部下の主体性を覚醒させるには④

今日は「自信は部分的で良い」についてお話します。

部分的で良いというのは「結果」のみに囚われることなく、プロセスで得たものを大切にしようという意味です。

この話をしたいと思ったのは、研修等を通じて、若い世代の人達に接してきた中で、上手くいかなかった、たったひとつの出来事で自分を全否定するような思考を持った方が多いと感じたからです。

何か一つ上手くいかなかったとしても、それイコール、その人の存在そのものを否定するものではないし、自信を失うべきではありません。

でも、何かあるとすぐ自分を駄目であると思ったり、自信を失うという人が多く、これが、成長を鈍化させるひとつの要因であると私は考えています。

永い間、肯定されるよりも、否定をされる経験が多かった結果によって、このような状況を招いているのではないかと思いますが、人材の育成を考える上で「この問題」について真剣に考えないと、どんなに素晴らしい教育を提供しても付け焼刃で終わってしまいます。

なぜなら、チャレンジに対し、上手くいかない事の方が圧倒的に多く、それでも行動を止めない事が大切だからです。

では、何から考えるか?という事ですが、まずは、部下の出来た事、気づいた事に上司が目を向ける、そして、部下の目を向けさせることが大切です。

仮に望んだ成果がなかったとしても、行動した結果、得たことが必ずあるはずです。

私たちは、ついつい上手くいかなかった要因や課題に意識を向け、ダメだった理由を考え、「反省」をしようとしますが、こればかりですと何より、モチベーションが上がりませんし、「自信」の獲得に繋がりません。

例え結果が出なかったとしても行動の中で気づいた事、わかった事を「意味がある事である」と取り上げ、積み上げてゆけば結果以外にも意味を見出すことができ、「部分的な自信」を獲得してゆく事が出来ます。

私たちは、ダメなところを取り上げ、「反省」するのは、得意ですが、肯定的に物事を捉えてゆくのは比較的苦手です。

でも、今私たちに必要なのは「活力」であり、閉塞感をぶち壊すエネルギーです。

このエネルギーを生み出すためにも一人一人が「部分的な自信」を積み重ねてゆく事はとても重要ではないでしょうか?

何事も一所懸命行動すれば成果に繋がるシンプルな時代ではなくなってきました。

 そろそろ、目先の結果だけに囚われる習慣を手放し、中長期に物事を考えられる国にしてゆきたいものです。

そのためには、まず日常に「肯定の言葉」を溢れさせてゆく事です。

そして、まず手をかけるべきは「自分」から。

リーダー自らが自身の事を肯定的に捉えるように日々意識してゆく事です。

そうすれば、自分も効果を実感できると思いますし、どうやって。部下を肯定すれば良いかがわかってゆきます。

今日は「自信は部分的で良い」についてお話ししました。

次回は自信の「揮発性と積み立て」についてお話ししたいと思います。