待されているほど「伸びていない」方々が当てはまります。

自信の欠如を始め、何らかの理由で「作業的」な働き方になっている。

経験を重ねるにつれて、自分が描いていた理想との違いや難しさがわかってきて、フラストレーションや意欲が減退している可能性のある人です。

こういう方には、「自信を与えてゆく事」と何が問題なのか?「課題の整理」を一緒に考えながらフォローをしてゆくというコンサルティング的な関わり方と前進する為のモチベートが中心になります。

3. 技能はある程度あるが、意欲がいまひとつ

ある程度熟練している方で、実力はあるけれど、どこか割り切り感が漂っていたり、自己評価が低い人などが当てはまります。

4つの領域の中では、一番難易度が高いと言っても良いかもしれません。

それは、ある程度の期間、同じ状態が継続しているからです。

関わり方としては、割り切りに繋がっている原因やその人のモノの考え方を一緒に考え、承認しつつ、未来に目を向けさせたりすることで意欲を掻き立てたる。

また、自己評価が低い人には、その原因となる根拠を一緒に考え、価値観の起源となった出来事や過去にさかのぼって、親など身近な人からの関わり方を一緒に振り返ったりします。

そうしながら、心をほぐしてゆくイメージです。

現実的にこのレベルまで対応するにはカウンセリング、コーチング、モチベーティングなど専門的な知識と経験が必要ですが、基本は「今、なぜ、彼(彼女)はそういう考え方なんだろう?と興味を持って接してゆく事が大切です。

彼らがそうなった背景には「放っておいた」時間の長さにも原因があるからです。

いずれにしても「自信がない」と言う人は大人しい、弱弱しい印象を持ちますが、経験上意外と「頑固者」が多く、少々骨が折れます。

4. 意欲が高く、技能も高い

この領域に当てはまる人は、基本的には優秀な人ですが、優秀であるがゆえに「視界」が狭くなる可能性があります。

どんな優秀な人でも「当事者」は自分を俯瞰して観ることが難しいからです。

なので、「ここはどうなの?」「これは見えているの?」という風に「問い」を立てながら、視考感体積(視野×視座×感情)を広げる機会を提供する必要があります。

優秀だからといって放置すると、組織から逸脱した考えや発想を持つ可能性があり、ある日突然「退職願」を出すという事が起こりえるからです。

こういう人には「会社の中で頑張る」という事と「個人の未来構想」を結びつけて考えられるようにコーチングしながら、ケアしてゆく事が求められます。

それでも、場合によっては、会社から出てゆく方もいるかもしれませんが、良い形で出られるようにしてあげる事も大切かと思います。

なぜなら、自分の「思い込み」のみで判断し動くと本人が、後で後悔するような状態にもなり得ないですし、仮に会社を辞めたとしても「良い関係を続ける」事ができれば、違う形で会社に貢献してくれることもあるからです。

今回は、部下に対する個別対応をシチュエーション型リーダーシップ理論に沿って、お話ししてきました。

現実的に考えると、部下はこの4種類に分かれるわけはないので、この通りに対応してもうまく行かない事も多いと思います。

ただし、軸としてこういう考え方を持った上で部下育成を考えていただく事で、成長の「手がかり」が見つけやすくなります。

部下ごとに戦略を立てながら、できれば他の関係者からもヒアリングし、どういう接し方が良いのかを4つの領域を参考に考え、実行、修正してゆくイメージです。

弊社では、個別対応型コーチングに関しても研修メニューをご用意しておりますので、ご興味があればお声掛けください。

次回は個別対応をさらに発展させてゆくグラデーション型育成についてお話ししたいと思います。

プレイングマネージャーの育成⑥

プレイングマネージャーのコーチング能力は会社の成長を左右する

今日はコミュニケーション生産性に関わる「コーチング能力」についてのお話しをします。

プレイングマネージャーがコーチングを身に付ける事で、コミュニケーションの生産性、しいては会社の成長そのものを促進させるということなのですが、背景には今が「プレイングマネージャー受難の時代」である事が挙げられます。

それは以下の理由があります。

1. 会社の上層部で今の時代に合った部下との関わり方に対し、教えられる人が非常に少ない。

どういう事かと言うと、今の40代から50代の管理職の方々は、「上司に合わせる」のが当たり前の環境で育ち、求められた事は「上意下達」を徹底させる事でした。

つまり、指示命令で業務を動かしてきた経験しかないのです。

従って、「上意」が曖昧な今は、具体的なアドバイスはできず、(個人で勉強している人は別ですが)出せる指示は「自分で何とかしろ」なんです。

なので、プレイングマネージャー達は「自分で考えて」何とかするしかないのです。

2. 少人数、短時間でアウトプットを増やす命題

人数や時間を多くすることで「成長」をしてきた時代とは異なり、今はより無駄のない効率を追求した仕事の仕方が求められています。

その答えとして「専任の管理職」ではなく、プレーヤーでありながら、チームを持つという役割が与えられているわけです。

育てながら、勝て!!という、ある意味二兎を追うよう求められているので負担が大きいのです。

そのような状況を踏まえた上で、これから彼らの武器になるものが「コーチング」です。

コーチングについて、一度はお聴きになった事がおありではないかと思いますが、簡単にご説明すると、こと組織に置いては、「部下の潜在能力を引き出し、成長に変えてゆくスキルであり、チームの関係性を強くするスキル」であると言えます。

