プレイングマネージャーの育成⑨

プレイングマネージャーの意識を向上させる「リーダーズコミュニティ」

今回は、リーダーの意識向上に有効な「リーダーズコミュニティ」についてお話ししたいと思います。

「リーダーズコミュニティ」とは、同じ立場の人同士が、「定期的」に集まって話しをする集まりです。

ただし、ただ集まるだけでは生産性の高いコミュニティにはならないので、テーマを設定する事が「実りの多いコミュニティ」を創る鍵になります。

私の会社でも「相互内省」をテーマに「Wa」kingというコミュニティ型の研修を提供しております。

「Wa」kingのWaは「輪」になって、「和」を作り、「話」をし、自分のチームも含めた「環」に広げてゆくという思いと、英語で目覚めを意味する「Waking」から付けた名称で話し合いをしながら目覚めてゆく事を目的としています。

これは「リフレクションラウンドテーブル」というヘンリー・ミンツバーグさんという組織マネジメントの学者が考案したプログラムを参考に弊社なりにアレンジをして、提供しているものですが、人間関係における「悩み」から派生した「自分の感情を乱された(ガッカリ、イライラ、怒り、悲しみ、感動、嬉しいなど)出来事」について5人一組で1時間~90分間の時間を使って話し合うプログラムです。

「感情の乱れ」にフォーカスしているのは、「感情」が「思考」や「行動」「態度」「振る舞い」に強い影響をもたらし、人や組織運営の成長に大きくかかわってくるからです。

以前は「仕事に感情を持ち込むな」と言うのが、組織運営についての不文律であり、感情を軽視する傾向がありました。

しかし、私たちの脳が、本能➡感情➡思考という順番で進化をしてきた影響で、感情を無視して組織運営を行う事はかえって不合理であり、生産性を下げる要因になることがわかってきました。

したがって、お互いの感情の動きや、なぜそう思ったのか?それは、本当なのか?という事について冷静に振り返る機会がある事は、想像以上に大きな価値をもたらすのです。

 「事実」はひとつでも「人が語る真実はその場にいた人の数だけ存在する」という事はよく言われる事ですが、「Wa」kingは、仲間が話す「真実」に「違和感」を持って、それをフィードバックしたり、質問をすることで発言者の視点を変え、「気づき」を促す事、そして、新たな行動に結び付けてゆく事を目的としています。

ただし、ご想像いただくとお分かりになると思いますが、職場に導入当初は、自己防御からくる「相互牽制」や「遠慮」「忖度」が頻発します。

なので、この予定調和を崩す「工夫」が必要になります。

「Wa」kingでは、軌道を修正し、対話が本来の目的に近づくよう、ファシリテーターが「貴重な時間を使って集まる目的」や「意義」を繰り返し説明したり、対話を核心に導くようナビゲートする他、弊社で用意した「相手の気づきに繋がる質問」を用意し、発言者が「自分の見方は自分だけのものに過ぎないかもしれない」という事を気付いてもらえるように仕掛けを工夫してあります。

従って、回を重ねてゆくにつれ、本音を語り合えるようになる事で、「Wa」king本来の狙いを汲んだ対話が繰り広げられる様になり、それを現場に持ち帰り、「関わり方を変える」行動に繋げるという人が増えて行きます。

また、その中で「意外な方」が成果を報告してくれたりし、それを聞いている仲間が刺激を受け、自分から質問をするような場面も見られるようになります。

もちろん、ガンとして「変わろうとしない」人もいるのは事実ですが、当面は「その人の中で不愉快な葛藤が起こる」状況を作れれば良いと考えています。

最初にお話しした少年野球の話ではないですが、他人の成長には「波」があり、いつ変化するか?は人によって違うからです。

「自分の方が正しい」という思考は、「変化を妨げる要因」で、全ての人間が持つ「自分が可愛い」という感情から起こるものあり、ある意味人の根っこにあるものです。

ですが、そのまま周囲の人と関わると信頼関係を損ね、「見えない孤立化」が起こり、あらゆる問題を引き起こす要因となります。

自分が「普通」だと思っている考え方は、本当に「普通」なのか?を考える機会は日常で中々作る事はできません。

なので、定期的に5人一組の集まりの中で自分に偏った「モノの見方」に気付ける事は、少し、「痛い」「不愉快」な思いをするかもしれませんが、とても貴重な時間になり、後になって、リーダーにも、チームにも、そして会社にも大きな恩恵をもたらします。

今回はプレイングマネージャーの意識を向上させる「リーダーズコミュニティ」についてお話ししました。

もし、気になる事やご質問があればお気軽にお問い合わせいただければと思います。

次回は、企業を停滞させる「慢性的思考停止」についてお話ししたいと思います。

プレイングマネージャーの育成⑧

こんにちは、カンパニーコーチの青木栄明です。

私事で恐縮ですが、昨日、小学五年の長男が所属する野球チームの練習試合がありました。

結果は16対6で大勝し、来週から始まる大会に向けて、良い準備が出来たなぁと思っています。

このチームは、最近やっと、勝てるようになってきましたが、つい3か月前まで試合をしても全くと言ってよい程勝てないチームでした。

目的意識を持たせ、個人の目標を設定してから、徐々にチームも選手も成長が早くなり、結果に繋がり始めています。

意識改革において、まずやった事は、「どんなチームにしたいのか?」「それはなぜなのか?」「そのために自分は何をするのか?」「どんな選手になりたいのか?」「それはなぜなのか?」「そのためには何をするか?」について考えてもらい、自発的な行動を引き出すという事です。

