岡目八目とエグゼクティブコーチング

エグゼクティブコーチング

突然ですが、
「岡目八目」ということわざをご存じでしょうか?

囲碁で実際に対局している人より野次馬として「傍」から見ている人の方が八目も先まで手を見越せるという意味から、事の当事者よりも、第三者のほうが情勢や利害得失などを正しく判断できることを例えた「ことわざ」です。

「ことわざ」になるくらいなので私たちの日常でも「岡目八目」は良く起こります。

身近な例で言うと恋愛なんかはその最たるものでしょう。
「あの人はやめた方が良いのに。」と周囲は思っているのにヒモの様な人物に溺れてしまう人の話は昔からよく耳にします。
恋愛に限らず、自分が「こうだ」と思ったものに目を奪われて、視野が狭くなり、冷静な判断が出来なくなってしま事は人間であれば良く起こりうることです。

ではなぜ、当事者は目の前のモノに囚われてしまうのでしょう?

有力な説として挙げられているのは私たちの脳が自分にとって都合の良い情報しか意識下に置かないように選んでいるからなんだそうです。
私たちの脳が持っている情報処理能力は受け取っている情報が4000億ビット/秒に対し、処理しているのは2000ビット/秒。
つまり、2憶分の1の情報しか処理していないという事です。

言い換えると、自分にとって都合の良い情報以外は見なかった事にしているとも言えます。
「可能性は∞である」という事が良く言われますが、その根拠の一つは、この莫大な「失われた情報」にあるという事でしょう。
であれば、可能性を広げる一番シンプルな行動はこの「なかったことにしている情報」に目を向ける事。

でも、自分一人ではできないのでここで「コーチの出番」という訳です。

「子供達が早く大人になりたいと思う社会創りに貢献する」と言うのが私のミッションであり、身近な大人を格好良くしてゆこうという事でプレイングマネージャーの育成をしていますが、今期からは平行して「若手の経営者」(年齢で区切るのではなく挑戦意欲のある方)の支援に力を入れてゆく事を決めました。

なぜかと言うと実は最近、様々なご縁があって、スタートアップの方も含め、若い経営者の方にお会いする機会が増えてきからです。
そんな方々のお話をお聞きしていると自然と彼らを応援したいと思う気持ちが強くなってきました。

未来を創るという意欲と勇気そして決断力、行動力、さらに魅力的な構想。

聞いているこちらがワクワクするくらい躍動感があります。

日本を元気にしてくれるのは彼らであり、日本の未来は彼らにかかっているんだなと心から感じます。
私はそんな彼らに安心して未来を託せるように自分が出来る事をしてゆくつもりですが、選球眼はしっかりと持って支援して行くつもりです。
つまり、応援する人を選ぶという事です。
選ぶと言うと偉そうに聞こえるかもしれませんが、自分の利害しか考えない方は応援する気にはなりません。
私が応援する経営者は私が心から応援できる人。「志」や自分なりの「貢献意欲」がある人です。

「少年よ大志を抱け」ではないですが、それが「おぼろげ」な「思い」であっても遠くに目指すものがあり、チャレンジしようという方には魅力があります。

4月から3名の方の支援を開始しておりますが、今期はあと7名の方を支援する予定でおります。

これから、どんな魅力ある経営者に会えるのか?とても楽しみです。

若手経営者がエグゼクティブコーチングを受ける理由

エグゼクティブコーチング
最近、若手経営者の方からエグゼクティブコーチングについての問い合わせが増えています。 
年配経営者の方々は俺は良いから、「社員にやってよ」という方が比較的多く、まだまだ、コーチングは理解されていないんだなという思いを持つ事が多かったのですが、若手の経営者や起業家には徐々に「コーチングに対する理解」が浸透してきており、これからどんどん広がってゆくような感じがしています。

では、そんな若手経営者がなぜコーチングを受けたがるのか?と言う事なのですが、圧倒的に多いのが、「これからどうするか?」という問いに対する答えが欲しいからであり、起業して、何とかビジネスにはなってきたけれど「本当にこれで良いのか?」「これがやりたい事なのか?」という疑問が日々脳裏をよぎり、満足していない自分に気が付くからです。
 
 
そういう意味では、答えがない時代だからこそ、目先だけ見て流されるのではなく、自分でしっかり先を見据えて、進んでゆきたいという意思を持つ経営者が増えた事は大変喜ばしい事だと思います。
 