これだけ聞くと、「良いな、魅力的だな」と思われるかもしれませんが、身に付けて使えるようになるまでには少々大変です。

なぜなら、人によっては現状、自身の慣れ親しんだコミュニケーションの仕方を「変えてゆく」事が求められるからです。

これは想像以上に大変な事です。

また、コーチングスキルを身に付けたとしても、うまく導入していかないと全く機能しないばかりか、マイナスになってしまうというリスクもはらんでいます。

と言うのは、今から30年前くらいに日本に初めてコーチングが入ってきてから、「これは良い」という事で大手企業がこぞって研修に「コーチング」を導入しました。

しかし、期待とは裏腹、研修後コーチングが職場にうまく浸透しなかったため、「実践では役に立たない」という評価を受けてしまったのです。

「研修の多く」がマネージャー達の知識やスキル修得に主眼が置かれた為、部下をコントロールするスキルであるような誤解を与えたり、コーチングが「機能する前提」を飛ばして、いきなり職場でコーチングを使いはじめた方が多かったので、部下に拒絶反応が多く出た事が原因でした。

では、コーチングが機能する前提とは何か?ですが、それは部下との「関係性の強さ」です。

部下が本音を話せる様な関係性がないとコミュニケーションスキルである「コーチング」は全く機能しません。

関係性を強化するアプローチに関しては、「認める」「繋がる」のところでお話ししましたが、こういう日々の取組を継続的に行いながら、「コーチング」で部下の成長を促進する事が求められているのです。

また、「コーチング」は無条件で「誰に対しても」効果を発揮するような万能性はないという事も理解しておく必要があります。

「コーチング」は主体性、つまり「自分で考えて、決断して、責任をもって遂行する」志向の強い人にはきわめて有効ですが、「受け身」の人に機能しにくいという側面があります。

従って、受け身に慣れている多くのビジネスマンにそのまま活用しようとしても効力を発揮しないどころか、逆効果になってしまうのです。

では、なぜ、そんな「注釈付き」の「コーチング」がプレイングマネージャーにとって重要であり、会社の成長を左右するほどの価値を持っているのか?という事ですが、一言で言うと、現在プレイングマネージャーに対し、「部下一人一人にフォーカスし、対応してゆく事」が求められているからであり、そして、弊社で提供しているコーチングが関係性の築き方から、具体的なワークや取り組みを通じて、体得できる上に部下の成長段階に合わせた関わり方も含めて学ぶことができるからです。

一昔前は「部下が上司に合わせる」のが当たり前でした。

でも、今は部下を観察し、「個性」や「成長のスピード」によって、関わり方を変えて行かなくてはならず、そこにコーチングのスキルが活かせるのです。

では、どのように部下一人一人に対し、コーチングを活かした対応をしてゆくかですが、これは次回、「個別対応」のパートでお話ししたいと思います。

プレイングマネージャーの育成⑤

プレイングマネージャーが良いチームを創る為に・・・「繋がる」

今日は「コミュニケーションの生産性」を向上させる為の「繋がる」「本音で対話する」についてお話しします。

ひと世代前は「ヒト、モノ、カネ、情報」が会社経営を考える上で必要な資産という風に言われてきました。

そして、ここ数年で良く言われている新しい資産が「ソーシャルキャピタル」(社会関係性資産)です。

「繋がり」を強く、多く持っているかという事が、規模拡大や利益増大に結び付き、会社のパフォーマンスを考えて行く上でも「重要」になるという事です。

ソーシャルと言う言葉から連想されるようにSNSは私達にとって、切っても切れない大切なサービスになっていますし、GAFAを始めとして、これを大きく保有している企業は世界の経済を牛耳っていると言っても過言ではないでしょう。

それだけ、私達は繋がりを求め、依存していると言う事の裏返しでもあります。

そして、この「繋がり」はマーケティングの面だけでなく、組織運営においても大きな鍵となっています。

では、組織における「繋がり」とは何か? という事ですが、私は「共同体意識」であると考えています。

ここで言う共同体意識とは「同じ理念の元、その実現を目指し、切磋琢磨する仲間であるという思い」です。

言い換えると、「チームのあるべき姿を仲間と共に心から実現したいと思えるような関係性」を言います。

これを築く事がなぜ大切なのか?は改めて説明するまでもないと思いますが、敢えて言うなら、一人一人が主体的にチームに関わるようになるのでパフォーマンスが圧倒的に違ってくるからです。

指示命令で動く組織との違いを考えていただくとイメージしやすいのではないかと思います。

では、共同体意識をどのように築くかですが、私は以下のようなステップを踏む事をお勧めしています。

  1. チーム内で会社の経営理念を深堀する
    ・誰の為なのか?
    ・何のために存在するのか?
    ・何を実現したいのか
    ・どうやって実現するのか?
    ・それはどうしてなのか?
  2. 経営理念から自分たちのチームはどうあるべきか?自分はどうあるべきか?を考える
  3. あるべき姿と現状のギャップを洗い出す=問題
  4. 問題を課題化する
  5. 課題をアクションに落とし込む(具体的計測可能)
  6. アクションと成果を振り返る➡「3」に戻って「6」までを繰り返す