各々が全員の前でコミットして行動の約束をするので、実行度が高く、今のところ、努力が成果に繋がっているという状況です。

そして、新たに取り組みを始めたのがチーム創りです。

今やっているのは、練習や試合がある時に三人づつリーダーを決め、全員で話しあって生まれた「スローガン」を実行する為に一人一人が何をするのかを約束させ、結果を振り返り、他のメンバーからもフィードバックを受けるというものです。

こうする事で自然と対話が生まれ、助け合える本当のチームになりつつあります。

まだまだ、課題は多いのですが、私は、いつか彼らがこの経験を活かして 社会で活躍して欲しいと思っています。

そのために親父コーチは、毎週末、腰痛と闘いながら、彼らと一緒に汗を流し続けます。

グラデーション型育成

前回は部下の発達段階に合わせて、対応を変えてゆくシチュエーションリーダーシップにベースを置いてお話ししました。

今回はその発展型である「グラデーション型育成」についてお話しします。

部下に個性や能力に合った育成を続けてゆくとスピードに個人差はあっても、その人なりの変化が起こってきます。

つまり、これが成長なのですが、この部下の変化に合わせて「働きかけ」を変えてゆくのが、「グラデーション型育成」の考え方です。

人は時間の経過と共にキャリアを重ねて行きます。

そして、その人がどんな成長を告げてゆくかは、人それぞれ異なるわけです。

従って、上司が部下の成長に合わせて持っている情報や知識、必要なスキルを出し入れできれば、どんな部下であっても成長を加速化することができます。

ただし、私達はロボットではありませんので、階段を上がるように成長してゆくわけではありません。

例えば、部下に知識と経験が足りない若手の段階においては、「教える」「訓練する」「アドバイスする」という関わり方を中心に、部下の変化を観察しながら、次の段階のスキルである「考えさせる」「選ばせる」「決めさせる」というプロセスに進んで行くわけですが、一回の説明で「理解する人」もいれば、そうでない人もいます。

中には何度説明しても、同じミスを繰り返したり、違う行動をするなど、一向に成長が見られないように感じる人もいると思います。

こういう部下には、「教える」=「わかるはず」という発想を捨てて、接し方を変え、「教える」をもう少し、細分化する必要があります。

例えば「教える」という事を「説明をした」「理解した」「自分の言葉で説明できるようになった」と言う3つのパートに分解し、必要があればさらにひとつ、ひとつをいくつかに再細分化してみるという事です。

具体的に「理解した」を例に挙げて考えてみますと、

  1. 「何がわかったか?」を説明させて「覚えたか?」どうかを確認
  2. 「では、こういう場合はどうなると思う?」という応用問題を出す事で「理解度」を深める

そうすると「理解」の精度が上がり、次は「自分の言葉で説明できる」という段階に入れるわけです。

さらに、次は「訓練」を

  1. 上司の手本を見た
  2. 上司に見てもらいながら、やってみた
  3. 一人でできた
  4. 複数回できた

等に分解し、確認しながら、進めてゆきます。

それでも、また「訓練」後、ミスやヌケが発生するようであれば、戻って「なぜ?」という問いを立てて「理解」を促進する。

手間がかかって、大変だなと思われるかもしれませんが、こうする事で着実に成長に結び付ける事が出来ますし、後々の事を考えると、無駄な問題が起こりにくくなります。

そして、そしてさらに、大きな副産物が生まれます。

それは、「今手間がかかっている部下」が先輩や上司になった時に「自分がしてもらった事」が後輩にできるようになる事です。

つまり再現性のある教育プロセスが作れるという事。

人によって関わり方や教え方が多少異なっても、部下や後輩に対する育成の仕方をある程度標準化できれば、結果的にそれが組織の生産性向上に繋がります。

今日お伝えした「グラデーション型育成」は育成のプロセスを細分化、再細分化して進める考え方です。

そのためには抽象的な表現を「どういうことか?」と言う視点で分解し、誰もが共通認識できるように言語化する必要があります。

また、この共通言語化については別に機会に改めてお話ししますが、一見遠回りの様に見えても結果として成長スピードは早くなります。

もし、伸び悩んでいる部下が周囲にいるようでしたら、育成、接し方のプロセスを見直してみて下さい。

目先のスピードに目が行く事によって生まれている「無意識の手抜き」が「部下の成長鈍化」に繋がっている事をご理解いただけると嬉しいです。

次回は、リーダーの成長を加速する「リーダーズコミュニティ」についてお話ししたいと思います。

プレイングマネージャーの育成⑦

部下に合わせる個別対応型コーチング

 「上司に合わせる」から「部下の状況に個別で対応する」へ

今日は部下に対する個別対応のお話しをします。 

一昔前は一般的に「上司に合わせる」のが当たり前でした。

それは、多少不満はあっても、素直に言う事さえ聞いていれば、それなりに実績も上がって給料も上がったからです。

でも、「答えのない時代」と言われる今は、そうはいきません。

部下一人一人のキャリアや能力、個性に合わせた対応をし、能力を高めて行く事が求められているのです。

そして、個別対応について、成否のカギを握っているのが、プレイングマネージャーの「コーチング能力」です。

ここで言う「コーチング能力」とは一般に言われている「コーチング」とは違い、「コーチング」を包括した能力を言います。

なぜ、コーチング以外の能力も併せて必要になるのかと言うと、部下の成長や個性の違いによって、一般的な「コーチング」が有効でない場合も多々あるからです。

本来のコーチングは主体性(自分でどんどん考えて、動ける人)を持った部下に対しては有効ですが、そうでない部下に対しては、段階を経て主体性を覚醒させ、コーチングが機能する状態まで育ててゆく必要があります。

基本、受け身で「言われたこと」は真面目にやるけど、それ以上は何もしないというような部下には、コーチングは機能しません。

なので、コーチング部下の成長に合わせて対応を変えてゆく必要があります。

例えば、キャリアの浅い部下に対しては「ティーチング」や「アドバイス」、「コンサルティング」が必要な場合もありますし、メンタルが落ちている部下には「カウンセリング」の要素も必要になります。

