研修の生産性を高める方法
今日は「研修参加者の動機づけ」をどのように高めるかについて考えてみたいと思います。
日本企業では階層に応じた研修の参加を義務付けているところも多いと思いますが、研修を「投資」と捉えた場合、それに見合ったリターンがあるか?については疑問を感じる事が多いのではないでしょうか?
その大きな要因となっているのが参加者の受講に対する「動機の弱さ」です。
どういうことかと言いますと、参加者の多くは「研修なんか参加している場合じゃないんだよ」「忙しいのに・・・」「仕事がしたいのに・・・」「しょせんは机上論だろ?」など、本心では、少なからず不満を抱えながらも、会社から言われて、仕方なく参加されている方が多いという事です。
中には「高い意識」を持って何か吸収してやろうと意欲的に参加される方もいるとは思いますが、そういう方は、基本的には既に「良い上司」であり、会社としては、そうでない方の方を変えたいという思いの方が強いはずです。
研修会社も参加者の動機が低い事は前提として、コンテンツに様々な工夫を凝らし、参加者を飽きさない仕掛けや「参加して良かった」と思ってもらえるような内容のものを用意して研修に臨んでいます。
その結果、最初は嫌だったけれど、参加してみたら、「意外と良かった」という感想を持たれる方も多いのですが、研修が良かったからと言ってそれが現場でその後「活きる」のか?と言うと、残念ながら、そうはなりません。
それは、新しい試みを職場で行うには、相手方である「部下」の協力がないとうまくいかないからです。
例えば、よくあるのが研修から帰ってきた上司が変った行動をとると、部下たちはそれを「好意的」に捉えるよりも、けげんな表情や戸惑いを見せる事も多いと思いますし、場合によっては冷たい反応や抵抗を見せる場合もあります。
そうすると「あれっ?研修の時はうまくいったんだけれど・・・」「話が違うじゃないじゃないか!!」と意気消沈して、あっという間に以前の状態に戻ってしまうのです。
なので、学びを職場で活かすにはそれ相当の決意や思いがないと難しいという事です。
一般的な研修では参加者に「HOW TO」を教える事が多いと思いますが、研修の生産性を上げる為にまず考えなくてはいけない事は、参加者のマインドセット、つまり「学ぶ動機付け」です。
それは結論から言うと参加者が研修での「学び」を「自分事」として考えられるように導けるかどうか?に尽きると思います。
私たちは、日常において目の前の事に追われる日々を送っています。
そして、気が付くと歳をとって、社会人としての終わりが段々近づいてくる。
でも、リアリティを持って、「終わり」に備え、準備している方は「稀」です。
なぜなら、「ゆでガエル」の話にあるように変化ははっきりとわかるようには起こらず、非常に緩やかに深層から進むからです。
基本的に変化を嫌う私達にはある意味強制的に意識を常に未来に向け、リアリティを持って備えるしか、変化に対応する事が出来ません。
まだ先の事だと思っているうちに手遅れになってしまうのです。
だから、日常の連続性が断絶する研修は絶好の機会であり、「変化」を意識し、「変化」に備える必要を感じてもらえる良い機会なのです。
では、どのように目を向けさせ、変化を促進するのか?という事ですが、私の研修では、
- 世の中の未来予測
- 自身のありたい姿(理想像)
- 会社を卒業する時の理想の状態
- ありたい姿、卒業時の理想の状態と「現状のギャップ」=問題
- 最悪の未来(会社を卒業する時に避けたい未来)
- 課題とアクションプラン
- 実行フォロー(個別コーチング)
- アクションの振り返り、内省
- リプランニング
- 実行
と言う流れを6ヶ月プログラムとして作って、自分の未来に向かっての行動を継続して行う仕掛けを提供しております。
研修に参加した人が職場で変化を起こすためには、ある意味孤独な闘いを強いられる事になりますが、「プロコーチ」による個別コーチングがセットされている事で参加者を勇気づけ、行動を継続する事に対し、有効に機能しています。
参加者にとって大切な事は、改善を継続する中で成果に繋げてゆくという事はもちろんの事、「自身の付加価値」向上にもつながります。
会社に従属的に身を任せる時代は既に終わっており、ビジネスマンは仕事を通じて、自分の付加価値を上げるという視点に立って、会社と付き合う時代になってきています。
私は参加者にプレイングマネージャーという立場をフル活用し、自分の付加価値を上げて欲しいといつも伝えております。
自分の未来に今が繋がると言う風にリアリティを持って考えられれば、参加者の研修に臨む姿勢も変わるはずだからです。
もし、研修の在り方、進め方に疑問をお持ちでしたら是非一度ご相談いただければと思います。
必ずやお役に立てると思います。