まず、経営理念から考える理由は、昨今、「答えのない時代」と言われるようになり、自分達の判断基準として「経営理念」の重要度が以前と比べて格段に増してきた事によります。

時代に勢いがあったシンプルな時代は、トップダウンで良かったのですが、今はそうはいきません。

だれも正解がわからないので「一人一人が考え、自分達でどうするのか?」を考えて、行動に移す事が求められています。

ただし、経営理念は抽象度の高い言葉やあいまいな表現を使って構成されている場合が多いので、そもそもどういう意味なのか?何を目指しているのかを「議論」し、自分たちなりに定義付けする、つまり、共通言語化をする必要があります。

これも正解はありませんので経営理念を自分たちなりに解釈して、チームとして、個人としてどの様に実現に向かって行くかを言葉にすれば良いのですが、その際にチームメンバー自身の「ありたい姿」や「ビジョン」を考えておいてもらえると、なお一層、このワークが活きたものになります。

それは、生活の為という事以外で、会社で働く目的が見いだせると義務感や強制感に支配されることなく、主体的に活動できるようになるからです。

そして、取り組みに躍動感を与えるために実はもうひとつ必要な事があります。

それは「本音で話せる」環境創りです。

チームに関わる全員が平等に自分の意見を話す機会がないと、チーム内で意識ギャップが大きくなり、義務感や強制感が漂うチーム運営になってしまうからです。

本音を話すという事は、関係を壊すリスクがある為、そう簡単にできる事ではありません。

なので、全員が意見を平等に言える環境を創る為に「ひと工夫」必要なんです。

具体的にどうするかですが、例えば最初は付箋を使って、全員分の意見を壁に貼りだし書いた人が順番に発表するようにすると良いです。

いきなり、口頭で意見を求めるよりも自分の意見を言いやすくなります。

少々手間がかかりますが、チームメンバーがこういうプロセスを踏んでチームについて、自分について考えられるようになると、その後のチーム運営はものすごく楽になります。

今日は「繋がり」をどう創るか?についてお話ししました。

次回は「コーチング能力」についてお話ししたいと思います。

プレイングマネージャーの育成④

行動を認める

前回は部下の「存在を認める」と言うお話をしました。

今回は、「行動を認める」についてお話ししたいと思います。

まず、どうして「行動を認める」という事が大切なのか?と言う事ですが、それは「成長」に大きくかかわってくるからなんです。

「成長」とは何か?をシンプルに表現すると、私は、

  1. わからなかったことがわかるようになる(知識、視野、視座、感情、思考)
  2. 出来なかったことが出来るようになる(スキル、知識、思考)
  3. 出来ていたことがもっと旨くなる(スキル、知識、思考)

の3つであると思っています。

この3つは何かしら、行動が伴う事で初めて確認できる事です。

なので、部下の行動を注意深く「観察」する必要があるのです。

観察と言うと大げさに聞こえるかもしれませんが、部下がいらっしゃる方でしたら、部下に対し、「おっ!!」と思う事は少なからずあるはずです。

これは、私がコーチングや研修において、多くのマネージャーの方々に関わらせていただいた時にいつも感じることで、グループワークなどで対話の機会を作ると意外なほど多く出てきます。

なので、思ったより「部下の事を良く見ているんだな」というのが私のマネージャーさん達に対する印象です。

ただし、ただし・・・・・「次の一歩」がないんです。

それは部下に「伝える」という事です。

せっかく、部下の変化をキャッチできているのに「伝えない」のは非常にもったいない。

極端な事を言うと、うまく「変化をキャッチ」出来ていなかったとしても、例えそれが「思い過ごし」であったとしても「伝える」事の方が大切です。

なぜなら、部下は上司からどう思われているのか?について、とても関心があるからです。

何も伝えなければ、部下は「上司は自分のことをどう思っているのだろう?」「認めてもらえているのだろうか?」疑心暗鬼になってしまいます。

そうすると、いつまでたっても心理的な距離は縮まらず、警戒心から、自己防衛本能が働き、余計な事はやらないでおこうと考え、結果、成長も鈍ってしまいます。

なので、気が付いたら、感じた事をそのまま伝えるという事に慣れて欲しいのです。

ちなみに、これは部下に対してだけでなく、子供やパートナーに対しても有効です。(なおの事、できないですかね(笑))

それから、伝える上での大切なポイントがあります。それは

  1. 鮮度
  2. 事実を伝える
  3. アイメッセージ

の3つです。

まず「1」の鮮度ですが、伝える時は「新鮮なうちに」と言うのが大原則です。

気が付いたら、早め伝えないとお互いに「忘れてしまう」からです。

これは、注意する時も同様です。

後で言われると「心当たりがなくなってゆく」ので、素直に相手の言葉を聴けなくなりがちです。

「2」「3」は特に「褒めるのが苦手」と言う方にお勧めです。

「やり方変えてみたんだ?」「工夫したんだね。良いと思うよ」と言うように変化を捉えて、そのままを言い、(私は)良いと思うよと伝える。

たった、それだけです。

それでも、直接本人に口頭で伝えるのは・・・・と言う方は「スラック」等のチャットを使って伝えるのもありですし、直接本人に言うのではなく「周囲の人に伝える」のも有効です。

これはまた別に機会に詳しくお話ししますが、直接、言われるよりも「●●さん、君の事褒めてたよ~」などと間接的に言われた方がうれしいという人も少なからずいるからです。