従って、今回私が言う「コーチング能力」はこれらの根幹のスキルであり、包括したものになります。

考え方としては、基本をコーチングに置き、相手の状況に合わせて必要なかかわり方を出し入れしてゆくという感じです。

では、どのように出し入れしてゆくかという事ですが、考え方の一つとして「意欲」と「技術」を軸に考えるというやり方があります。

シチュエーションリーダーシップと言われるもので、別名SL理論とも言われています。

縦軸に意欲の高低、横軸に技能の高低というマトリクスを使い、部下達を4つの領域に分けて、それぞれに適した接し方を考えるというものです。

ご興味がある方は「1分間リーダーシップ」(ケン・ブランチャード著)という本に書かれていますので、ご一読いただくと良いと思います。

私は、それを日本人に合った形でアレンジして応用しています。

4つの領域と対応の仕方は以下の通りです。

1. 意慾が高くて、技能が低い(新人のような若手)

やる気はあるけど、経験や知識、スキルが足りないという人です。

自信を育ててゆく事が需要テーマになるので「知識」や「やり方」を教え、承認、モチベーティングを含めて、存在価値(自信、他者からの信用)を創って行く事がポイントになります。

2. 意欲がいまひとつで、技能も伸び悩んでいる

入社後、数年が経過しているが、期待されているほど「伸びていない」方々が当てはまります。

自信の欠如を始め、何らかの理由で「作業的」な働き方になっている。

経験を重ねるにつれて、自分が描いていた理想との違いや難しさがわかってきて、フラストレーションや意欲が減退している可能性のある人です。

こういう方には、「自信を与えてゆく事」と何が問題なのか?「課題の整理」を一緒に考えながらフォローをしてゆくというコンサルティング的な関わり方と前進する為のモチベートが中心になります。

3. 技能はある程度あるが、意欲がいまひとつ

ある程度熟練している方で、実力はあるけれど、どこか割り切り感が漂っていたり、自己評価が低い人などが当てはまります。

4つの領域の中では、一番難易度が高いと言っても良いかもしれません。

それは、ある程度の期間、同じ状態が継続しているからです。

関わり方としては、割り切りに繋がっている原因やその人のモノの考え方を一緒に考え、承認しつつ、未来に目を向けさせたりすることで意欲を掻き立てたる。

また、自己評価が低い人には、その原因となる根拠を一緒に考え、価値観の起源となった出来事や過去にさかのぼって、親など身近な人からの関わり方を一緒に振り返ったりします。

そうしながら、心をほぐしてゆくイメージです。

現実的にこのレベルまで対応するにはカウンセリング、コーチング、モチベーティングなど専門的な知識と経験が必要ですが、基本は「今、なぜ、彼(彼女)はそういう考え方なんだろう?と興味を持って接してゆく事が大切です。

彼らがそうなった背景には「放っておいた」時間の長さにも原因があるからです。

いずれにしても「自信がない」と言う人は大人しい、弱弱しい印象を持ちますが、経験上意外と「頑固者」が多く、少々骨が折れます。

4. 意欲が高く、技能も高い

この領域に当てはまる人は、基本的には優秀な人ですが、優秀であるがゆえに「視界」が狭くなる可能性があります。

どんな優秀な人でも「当事者」は自分を俯瞰して観ることが難しいからです。

なので、「ここはどうなの?」「これは見えているの?」という風に「問い」を立てながら、視考感体積(視野×視座×感情)を広げる機会を提供する必要があります。

優秀だからといって放置すると、組織から逸脱した考えや発想を持つ可能性があり、ある日突然「退職願」を出すという事が起こりえるからです。

こういう人には「会社の中で頑張る」という事と「個人の未来構想」を結びつけて考えられるようにコーチングしながら、ケアしてゆく事が求められます。

それでも、場合によっては、会社から出てゆく方もいるかもしれませんが、良い形で出られるようにしてあげる事も大切かと思います。

なぜなら、自分の「思い込み」のみで判断し動くと本人が、後で後悔するような状態にもなり得ないですし、仮に会社を辞めたとしても「良い関係を続ける」事ができれば、違う形で会社に貢献してくれることもあるからです。

今回は、部下に対する個別対応をシチュエーション型リーダーシップ理論に沿って、お話ししてきました。

現実的に考えると、部下はこの4種類に分かれるわけはないので、この通りに対応してもうまく行かない事も多いと思います。

ただし、軸としてこういう考え方を持った上で部下育成を考えていただく事で、成長の「手がかり」が見つけやすくなります。

部下ごとに戦略を立てながら、できれば他の関係者からもヒアリングし、どういう接し方が良いのかを4つの領域を参考に考え、実行、修正してゆくイメージです。

弊社では、個別対応型コーチングに関しても研修メニューをご用意しておりますので、ご興味があればお声掛けください。

次回は個別対応をさらに発展させてゆくグラデーション型育成についてお話ししたいと思います。

プレイングマネージャーの育成⑥

プレイングマネージャーのコーチング能力は会社の成長を左右する

今日はコミュニケーション生産性に関わる「コーチング能力」についてのお話しをします。

プレイングマネージャーがコーチングを身に付ける事で、コミュニケーションの生産性、しいては会社の成長そのものを促進させるということなのですが、背景には今が「プレイングマネージャー受難の時代」である事が挙げられます。

