若手経営者がエグゼクティブコーチングを受ける理由

エグゼクティブコーチング
最近、若手経営者の方からエグゼクティブコーチングについての問い合わせが増えています。 
年配経営者の方々は俺は良いから、「社員にやってよ」という方が比較的多く、まだまだ、コーチングは理解されていないんだなという思いを持つ事が多かったのですが、若手の経営者や起業家には徐々に「コーチングに対する理解」が浸透してきており、これからどんどん広がってゆくような感じがしています。

では、そんな若手経営者がなぜコーチングを受けたがるのか?と言う事なのですが、圧倒的に多いのが、「これからどうするか?」という問いに対する答えが欲しいからであり、起業して、何とかビジネスにはなってきたけれど「本当にこれで良いのか?」「これがやりたい事なのか?」という疑問が日々脳裏をよぎり、満足していない自分に気が付くからです。
 
 
そういう意味では、答えがない時代だからこそ、目先だけ見て流されるのではなく、自分でしっかり先を見据えて、進んでゆきたいという意思を持つ経営者が増えた事は大変喜ばしい事だと思います。
 
 
なぜなら、こういう意思を持った経営者が増えてゆく事で日本の経済、いや日本そのものが変わって行くはずだからです。
残念ながら、まだ日本では昭和の成功体験や思考を捨てきれずに従来通りの組織運営をしている会社も少なくないと思いますが、人件費を削って利益を生み出すというビジネスモデルから、付加価値を高めて利益を出すという思考が主流に変った時に日本はまた、自信を持てる国になるのではないかと考えています。

そんな時代の到来に向けて一人でも多くの経営者支援をしてゆきたいと考えていますが、今日は私が提供している「エグゼクティブコーチング」の内容について少しお話ししたいと思います。

オーソドックスなやり方はクライアントである経営者の方に様々な話をしていただいてからテーマを設定して行くのですが、クライアントが最初に口にするテーマは「本当の」テーマではない場合が多く、しっかり時間をかけて「聞きこんで」いかないとなかなか「本丸」にたどり着く事が出来ません。

「本当のテーマでない」とはどう言う事かと言うとまだ、「信頼関係のない人に話せる程度の事」と言えば理解しやすいかもしれません。

特に男性の経営者の方にはそういう傾向が強く、一般的には本心、本音を話すというフェーズに到達する迄かなり時間がかかるようです。

思考を整理する時間としてコーチングを活用する経営者も多く、忙しい経営者にとってはそれ自体も中々一人でできない事と言っても良いので決して無駄ではないのですが、時間が限られている中、早く本丸にたどり着き、成果を生むための行動をいち早く起こしていただいた方が満足度は高いので私のコーチングでは、開始前にひと工夫しています。

それは、「マトリクス」を使ったやり方なのですが、経営者ご自身が抱えているもの、つまりどこに時間をかけているか?を全て、マトリクス上に出していただいてから、テーマを設定して行くという手法です。

もちろん、「こういう目的でコーチングを受けたい」という前提があって、スタートするわけですが、それでも、一度抱えているものを全部出していただいてからスタートする方がクライアントが掲げるテーマの優先度合がわかりやすくなり、結果として成果が出やすいのです。

もう少し、通常のやり方との違いを言いますと通常のやり方はクライアントが提示したテーマに対し、コーチと一緒に手探りで進んでゆきます。

これに対し、マトリクスで棚卸をしてからスタートすると上から俯瞰して見れるようになり、どういう手順で進むのが有効か?と言う判断がしやすくなります。車の運転で例えるなら、通常のコーチングが「こっちかな?」など考えて進むところをマトリクスを使ったコーチングでは「NAVI」を見ながら、進んでゆくような感覚が得られます。

ただし、「NAVI」との違いは行先だけでなく、自分で「行き方」を決められるという事です。判断はあくまでクライアントが行い、道中ではなんで進みが悪いのか?速く進むにはどうするか?
もしかして、他に原因があるのか?などより、効率よく進むための対話をしながら進んでゆきます。

マトリクスは緊急性と重要性という二軸で考え、
➀成長領域(緊急でないが重要)
②拡大領域(緊急かつ重要)
③消耗領域(緊急かつ重要でない)
④損失領域(緊急でもなく重要でもない)
という4つの領域で構成されます。

どのように使うかですが、例えば、今渦中にいる「大谷翔平」さんの例で考えてみると大谷さんの期ゴールが仮に「三冠王になる」だと仮定します。

すると今起こっている「元通訳」が起こした問題は「成長の領域」(緊急かつ重要)に入ります。

大谷さん個人がコントロールできる事ではないのですが、新しい環境で良いスタートを切りたいという思いがある中で起きた今回の事件によって受けた衝撃や事件に対するメディア対応などは大谷さんにとって相当なダメージであり、ストレスだと思います。
このようにこの領域には前進拡大する為の項目が入るだけではなく重大なブレーキ要因も入ります。一方「成長の領域」は投手として復活する為の取り組みや身体つくり、ケアであり、今期のパフォーマンスには直接的に関係ない事柄が入ります。

「拡大の領域」は先に上げた事件の対応の他、今期の成績をアップさせるための取り組みである日々の試合参加や打者としてのトレーニング、対戦相手の分析、対策等、今期のパフォーマンスを
上げる為の取り組みが入ります。

「消耗の領域」(緊急かつ重要でない)には今まで「元通訳」に委ねていた事柄などが入ってくるでしょう。
「損失の領域」は大谷さんの場合何も入らないかもしれませんが、通常は好きであるとか得意だからと言う理由で本来は自分がやるべきでない事項や何となく慣習でやっている事が入ります。
明らかに無駄である事です。

このようにマトリクス上に「もれなくダブりなく」というレベルでクライアントが抱えているものを書き出してもらいます。

すると、自分が何に囚われているのか?や障害になっているもの、加速させてゆくべきものが見えてきて今から近未来に向かって、何から着手すれば良いかが明確になります。

着手順番に関するセオリーはありませんが、基本的には緊急性の高く、重要でない事項の軽減から着手するのがお勧めです。
なぜなら、緊急かつ重要の領域や緊急でなく重要の領域に対する行動の量や質に影響しているからです。
大谷さんの事例ではまさしくそうですよね。
ここまでやるだけでも十分価値がある事なのですが、さらに各領域毎に対し「コーチ」と対話をしながら進めて行くので場当たり的でない、エグゼクティブとして本当に取るべき行動が見えてきます。

私は経営をよく車の運転に例えるのですが、前進しようと思ってアクセルを全開にしてもサイドブレーキを引いたままでは効率よく進むこともできませんし、体力も消耗してしまいます。
でも、こういう事はご本人だけでは意外と気付かないものです。

立ち止まって俯瞰して客観的な視点を得る事で燃費の良い運転にシフトできますし、目的地へ着く為の最短で到達する道筋を見つける事が出来ます。

ある意味エグゼクティブコーチは対話をしながら道筋を見つけるためのナビゲーションシステムと言っても良いかもしれません。 
 
マトリクスを使ったコーチング。

もし、ご興味がありましたら、一度体験してみませんか?