基本的には「直接伝える」という事をお勧めしますが、どうしても難しいと言う方は、自分にあったやり方で部下の行動変化を認めてあげてください。

できれば、これも習慣づけする為に1日1回「伝える」を目標にすると「なお可」です。

最初の内は、何を伝えたら良いか見つからず、苦慮するかもしれませんが、コツを掴むとできるようになります。

コツを掴むには、気のせいでも良い、間違っても良い、と言う風に考え、ひたすら「感じた事を伝える」事が重要です。

これは、私がファミレスの店長時代に実行したことでもあり、その効果は実証済みです。

日々の声掛けが、後で大きな喜びに変わります。

是非、実行してみて下さい。

次回は「コミュニケーションの生産性」の2つ目テーマ「繋がる」についてお話しします。

プレイングマネージャーの育成③


こんにちは、カンパニーコーチの青木栄明です。

私はスポーツが大好きなので、連日、北京オリンピックにおける日本人選手の活躍を楽しみにしています。

スキーしか知らない世代の私が今一番好きな競技は「スノーボード」です。

平野歩夢選手が逆転で「金メダル」を獲ったシーンはまさに「鳥肌」ものでした。

そんな中、平野歩夢選手の大活躍を見ながら、気付いた事があります。

それは、「準備をやり切った人」の自信は揺るぎないんだなぁという事です。

これはボクシングの「井上尚弥」選手にも感じる事なのですが、「緊張する隙」すら、なくすくらい、自分を追い込み、乗り越えている印象があるのです。

この域に達するには、どのくらい自分と向き合って、闘ってきたのだろう?と思うのですが、私には想像つかない領域です。

オリンピックのような大きな勝負の場は、私達に様々な気づきを与えれくれます。

良かったら、そんな視点を持ちながら、残りの競技、楽しんでみて下さい。

存在を認める

前回は部下との関係性を強化する上で「帰属認知の欲求」が鍵になるというお話をしました。

この欲求を踏まえた上で

  1. 認める
  2. 繋がる
  3. 本音で対話する

と言うステップを踏む必要があるという事でしたが、今日は「1」の認めるについてのお話しをしたいと思います。

「認める」にも3つの段階があります。

  • 存在を認める
  • 行動・成長を認める
  • 成果を認める

というものです。

成果を認めるという事については、比較的認識しやすいのですが、そんな場面はそうそうお目にかかれないですよね。

従って、ここで重点的にお話ししたいのが、「存在を認める」という事と「行動を認める」という事についてです。

まず、今日お話ししたいのが、「存在を認める」という点についてですが、その人の「長所や強味」を認めるという風に置き換えても良いと思います。

長所とはその人の性格で「優れている所」であり、強味は、その人が発揮できる「性質」「能力」、言わば「武器」のようなものです。

これは言うが易しで、身近に居る人の長所や強味はなかなか気が付かないものです。

その証拠に「一番身近な存在である」はずの自分の長所や強味をどれだけ認識しているでしょうか?

私は良く研修で「自分の長所と強味を20個挙げる」という課題を出しますが、20個挙げられる人は全くと言っても良い程いません。

同じように自分の部下の長所や強味を20個挙げられる人も同様です。

なぜ、なのでしょうか?

本当は私達1人1人には20個どころか、100以上の長所や強味があります。

なのに、見言い出せない理由は、・・・・・長所や強味を「見ようとしていない」事にあります。

理由として私は3つの要因があるかなと思っています。

一番目は、私達「日本人の特性」とも言うべき、ある種の誤解が招いた結果です。

どういう誤解であるかと言うと「謙虚であれ」という事に対する誤解です。

「謙虚」は私たち日本人が大切にしてきている「美徳」であり、辞書を紐解いてみると「自分の能力・地位などにおごることなく、素直な態度で人に接するさま」と書かれております。

これは、とても素晴らしい事ですが、はき違えると「欠点や改善点」ばかりに目が行き、その人の長所や強味を見えにくくしてしまうという要素も含んでいます。

したがって、ポイントになるのは謙虚さに対する「真意の理解」と表現の仕方です。

他人に褒められた時の反応として、私達はよく「私なんかまだまだです」「大したことはありません」などという表現をしてしまいますが、これは、「謙虚」のようで「謙虚」ではなく、自分を「卑下」していることになります。

そして、こういう言葉を知らず知らず、当たり前のように口にし、耳から取り入れることで、ある意味、自分を「大したことないんだ」「だめなんだ」と洗脳しているのです。

 例え、本心ではそう思っていなかったとしても頭の中は「自分に対するネガティブ」なワードで溢れてしまうわけです。

では、正しい謙虚さの表現はどういうものかと言うと「ありがとうございます。すごくうれしいです。さらに、努力いたします。」なんです。

少し抵抗感があるかもしれませんが、本来こういう反応こそ、「謙虚」なのです。

言われた言葉を「素直」受け取る姿勢です。

日本人が考えがちな謙虚さの姿勢には、この大切な「素直さ」が欠けているのかもしれません。

次に二番目の理由ですが「謙虚であれ」と言うことに少し関連しているかもしれません。

それは私たちが子供のころから受けてきた「減点法的」な標準化教育の結果だろうという事です。

どういう事かと言うと 、私達は、人と違うこと、出来ない事は良くない事で人と同じようにできる事が良いとされてきました。

なので、ダメなところや改善すべき事に先に目が行く習慣が根付いている。

長所や強味を見るという事は、真逆の事なので習慣にない事はなかなか出来ないということです。

どうでしょう?