それは以下の理由があります。

1. 会社の上層部で今の時代に合った部下との関わり方に対し、教えられる人が非常に少ない。

どういう事かと言うと、今の40代から50代の管理職の方々は、「上司に合わせる」のが当たり前の環境で育ち、求められた事は「上意下達」を徹底させる事でした。

つまり、指示命令で業務を動かしてきた経験しかないのです。

従って、「上意」が曖昧な今は、具体的なアドバイスはできず、(個人で勉強している人は別ですが)出せる指示は「自分で何とかしろ」なんです。

なので、プレイングマネージャー達は「自分で考えて」何とかするしかないのです。

2. 少人数、短時間でアウトプットを増やす命題

人数や時間を多くすることで「成長」をしてきた時代とは異なり、今はより無駄のない効率を追求した仕事の仕方が求められています。

その答えとして「専任の管理職」ではなく、プレーヤーでありながら、チームを持つという役割が与えられているわけです。

育てながら、勝て!!という、ある意味二兎を追うよう求められているので負担が大きいのです。

そのような状況を踏まえた上で、これから彼らの武器になるものが「コーチング」です。

コーチングについて、一度はお聴きになった事がおありではないかと思いますが、簡単にご説明すると、こと組織に置いては、「部下の潜在能力を引き出し、成長に変えてゆくスキルであり、チームの関係性を強くするスキル」であると言えます。

これだけ聞くと、「良いな、魅力的だな」と思われるかもしれませんが、身に付けて使えるようになるまでには少々大変です。

なぜなら、人によっては現状、自身の慣れ親しんだコミュニケーションの仕方を「変えてゆく」事が求められるからです。

これは想像以上に大変な事です。

また、コーチングスキルを身に付けたとしても、うまく導入していかないと全く機能しないばかりか、マイナスになってしまうというリスクもはらんでいます。

と言うのは、今から30年前くらいに日本に初めてコーチングが入ってきてから、「これは良い」という事で大手企業がこぞって研修に「コーチング」を導入しました。

しかし、期待とは裏腹、研修後コーチングが職場にうまく浸透しなかったため、「実践では役に立たない」という評価を受けてしまったのです。

「研修の多く」がマネージャー達の知識やスキル修得に主眼が置かれた為、部下をコントロールするスキルであるような誤解を与えたり、コーチングが「機能する前提」を飛ばして、いきなり職場でコーチングを使いはじめた方が多かったので、部下に拒絶反応が多く出た事が原因でした。

では、コーチングが機能する前提とは何か?ですが、それは部下との「関係性の強さ」です。

部下が本音を話せる様な関係性がないとコミュニケーションスキルである「コーチング」は全く機能しません。

関係性を強化するアプローチに関しては、「認める」「繋がる」のところでお話ししましたが、こういう日々の取組を継続的に行いながら、「コーチング」で部下の成長を促進する事が求められているのです。

また、「コーチング」は無条件で「誰に対しても」効果を発揮するような万能性はないという事も理解しておく必要があります。

「コーチング」は主体性、つまり「自分で考えて、決断して、責任をもって遂行する」志向の強い人にはきわめて有効ですが、「受け身」の人に機能しにくいという側面があります。

従って、受け身に慣れている多くのビジネスマンにそのまま活用しようとしても効力を発揮しないどころか、逆効果になってしまうのです。

では、なぜ、そんな「注釈付き」の「コーチング」がプレイングマネージャーにとって重要であり、会社の成長を左右するほどの価値を持っているのか?という事ですが、一言で言うと、現在プレイングマネージャーに対し、「部下一人一人にフォーカスし、対応してゆく事」が求められているからであり、そして、弊社で提供しているコーチングが関係性の築き方から、具体的なワークや取り組みを通じて、体得できる上に部下の成長段階に合わせた関わり方も含めて学ぶことができるからです。

一昔前は「部下が上司に合わせる」のが当たり前でした。

でも、今は部下を観察し、「個性」や「成長のスピード」によって、関わり方を変えて行かなくてはならず、そこにコーチングのスキルが活かせるのです。

では、どのように部下一人一人に対し、コーチングを活かした対応をしてゆくかですが、これは次回、「個別対応」のパートでお話ししたいと思います。

プレイングマネージャーの育成⑤

プレイングマネージャーが良いチームを創る為に・・・「繋がる」

今日は「コミュニケーションの生産性」を向上させる為の「繋がる」「本音で対話する」についてお話しします。

ひと世代前は「ヒト、モノ、カネ、情報」が会社経営を考える上で必要な資産という風に言われてきました。

そして、ここ数年で良く言われている新しい資産が「ソーシャルキャピタル」(社会関係性資産)です。

「繋がり」を強く、多く持っているかという事が、規模拡大や利益増大に結び付き、会社のパフォーマンスを考えて行く上でも「重要」になるという事です。

ソーシャルと言う言葉から連想されるようにSNSは私達にとって、切っても切れない大切なサービスになっていますし、GAFAを始めとして、これを大きく保有している企業は世界の経済を牛耳っていると言っても過言ではないでしょう。

それだけ、私達は繋がりを求め、依存していると言う事の裏返しでもあります。

そして、この「繋がり」はマーケティングの面だけでなく、組織運営においても大きな鍵となっています。

では、組織における「繋がり」とは何か? という事ですが、私は「共同体意識」であると考えています。

ここで言う共同体意識とは「同じ理念の元、その実現を目指し、切磋琢磨する仲間であるという思い」です。

言い換えると、「チームのあるべき姿を仲間と共に心から実現したいと思えるような関係性」を言います。

これを築く事がなぜ大切なのか?は改めて説明するまでもないと思いますが、敢えて言うなら、一人一人が主体的にチームに関わるようになるのでパフォーマンスが圧倒的に違ってくるからです。