多少なりとも心当たりがあるのではないでしょうか?

私は野球部だったんですが、怒られた記憶しかありませんし、「いかに怒られないようにするか?」を常に考えていたような気がします。

そして、三番目の理由は「レッテル」です。

一旦人と出会い、一緒に過ごす時間が長くなってくると「あの人は●●な人」というように、その人の「一部の個性」をあたかも全体を表しているかのように一言で表現しようとします。

そうするとその人のイメージが固定化されて、ある種の「レッテル」が貼られた状態になります。

私達人間は、一言で表現できるほど「単純な存在」ではないはずなのに、その人に対するイメージを固定化してしまうのです。

そうすると他に持っている長所や強味が見えなくなる。

これは、私たちがお互いに「貼り合っている」と言っても良いと思います。

以上3つの理由から「自分と人」の長所と強味が見えなくなっているというお話をしましたが、それでも「存在を認める」事は関係性を築く上でとても大切な事です。

では、なかなか見えない長所は強味はどうしたら、見えるのでしょう?

おすすめは、少なくとも5人くらいの人に長所や強味を聞いてみるのが一番手っ取り早いと思います。

ただし、「あいつの良い所なんだと思う?」と聞いても中々思い浮かばないかもしれません。

そんな時はこんな質問を使ってみて下さい。

「最近あった事であいつの事、良いなぁ、と思った事はどんな事?」

こうすると、思い出すシーンが限定され浮かびやすくなります。

そして、必ずと言ってよい程、意外で新たな気づきを得られるでしょう。

気づきを得ると「あいつ」に対する新たな見方が出来るようになり、認める事も容易にできるようになるはずです。

後は、伝える勇気だけ。

いつもと違う行動をするわけなので、照れくさいような、ぎこちないような感じがすると思いますが、大切な事であると認識して素直に伝えてみましょう。

例え、期待する反応がなかった(喜ぶなど)としても、素直に表現が出来ないだけかもしれませんので続けてみてください。

そうすると、次第に変化が現れてくるはずです。

部下の意識・行動変容を促進する。

これも大切なリーダーの仕事です。

次回は「行動承認」についてお話ししたいと思います。

プレイングマネージャーの育成②


こんにちは、カンパニーコーチの青木栄明です。

北京オリンピックが始まりましたね。

様残な問題を抱えて「平和の祭典」であるオリンピックが中国で開催されるところに違和感を感じますが、選手たちの頑張りに敬意を表し、あまり深く考えずに応援しようと思っています。

ただし、家族でオリンピックに興味があるのは「私だけ」という事で、ゲームやYOUTUBEに夢中な子供たちを見ると、一緒に盛り上がれない所に寂しさを感じる今日この頃です。

プレイングマネージャーがリーダー能力を身に付ける上で鍵となるもの

前回、様々な制約がある中、プレイングマネージャーがリーダー能力を身に付ける上で5つのポイントが鍵になるとお伝えしました。

今回は一番目「コミュニケーションの生産性」についてお話したいと思います。

現在、コロナ禍の中で部下とどのようにコミュニケ―ションを取って行ったらよいのか?

悩んでいるマネージャーの方は多いのではないかと思います。

理由はいくつか挙げられますが、概ね以下の通りではないかと思います。

1. 価値観の変化

部下世代(特に20代)の価値観が自分達と違うことによって、どう関わったら良いか?
何を話したら良いか?がわからなくなっている。
➡部下世代を取り巻く、相対的な人間関係の希薄化が背景にある(反応が微妙であったり、本心が読めない)。

2. 時間的制約

プライベートと仕事を明確に分けたいという価値観を持つ人が増えており、なかなかアフター5や休日などオフタイムのお誘いが出来ない。
➡仕事(会社)とプライベートを明確に分けたいという価値観の定着。

3. コミュニケーション手段の多様化

一昔前は「直接対話」「電話」がコミュニケーションの手段であったが、今はメール、SNSなど間接的な対話手段が増える事で「一方通行」で終わりがち。
➡自分が考えるコミュニケーションの常識が通じなくなってきており、伝達不足、理解不足が生まれやすくなっている。

4. オンライン対話の限界

対話時間が決められているので有効な「無駄話」が出来ず、心理的な距離が縮まらない。
本音が読めない。
➡仕事のやりと入りで終わってしまう。部下の心理がわからない。

5. 指示待ちの常套化

部下自ら近寄ってこない、言われたことはやるが、言われるまで動かない。
➡考える力がないわけでいが、自己防衛意識が強固であるため、言われたことをやれば安全という感覚を持っている。

では、このように障害の要因が沢山ある中で、どのようにして「コミュニケーションの生産性」を        上げて行けば良いのか?という事ですが、まず、部下世代の気質を読み取る必要があります。

ステレオタイプな決めつけは危険ですが、一般的に20代を中心とした「若者世代」は、「用心深く、デバイスを介してのコミュニケーションに慣れているので本当の意味で人間関係を築くという事に対する経験値が低い」という特徴があるという事です。

もっと言うと彼らが考えている「人間関係」に対する認識が上司の考えるものと違うと言う事かもしれません。

なので、こちらの常識や経験を元に、部下との関わり方を考えてゆくのではなく、相手を振り向かせるような関わり方を「焦らず、腰を据えて」行ってゆく必要があります。

部下との関係性強化に向けたステップ

世代による意識の変化はあっても、同じ人間である以上、人間が持つ根本的な欲求に変わりはありません。

関係性の強化を考える上で大きな影響を与えるであろう欲求は「帰属認知欲求」と言うものです。

この欲求は「自分を見て欲しい」「気に掛けて欲しい」と言う欲求で、人間が持つ欲求の中でも最も強烈な欲求と言っても良いかもしれません。

この欲求を踏まえた上で

  1. 認める
  2. 繋がる
  3. 本音で対話する

と言うステップを踏む必要があります。

特に「1」の「認める」はより「丁寧さ」が求められます。

「昔はそんなこと考えなくて良かったのに」「面倒くさいなぁ」と思われるかもしれませんが、経験上、「面倒くさい」「やりたくない」と思う所に「真理」が隠れているものですし、一見遠回りに見えても、私は、現在これが一番の近道であると思っています。

では、何を、どうやって認めるのかという事ですが、「認める」にも3つの段階があります。

  • 存在を認める
  • 行動を認める
  • 成果・成長を認める

です。

この「認める」についてはまた、お話したいと思います。

プレイングマネージャーの育成①

カンパニーコーチの青木栄明です。

私は日頃から企業のリーダー育成に関わらせていただいているのですが、今日は、「プレイングマネージャーの育成」という事についてお話ししたいと思います。

時代の変化やコロナ禍によって、私たちの生活様式も変わる中、企業における組織運営にも変化が求められています。

そして、企業存続・発展の鍵となるのがミドルマネージャー(中間管理職)の存在です。

なぜなら、現場に一番近いリーダーであり、彼らの部下に対する関わり方によって、パフォーマンスが大きく変わってくるからです。

しかしながら、日本企業におけるミドルマネージャーは、ほぼほぼプレイングマネージャーであり、プレイヤーとしての重責を担いながら、部下のマネジメントをしなくてはならないという状況に置かれています。

またさらに、コロナ禍によって直接対話の機会が減少し、その上で部下の成長を促し、チームとしてのパフォーマンス向上を迫られているのです。

このようにミドルマネージャーを取り巻く状況は難問だらけなのですが、実はそれ以上に大きな問題があります。

それは「プレイングマネージャー」であることが、会社側やミドルマネージャー双方にとって「変化を起こさない言い訳」になっている事です。

会社側にとっては「自分が経験したことのない問題」に対し、正解を持っていない上、ミドルマネージャーのプレイヤーとしての役割に大きな価値を感じている為、あまり強く言えない、負担を強くする事によるパフォーマンス低下を招きたくないという思いがあります。

また、ミドルマネージャー側もそれがわかっているので本当の意味で「変わる必要性」を感じず、現状維持が続くという状況が作り出されているのです。

「わかっちゃいるけど、変われない」というのは、このように「お互いの利害」が噛み合う結果によって生まれているのです。

「変わらない」言い訳をなくすには?

では、「変わらない理由」がある中でどうやってこれからの時代に合ったミドルマネージャーを育成してゆけば良いのでしょう?

まず考えるべき事は「企業」や「ミドルマネージャー」双方も「未来予測」の中から「健全な危機感」を抱き、「変わる」事の必要性を理解する、納得するということです。

どういう事かというと多くのプレイングマネージャーがプレイヤーとしての役割に重きを置いて働き続けるとまず、プレイヤーとしてのパフォーマンス低下という問題が起こってきます。

加齢によるスキルの低下はどんな人間でも避ける事が出来ず、そこで勝負し続けてゆこうとすると将来辛くなるからです。

また、スキルに関しては、今後も新しいプログラミング言語が登場してくることが予想され、得意分野が「オワコン」になって行くリスクもあります。

更に言うと、AIの発達により、ますます活躍する分野が狭くなってゆく可能性もあるのです。

そうすると部下は育たず、プレイヤーとしてのパフォーマンスが落ちてゆくわけですから、会社としても非常に困ったことになるのではないでしょうか?

また、プレイングマネージャーが個人としても考えておかなくてはならない事もあります。

それは「長生きリスク」です。

日本人の平均寿命は未だに上昇傾向が続いており、人生100年時代が現実になろうとしています。

「長く生きる」という事は、それだけ「お金」が必要になり、今所属をしている会社で「定年」を迎えた後も20年くらいは働く必要性が高まってきたと言えます。

この、定年後も「働く」という事から考えると2つのアプローチが考えられます。

一つ目は「時間を売る」という考え方でもう一つは「価値を売る」という考え方です。

果たして、どちらが良いのでしょうか?