指示命令で動く組織との違いを考えていただくとイメージしやすいのではないかと思います。

では、共同体意識をどのように築くかですが、私は以下のようなステップを踏む事をお勧めしています。

  1. チーム内で会社の経営理念を深堀する
    ・誰の為なのか?
    ・何のために存在するのか?
    ・何を実現したいのか
    ・どうやって実現するのか?
    ・それはどうしてなのか?
  2. 経営理念から自分たちのチームはどうあるべきか?自分はどうあるべきか?を考える
  3. あるべき姿と現状のギャップを洗い出す=問題
  4. 問題を課題化する
  5. 課題をアクションに落とし込む(具体的計測可能)
  6. アクションと成果を振り返る➡「3」に戻って「6」までを繰り返す

まず、経営理念から考える理由は、昨今、「答えのない時代」と言われるようになり、自分達の判断基準として「経営理念」の重要度が以前と比べて格段に増してきた事によります。

時代に勢いがあったシンプルな時代は、トップダウンで良かったのですが、今はそうはいきません。

だれも正解がわからないので「一人一人が考え、自分達でどうするのか?」を考えて、行動に移す事が求められています。

ただし、経営理念は抽象度の高い言葉やあいまいな表現を使って構成されている場合が多いので、そもそもどういう意味なのか?何を目指しているのかを「議論」し、自分たちなりに定義付けする、つまり、共通言語化をする必要があります。

これも正解はありませんので経営理念を自分たちなりに解釈して、チームとして、個人としてどの様に実現に向かって行くかを言葉にすれば良いのですが、その際にチームメンバー自身の「ありたい姿」や「ビジョン」を考えておいてもらえると、なお一層、このワークが活きたものになります。

それは、生活の為という事以外で、会社で働く目的が見いだせると義務感や強制感に支配されることなく、主体的に活動できるようになるからです。

そして、取り組みに躍動感を与えるために実はもうひとつ必要な事があります。

それは「本音で話せる」環境創りです。

チームに関わる全員が平等に自分の意見を話す機会がないと、チーム内で意識ギャップが大きくなり、義務感や強制感が漂うチーム運営になってしまうからです。

本音を話すという事は、関係を壊すリスクがある為、そう簡単にできる事ではありません。

なので、全員が意見を平等に言える環境を創る為に「ひと工夫」必要なんです。

具体的にどうするかですが、例えば最初は付箋を使って、全員分の意見を壁に貼りだし書いた人が順番に発表するようにすると良いです。

いきなり、口頭で意見を求めるよりも自分の意見を言いやすくなります。

少々手間がかかりますが、チームメンバーがこういうプロセスを踏んでチームについて、自分について考えられるようになると、その後のチーム運営はものすごく楽になります。

今日は「繋がり」をどう創るか?についてお話ししました。

次回は「コーチング能力」についてお話ししたいと思います。

プレイングマネージャーの育成④

行動を認める

前回は部下の「存在を認める」と言うお話をしました。

今回は、「行動を認める」についてお話ししたいと思います。

まず、どうして「行動を認める」という事が大切なのか?と言う事ですが、それは「成長」に大きくかかわってくるからなんです。

「成長」とは何か?をシンプルに表現すると、私は、

  1. わからなかったことがわかるようになる(知識、視野、視座、感情、思考)
  2. 出来なかったことが出来るようになる(スキル、知識、思考)
  3. 出来ていたことがもっと旨くなる(スキル、知識、思考)

の3つであると思っています。

この3つは何かしら、行動が伴う事で初めて確認できる事です。

なので、部下の行動を注意深く「観察」する必要があるのです。

観察と言うと大げさに聞こえるかもしれませんが、部下がいらっしゃる方でしたら、部下に対し、「おっ!!」と思う事は少なからずあるはずです。

これは、私がコーチングや研修において、多くのマネージャーの方々に関わらせていただいた時にいつも感じることで、グループワークなどで対話の機会を作ると意外なほど多く出てきます。

なので、思ったより「部下の事を良く見ているんだな」というのが私のマネージャーさん達に対する印象です。

ただし、ただし・・・・・「次の一歩」がないんです。

それは部下に「伝える」という事です。

せっかく、部下の変化をキャッチできているのに「伝えない」のは非常にもったいない。

極端な事を言うと、うまく「変化をキャッチ」出来ていなかったとしても、例えそれが「思い過ごし」であったとしても「伝える」事の方が大切です。

なぜなら、部下は上司からどう思われているのか?について、とても関心があるからです。

何も伝えなければ、部下は「上司は自分のことをどう思っているのだろう?」「認めてもらえているのだろうか?」疑心暗鬼になってしまいます。

そうすると、いつまでたっても心理的な距離は縮まらず、警戒心から、自己防衛本能が働き、余計な事はやらないでおこうと考え、結果、成長も鈍ってしまいます。

なので、気が付いたら、感じた事をそのまま伝えるという事に慣れて欲しいのです。

ちなみに、これは部下に対してだけでなく、子供やパートナーに対しても有効です。(なおの事、できないですかね(笑))

それから、伝える上での大切なポイントがあります。それは

  1. 鮮度
  2. 事実を伝える
  3. アイメッセージ

の3つです。

まず「1」の鮮度ですが、伝える時は「新鮮なうちに」と言うのが大原則です。

気が付いたら、早め伝えないとお互いに「忘れてしまう」からです。

これは、注意する時も同様です。

後で言われると「心当たりがなくなってゆく」ので、素直に相手の言葉を聴けなくなりがちです。

「2」「3」は特に「褒めるのが苦手」と言う方にお勧めです。

「やり方変えてみたんだ?」「工夫したんだね。良いと思うよ」と言うように変化を捉えて、そのままを言い、(私は)良いと思うよと伝える。

たった、それだけです。

それでも、直接本人に口頭で伝えるのは・・・・と言う方は「スラック」等のチャットを使って伝えるのもありですし、直接本人に言うのではなく「周囲の人に伝える」のも有効です。