私は「価値を売る」という働き方の方が断然良いと考えています。

それは、「時給×時間」でお金をいただくより、価値でお金をいただくわけですから、個人としての生産性はもちろん、自由度も高くなると思うからです。

確かに技術者としての価値を売る事も可能だと思いますが、私はプレイングマネージャーが獲得できるもう一つの価値の方に目を向けていただきたいと思っています。

それは、部下を育てる力やチームのパフォーマンスを向上させる事の出来るリーダーとしての価値です。

なぜならば、世の中に起きる大半の問題は「人が起こす」ものであり、未来永劫なくなる事はありません。

そして、これは組織内においても同様であるからです。

従って、人の問題に適切に対応でき、チーム力を向上させることができる「経験と知見」は、企業のみならず、社会から求められる大きな価値であり続けるという事です。

もちろん、「昔取った杵柄」でいつまでも勝負しようという姿勢ではなく、謙虚に「経験と知見」を更新し続ける必要はありますが、その手段は「覚えたり」、「体を使って体現する事」ではないので、衰える事は基本的にはありません。

基本的に「学び続ける意思」と「考える力」「感じ取る力」「コミュニケーション能力」「新しいことに挑む意欲」があれば、
いつまでも活きた「経験、知見」として存在し続けてゆきます。

以上の事から、プレイングマネージャーがリーダーという役割に本気で向き合う価値があるという事はおわかりいただけたのではないかと思いますが、時間的な制約が多い中でどうやってリーダー能力を身に付けて行けば良いのでしょう?

私は

  1. コミュニケーションの生産性向上
  2. コーチング能力
  3. 個別対応
  4. グラデーション型育成
  5. リーダーコミュニティ

の5つが鍵であると考えています。

これについての詳細はまた次回お話したいと思います。

チームコーチング・・・オフショアでアジャイルを進める上で知っておくべきギャップ

昨年より、某IT大手(SIer)でアジャイル開発を進めているチームのコーチをしています。

関わらせていただいた事で分かったことがあるのですが、それはオフショアでウォータフォール開発に慣れている人たちでアジャイルをやる上で発生する障害です。

障害と言ってもここで言う障害は「人的障害」です。

この障害は大きく2つあると考えていて、一つはヒエラルキーからくる障害です。

ウォーターフォールは読んで字のごとく、上から下に水が流れるかのように、階層によって様々な会社のエンジニアが関わって進める開発です。

わかりやすく言うと「建設現場」のように元請けから、下請け、孫請けのように仕事が流れてゆきます。

つまり、上下関係があるという事。

これが、フラットなコミュニケーションを主体とし、機動性を重視したアジャイル開発を行う上での「一つ目の障害」であり、あるべき姿との「ギャップ」を生む原因になっています。

ウォータフォールは主に大きなプロジェクトを運営してゆくのに向いていて、一旦リリースすると開発チームの役割は終わります。

ところが、アジャイル開発は、エンドユーザー向けのサービス、例えばスマホアプリやサブスプリクション型のサービス開発に向いており、ニーズに応じて変化を継続して促進してゆく必要があります。

つまり、リリースしたら一旦終わりでなく、チームの陣容は変わっても継続してより良いサービスにしてゆく為に開発に関わってゆく事になります。

アジャイル開発では、自由に意見をぶつけ合う、話しあいながら、共通認識を持って、マイルストーンを細目に設定して進んでゆくのですが、上下の意識が残っていると中々思った事が言えず、その結果トラブルが後で発生という事が良く起こります。

もう一つの障害は「コミュニケーション」における障害です。

コミュニケーションが起こす障害としては、母国語の違いからくるギャップと言葉の定義付けに共通認識ができていない事からくるギャップがあります。

最初の根本的な問題は、会話の中で理解できていない言葉や表現があるまま、対話が流れて、仕事に影響を及ぼしてしまうという事。

もうひとつは、曖昧な表現をお互いの理解で進めてしまう事によって起こるギャップがあります。

特に後者の方が問題で、これはオフショアでなくても同じ母国語を話す人同士でも頻繁に発生する問題です。

後で、「わかっていると思っていた」「こんなことも説明しないといけないのか?」「普通はわかるでしょ?」と感じるような事柄です。

例えば、朝会で昨日やった事、今日やる事を確認するとして、どういうレベルの情報を出せばよいのか定義付けされていない事が多い場合、丁寧に説明する人はなかなかいなく、適当に端折って話すのが習慣化されているのではないでしょうか?

これは、面倒くさいという意識や自分を守る意識からくる行動で誰にでも心当たりがある事だと思います。

チーム運営にとって必要な情報を共有するという本来の目的を忘れて、曖昧な話をする。

ましてや今はコロナ禍でスラックなど直接対話でない中でコミュニケーションをとる事が多く、中身を見ると必要な情報が足りないという事が頻発しています。

では、どのように対策をとってゆくかという事ですが、IT企業の良い所は当然の事ながら新しいサービスに対するリテラシーが高く、使用に対し心理的な障害が少ない事です。

なので、スラックのようなテキストベースのコミュニケーションをしてゆく中で感情的障害が発生した場合は、すぐにオンラインで対話をする習慣を身に着ける事です。

直接話せば、わかることでも、端折った表現では伝わらなかったり、誤解が生じる事が多々あります。

これを、想定して直接対話をするルールを作っておけば、溝が深く大きくなることは防げます。

今後、コロナが収束してもコロナ前の状態に戻る事はないと思われます。

変化の中でその時その時に合った最適解を考え、実施してゆく。

それが、時代に変化に対応してゆく上で最も大切な事なのではないでしょうか。

オンラインで実施する企業教育の形

”WAking”60 職場で内省を促し、人を飛躍的に成長察せるプログラム

現在、弊社ではZOOMやWEBEXなどのオンラインサービスを使って、研修や人材教育を提供している。

コロナ禍によって、当初は研修の代替スタイル的な要素が強かったので、正直言うと本当の意味で代替品にはなり得ないものであった。

また、従来からあったオンライン教育は決まったプログラムに関する動画を再生して、参加者が観るというスタイルが多かったが、これはこれで有効とは言えず(弊社に限ったことかもしれないが)、リアルで実施する教育の代替品にはなり得ていなかったと思う。

ただ、現在は様々な思考錯誤の結果、リアル教育の代替品ではなく、オンラインの特性を生かした研修とプログラムが完成しつつある。

特に評判が良いのは、いくつかの企業に提供している”WA”kingという内省プログラムである。

これは、有名なヘンリー・ミンツバーグ博士が提唱している「マネハプ」からインスパイアされて作ったプログラムで、1週間に起こった出来事、特に「怒り」「悲しみ」「恐れ」「喜び」など「感情を揺さぶられた」対人関係において起こった出来事をテーマにして、5人一組で対話をするプログラムである。

これを60分かけて毎週行い、参加者は自分が持っている「普通」「基準」と向き合うのだ。

私たちは全員が全員、自分なりの「普通」を持っており、これは一人一人違っている。

しかし、この「違い」を受入れる事が出来ないが為に対人関係において「毒」を生産し、「関係性」を壊し、様々な障害を引き起こす。

この「普通」は、自分では自覚が出来ない。

仮に自覚が出来たとしても長年つきあってきた価値観に根付くものなので、一回や二回の研修を受けたくらいではなかなか変わる事が出来ない。

なので、「習慣化」が必要なのである。

私はこれから企業教育の形が変わってゆくと思っている。

単発の研修に意味がないのかと言うとそうではないかもしれないが、果たして投資効果に見合うものなのかどうか?という事に企業も疑問を持ち始めている。

幸い、”WA”kingは成果を生んでいる。

程度はあれ、参加者たちに「意識変容」「行動変容」「人格変容」が起き始めている。

半年間の長丁場であるが、半年後には彼らがファシリテーターになって、部下や後輩の”WA”kingを展開してゆく。

“WA”kingが企業風土を変える。

そう確信している。

内省する対話機会を創る

”WAking”45 職場で対話を復活させるプログラム

今、様々な企業で問題になっているのが、「コミュニケーション」です。

時代の変化と共に変わる「その時代に適したコミュニケーションのあり方」がある中で、企業だけでなく日本社会全体が「答え」を見いだせず「変化に対応できていない」状態であると言っても良いと思います。

それは、インターネットの普及による手段の多様化、簡素化やそれに付随した「人間関係の認識に対する世代間ギャップ」等により、複雑化した社会の中で手抜きが横行し、お互いを理解し合う事が難しくなった、あるいは理解し合う事を面倒な事として、避けるようになった事が大きく影響していると思われます。

したがって、曖昧な自分勝手な表現の中でやり取りが行われ、結果として後々大きなミスやトラブルに繋がったり、感情的なギャップを生み、関係性の悪化を招くことになります。

関係性が悪化すれば、ダニエル・キムが提唱する成功循環モデルにある通り、「負のスパイラル」に陥り、どんどん重症化してゆく事になります。

では、このような状況をどのようにして解決すれば良いのでしょう。

それに対する、ひとつの答えは、仕事として「対話を復活させること」です。

つまり一昔前まで当たり前のように、アフターファイブで行われてきたような対話を「仕事として復活させる」と言う意味です。

かつては、何かあっても、仕事以外の時間でフォローし合う事が当たり前にできていましたが、今は働き方改革等で時間的な制約が大きかったり、会社や仕事に対する考え方が変わったってきたため、かつてと同じやり方をすることは中々難しい状況になっています。

そこで、ある意味「強制的」に対話をさせる仕組みを創るという事です。

今回複数の企業様で”WA”king 45というプログラムを導入することになりました。

”WA”kingのWAは「輪」を創り、「話」をし、「和」を紡ぎ、大きな「環」に発展させてゆくという思いで名付けました。

毎週5人組のグループが45分間オンラインで対話をするというプログラムです。

何を話すのかというと「1週間で起こった感情を揺さぶられた出来事」についてです。

ここで大切なのは、鎧を脱ぐ事、そして、仲間の質問やフィードバック、そして仲間の話の中から気づきを得て、内省する事です。

内省は自身の「器」を大きくする上でとても大切な事です。

人の成長・発達には人としての器を大きくする「垂直的」なものとスキルや能力を身に着ける「水平的」なものがあると言われておりますが、内省は垂直的成長・発達に繋がる大切なアプローチになります。

最初は抵抗感のある人もいるでしょうが、繰り返し、行ってゆく事で私たちに眠っている「記憶」が呼び起こされ、内省の価値を理解できるようになります。

私達人間が発達してきた背景には「コミュニケーション能力」がありました。

これは、他の動物たちとは一線を画す「人間の存在を決定づける」能力でした。

なので、本来私達のDNAの中に「コミュニケーション」が好きで重要性を理解している記憶があるはずです。

なので、定期的な対話機会の中でその意味や価値を発掘する事が出来ます。

また、”WA”king 45を実施してゆく中での様々な成果や気づきがあると思いますので随時ご紹介してゆきたいと思います。