これはまた別に機会に詳しくお話ししますが、直接、言われるよりも「●●さん、君の事褒めてたよ~」などと間接的に言われた方がうれしいという人も少なからずいるからです。

基本的には「直接伝える」という事をお勧めしますが、どうしても難しいと言う方は、自分にあったやり方で部下の行動変化を認めてあげてください。

できれば、これも習慣づけする為に1日1回「伝える」を目標にすると「なお可」です。

最初の内は、何を伝えたら良いか見つからず、苦慮するかもしれませんが、コツを掴むとできるようになります。

コツを掴むには、気のせいでも良い、間違っても良い、と言う風に考え、ひたすら「感じた事を伝える」事が重要です。

これは、私がファミレスの店長時代に実行したことでもあり、その効果は実証済みです。

日々の声掛けが、後で大きな喜びに変わります。

是非、実行してみて下さい。

次回は「コミュニケーションの生産性」の2つ目テーマ「繋がる」についてお話しします。

プレイングマネージャーの育成③


こんにちは、カンパニーコーチの青木栄明です。

私はスポーツが大好きなので、連日、北京オリンピックにおける日本人選手の活躍を楽しみにしています。

スキーしか知らない世代の私が今一番好きな競技は「スノーボード」です。

平野歩夢選手が逆転で「金メダル」を獲ったシーンはまさに「鳥肌」ものでした。

そんな中、平野歩夢選手の大活躍を見ながら、気付いた事があります。

それは、「準備をやり切った人」の自信は揺るぎないんだなぁという事です。

これはボクシングの「井上尚弥」選手にも感じる事なのですが、「緊張する隙」すら、なくすくらい、自分を追い込み、乗り越えている印象があるのです。

この域に達するには、どのくらい自分と向き合って、闘ってきたのだろう?と思うのですが、私には想像つかない領域です。

オリンピックのような大きな勝負の場は、私達に様々な気づきを与えれくれます。

良かったら、そんな視点を持ちながら、残りの競技、楽しんでみて下さい。

存在を認める

前回は部下との関係性を強化する上で「帰属認知の欲求」が鍵になるというお話をしました。

この欲求を踏まえた上で

  1. 認める
  2. 繋がる
  3. 本音で対話する

と言うステップを踏む必要があるという事でしたが、今日は「1」の認めるについてのお話しをしたいと思います。

「認める」にも3つの段階があります。

  • 存在を認める
  • 行動・成長を認める
  • 成果を認める

というものです。

成果を認めるという事については、比較的認識しやすいのですが、そんな場面はそうそうお目にかかれないですよね。

従って、ここで重点的にお話ししたいのが、「存在を認める」という事と「行動を認める」という事についてです。

まず、今日お話ししたいのが、「存在を認める」という点についてですが、その人の「長所や強味」を認めるという風に置き換えても良いと思います。

長所とはその人の性格で「優れている所」であり、強味は、その人が発揮できる「性質」「能力」、言わば「武器」のようなものです。

これは言うが易しで、身近に居る人の長所や強味はなかなか気が付かないものです。

その証拠に「一番身近な存在である」はずの自分の長所や強味をどれだけ認識しているでしょうか?

私は良く研修で「自分の長所と強味を20個挙げる」という課題を出しますが、20個挙げられる人は全くと言っても良い程いません。

同じように自分の部下の長所や強味を20個挙げられる人も同様です。

なぜ、なのでしょうか?

本当は私達1人1人には20個どころか、100以上の長所や強味があります。

なのに、見言い出せない理由は、・・・・・長所や強味を「見ようとしていない」事にあります。

理由として私は3つの要因があるかなと思っています。

一番目は、私達「日本人の特性」とも言うべき、ある種の誤解が招いた結果です。

どういう誤解であるかと言うと「謙虚であれ」という事に対する誤解です。

「謙虚」は私たち日本人が大切にしてきている「美徳」であり、辞書を紐解いてみると「自分の能力・地位などにおごることなく、素直な態度で人に接するさま」と書かれております。

これは、とても素晴らしい事ですが、はき違えると「欠点や改善点」ばかりに目が行き、その人の長所や強味を見えにくくしてしまうという要素も含んでいます。

したがって、ポイントになるのは謙虚さに対する「真意の理解」と表現の仕方です。

他人に褒められた時の反応として、私達はよく「私なんかまだまだです」「大したことはありません」などという表現をしてしまいますが、これは、「謙虚」のようで「謙虚」ではなく、自分を「卑下」していることになります。

そして、こういう言葉を知らず知らず、当たり前のように口にし、耳から取り入れることで、ある意味、自分を「大したことないんだ」「だめなんだ」と洗脳しているのです。

 例え、本心ではそう思っていなかったとしても頭の中は「自分に対するネガティブ」なワードで溢れてしまうわけです。

では、正しい謙虚さの表現はどういうものかと言うと「ありがとうございます。すごくうれしいです。さらに、努力いたします。」なんです。

少し抵抗感があるかもしれませんが、本来こういう反応こそ、「謙虚」なのです。

言われた言葉を「素直」受け取る姿勢です。

日本人が考えがちな謙虚さの姿勢には、この大切な「素直さ」が欠けているのかもしれません。

次に二番目の理由ですが「謙虚であれ」と言うことに少し関連しているかもしれません。

それは私たちが子供のころから受けてきた「減点法的」な標準化教育の結果だろうという事です。

どういう事かと言うと 、私達は、人と違うこと、出来ない事は良くない事で人と同じようにできる事が良いとされてきました。

なので、ダメなところや改善すべき事に先に目が行く習慣が根付いている。

長所や強味を見るという事は、真逆の事なので習慣にない事はなかなか出来ないということです。

どうでしょう?

多少なりとも心当たりがあるのではないでしょうか?

私は野球部だったんですが、怒られた記憶しかありませんし、「いかに怒られないようにするか?」を常に考えていたような気がします。

そして、三番目の理由は「レッテル」です。

一旦人と出会い、一緒に過ごす時間が長くなってくると「あの人は●●な人」というように、その人の「一部の個性」をあたかも全体を表しているかのように一言で表現しようとします。

そうするとその人のイメージが固定化されて、ある種の「レッテル」が貼られた状態になります。

私達人間は、一言で表現できるほど「単純な存在」ではないはずなのに、その人に対するイメージを固定化してしまうのです。

そうすると他に持っている長所や強味が見えなくなる。

これは、私たちがお互いに「貼り合っている」と言っても良いと思います。

以上3つの理由から「自分と人」の長所と強味が見えなくなっているというお話をしましたが、それでも「存在を認める」事は関係性を築く上でとても大切な事です。

では、なかなか見えない長所は強味はどうしたら、見えるのでしょう?

おすすめは、少なくとも5人くらいの人に長所や強味を聞いてみるのが一番手っ取り早いと思います。

ただし、「あいつの良い所なんだと思う?」と聞いても中々思い浮かばないかもしれません。

そんな時はこんな質問を使ってみて下さい。

「最近あった事であいつの事、良いなぁ、と思った事はどんな事?」

こうすると、思い出すシーンが限定され浮かびやすくなります。

そして、必ずと言ってよい程、意外で新たな気づきを得られるでしょう。

気づきを得ると「あいつ」に対する新たな見方が出来るようになり、認める事も容易にできるようになるはずです。

後は、伝える勇気だけ。

いつもと違う行動をするわけなので、照れくさいような、ぎこちないような感じがすると思いますが、大切な事であると認識して素直に伝えてみましょう。

例え、期待する反応がなかった(喜ぶなど)としても、素直に表現が出来ないだけかもしれませんので続けてみてください。

そうすると、次第に変化が現れてくるはずです。

部下の意識・行動変容を促進する。

これも大切なリーダーの仕事です。

次回は「行動承認」についてお話ししたいと思います。

プレイングマネージャーの育成②


こんにちは、カンパニーコーチの青木栄明です。

北京オリンピックが始まりましたね。

様残な問題を抱えて「平和の祭典」であるオリンピックが中国で開催されるところに違和感を感じますが、選手たちの頑張りに敬意を表し、あまり深く考えずに応援しようと思っています。

ただし、家族でオリンピックに興味があるのは「私だけ」という事で、ゲームやYOUTUBEに夢中な子供たちを見ると、一緒に盛り上がれない所に寂しさを感じる今日この頃です。

プレイングマネージャーがリーダー能力を身に付ける上で鍵となるもの

前回、様々な制約がある中、プレイングマネージャーがリーダー能力を身に付ける上で5つのポイントが鍵になるとお伝えしました。

今回は一番目「コミュニケーションの生産性」についてお話したいと思います。

現在、コロナ禍の中で部下とどのようにコミュニケ―ションを取って行ったらよいのか?

悩んでいるマネージャーの方は多いのではないかと思います。

理由はいくつか挙げられますが、概ね以下の通りではないかと思います。

1. 価値観の変化

部下世代(特に20代)の価値観が自分達と違うことによって、どう関わったら良いか?
何を話したら良いか?がわからなくなっている。
➡部下世代を取り巻く、相対的な人間関係の希薄化が背景にある(反応が微妙であったり、本心が読めない)。

2. 時間的制約

プライベートと仕事を明確に分けたいという価値観を持つ人が増えており、なかなかアフター5や休日などオフタイムのお誘いが出来ない。
➡仕事(会社)とプライベートを明確に分けたいという価値観の定着。

3. コミュニケーション手段の多様化

一昔前は「直接対話」「電話」がコミュニケーションの手段であったが、今はメール、SNSなど間接的な対話手段が増える事で「一方通行」で終わりがち。
➡自分が考えるコミュニケーションの常識が通じなくなってきており、伝達不足、理解不足が生まれやすくなっている。

4. オンライン対話の限界

対話時間が決められているので有効な「無駄話」が出来ず、心理的な距離が縮まらない。
本音が読めない。
➡仕事のやりと入りで終わってしまう。部下の心理がわからない。

5. 指示待ちの常套化

部下自ら近寄ってこない、言われたことはやるが、言われるまで動かない。
➡考える力がないわけでいが、自己防衛意識が強固であるため、言われたことをやれば安全という感覚を持っている。

では、このように障害の要因が沢山ある中で、どのようにして「コミュニケーションの生産性」を        上げて行けば良いのか?という事ですが、まず、部下世代の気質を読み取る必要があります。

ステレオタイプな決めつけは危険ですが、一般的に20代を中心とした「若者世代」は、「用心深く、デバイスを介してのコミュニケーションに慣れているので本当の意味で人間関係を築くという事に対する経験値が低い」という特徴があるという事です。

もっと言うと彼らが考えている「人間関係」に対する認識が上司の考えるものと違うと言う事かもしれません。

なので、こちらの常識や経験を元に、部下との関わり方を考えてゆくのではなく、相手を振り向かせるような関わり方を「焦らず、腰を据えて」行ってゆく必要があります。

部下との関係性強化に向けたステップ

世代による意識の変化はあっても、同じ人間である以上、人間が持つ根本的な欲求に変わりはありません。

関係性の強化を考える上で大きな影響を与えるであろう欲求は「帰属認知欲求」と言うものです。

この欲求は「自分を見て欲しい」「気に掛けて欲しい」と言う欲求で、人間が持つ欲求の中でも最も強烈な欲求と言っても良いかもしれません。

この欲求を踏まえた上で

  1. 認める
  2. 繋がる
  3. 本音で対話する

と言うステップを踏む必要があります。

特に「1」の「認める」はより「丁寧さ」が求められます。

「昔はそんなこと考えなくて良かったのに」「面倒くさいなぁ」と思われるかもしれませんが、経験上、「面倒くさい」「やりたくない」と思う所に「真理」が隠れているものですし、一見遠回りに見えても、私は、現在これが一番の近道であると思っています。

では、何を、どうやって認めるのかという事ですが、「認める」にも3つの段階があります。

  • 存在を認める
  • 行動を認める
  • 成果・成長を認める

です。

この「認める」についてはまた、お話したいと思います。

プレイングマネージャーの育成①

カンパニーコーチの青木栄明です。

私は日頃から企業のリーダー育成に関わらせていただいているのですが、今日は、「プレイングマネージャーの育成」という事についてお話ししたいと思います。

時代の変化やコロナ禍によって、私たちの生活様式も変わる中、企業における組織運営にも変化が求められています。

そして、企業存続・発展の鍵となるのがミドルマネージャー(中間管理職)の存在です。

なぜなら、現場に一番近いリーダーであり、彼らの部下に対する関わり方によって、パフォーマンスが大きく変わってくるからです。

しかしながら、日本企業におけるミドルマネージャーは、ほぼほぼプレイングマネージャーであり、プレイヤーとしての重責を担いながら、部下のマネジメントをしなくてはならないという状況に置かれています。

またさらに、コロナ禍によって直接対話の機会が減少し、その上で部下の成長を促し、チームとしてのパフォーマンス向上を迫られているのです。

このようにミドルマネージャーを取り巻く状況は難問だらけなのですが、実はそれ以上に大きな問題があります。

それは「プレイングマネージャー」であることが、会社側やミドルマネージャー双方にとって「変化を起こさない言い訳」になっている事です。

会社側にとっては「自分が経験したことのない問題」に対し、正解を持っていない上、ミドルマネージャーのプレイヤーとしての役割に大きな価値を感じている為、あまり強く言えない、負担を強くする事によるパフォーマンス低下を招きたくないという思いがあります。

また、ミドルマネージャー側もそれがわかっているので本当の意味で「変わる必要性」を感じず、現状維持が続くという状況が作り出されているのです。

「わかっちゃいるけど、変われない」というのは、このように「お互いの利害」が噛み合う結果によって生まれているのです。

「変わらない」言い訳をなくすには?

では、「変わらない理由」がある中でどうやってこれからの時代に合ったミドルマネージャーを育成してゆけば良いのでしょう?

まず考えるべき事は「企業」や「ミドルマネージャー」双方も「未来予測」の中から「健全な危機感」を抱き、「変わる」事の必要性を理解する、納得するということです。

どういう事かというと多くのプレイングマネージャーがプレイヤーとしての役割に重きを置いて働き続けるとまず、プレイヤーとしてのパフォーマンス低下という問題が起こってきます。

加齢によるスキルの低下はどんな人間でも避ける事が出来ず、そこで勝負し続けてゆこうとすると将来辛くなるからです。

また、スキルに関しては、今後も新しいプログラミング言語が登場してくることが予想され、得意分野が「オワコン」になって行くリスクもあります。

更に言うと、AIの発達により、ますます活躍する分野が狭くなってゆく可能性もあるのです。

そうすると部下は育たず、プレイヤーとしてのパフォーマンスが落ちてゆくわけですから、会社としても非常に困ったことになるのではないでしょうか?

また、プレイングマネージャーが個人としても考えておかなくてはならない事もあります。

それは「長生きリスク」です。

日本人の平均寿命は未だに上昇傾向が続いており、人生100年時代が現実になろうとしています。

「長く生きる」という事は、それだけ「お金」が必要になり、今所属をしている会社で「定年」を迎えた後も20年くらいは働く必要性が高まってきたと言えます。

この、定年後も「働く」という事から考えると2つのアプローチが考えられます。

一つ目は「時間を売る」という考え方でもう一つは「価値を売る」という考え方です。

果たして、どちらが良いのでしょうか?

私は「価値を売る」という働き方の方が断然良いと考えています。

それは、「時給×時間」でお金をいただくより、価値でお金をいただくわけですから、個人としての生産性はもちろん、自由度も高くなると思うからです。

確かに技術者としての価値を売る事も可能だと思いますが、私はプレイングマネージャーが獲得できるもう一つの価値の方に目を向けていただきたいと思っています。

それは、部下を育てる力やチームのパフォーマンスを向上させる事の出来るリーダーとしての価値です。

なぜならば、世の中に起きる大半の問題は「人が起こす」ものであり、未来永劫なくなる事はありません。

そして、これは組織内においても同様であるからです。

従って、人の問題に適切に対応でき、チーム力を向上させることができる「経験と知見」は、企業のみならず、社会から求められる大きな価値であり続けるという事です。

もちろん、「昔取った杵柄」でいつまでも勝負しようという姿勢ではなく、謙虚に「経験と知見」を更新し続ける必要はありますが、その手段は「覚えたり」、「体を使って体現する事」ではないので、衰える事は基本的にはありません。

基本的に「学び続ける意思」と「考える力」「感じ取る力」「コミュニケーション能力」「新しいことに挑む意欲」があれば、
いつまでも活きた「経験、知見」として存在し続けてゆきます。

以上の事から、プレイングマネージャーがリーダーという役割に本気で向き合う価値があるという事はおわかりいただけたのではないかと思いますが、時間的な制約が多い中でどうやってリーダー能力を身に付けて行けば良いのでしょう?

私は

  1. コミュニケーションの生産性向上
  2. コーチング能力
  3. 個別対応
  4. グラデーション型育成
  5. リーダーコミュニティ

の5つが鍵であると考えています。

これについての詳細はまた次回お話したいと思います。