 
なぜなら、こういう意思を持った経営者が増えてゆく事で日本の経済、いや日本そのものが変わって行くはずだからです。
残念ながら、まだ日本では昭和の成功体験や思考を捨てきれずに従来通りの組織運営をしている会社も少なくないと思いますが、人件費を削って利益を生み出すというビジネスモデルから、付加価値を高めて利益を出すという思考が主流に変った時に日本はまた、自信を持てる国になるのではないかと考えています。

そんな時代の到来に向けて一人でも多くの経営者支援をしてゆきたいと考えていますが、今日は私が提供している「エグゼクティブコーチング」の内容について少しお話ししたいと思います。

オーソドックスなやり方はクライアントである経営者の方に様々な話をしていただいてからテーマを設定して行くのですが、クライアントが最初に口にするテーマは「本当の」テーマではない場合が多く、しっかり時間をかけて「聞きこんで」いかないとなかなか「本丸」にたどり着く事が出来ません。

「本当のテーマでない」とはどう言う事かと言うとまだ、「信頼関係のない人に話せる程度の事」と言えば理解しやすいかもしれません。

特に男性の経営者の方にはそういう傾向が強く、一般的には本心、本音を話すというフェーズに到達する迄かなり時間がかかるようです。

思考を整理する時間としてコーチングを活用する経営者も多く、忙しい経営者にとってはそれ自体も中々一人でできない事と言っても良いので決して無駄ではないのですが、時間が限られている中、早く本丸にたどり着き、成果を生むための行動をいち早く起こしていただいた方が満足度は高いので私のコーチングでは、開始前にひと工夫しています。

それは、「マトリクス」を使ったやり方なのですが、経営者ご自身が抱えているもの、つまりどこに時間をかけているか?を全て、マトリクス上に出していただいてから、テーマを設定して行くという手法です。

もちろん、「こういう目的でコーチングを受けたい」という前提があって、スタートするわけですが、それでも、一度抱えているものを全部出していただいてからスタートする方がクライアントが掲げるテーマの優先度合がわかりやすくなり、結果として成果が出やすいのです。

もう少し、通常のやり方との違いを言いますと通常のやり方はクライアントが提示したテーマに対し、コーチと一緒に手探りで進んでゆきます。

これに対し、マトリクスで棚卸をしてからスタートすると上から俯瞰して見れるようになり、どういう手順で進むのが有効か?と言う判断がしやすくなります。車の運転で例えるなら、通常のコーチングが「こっちかな?」など考えて進むところをマトリクスを使ったコーチングでは「NAVI」を見ながら、進んでゆくような感覚が得られます。

ただし、「NAVI」との違いは行先だけでなく、自分で「行き方」を決められるという事です。判断はあくまでクライアントが行い、道中ではなんで進みが悪いのか?速く進むにはどうするか?
もしかして、他に原因があるのか?などより、効率よく進むための対話をしながら進んでゆきます。

マトリクスは緊急性と重要性という二軸で考え、
➀成長領域(緊急でないが重要)
②拡大領域(緊急かつ重要)
③消耗領域(緊急かつ重要でない)
④損失領域(緊急でもなく重要でもない)
という4つの領域で構成されます。

どのように使うかですが、例えば、今渦中にいる「大谷翔平」さんの例で考えてみると大谷さんの期ゴールが仮に「三冠王になる」だと仮定します。

すると今起こっている「元通訳」が起こした問題は「成長の領域」(緊急かつ重要)に入ります。

大谷さん個人がコントロールできる事ではないのですが、新しい環境で良いスタートを切りたいという思いがある中で起きた今回の事件によって受けた衝撃や事件に対するメディア対応などは大谷さんにとって相当なダメージであり、ストレスだと思います。
このようにこの領域には前進拡大する為の項目が入るだけではなく重大なブレーキ要因も入ります。一方「成長の領域」は投手として復活する為の取り組みや身体つくり、ケアであり、今期のパフォーマンスには直接的に関係ない事柄が入ります。

「拡大の領域」は先に上げた事件の対応の他、今期の成績をアップさせるための取り組みである日々の試合参加や打者としてのトレーニング、対戦相手の分析、対策等、今期のパフォーマンスを
上げる為の取り組みが入ります。

「消耗の領域」(緊急かつ重要でない)には今まで「元通訳」に委ねていた事柄などが入ってくるでしょう。
「損失の領域」は大谷さんの場合何も入らないかもしれませんが、通常は好きであるとか得意だからと言う理由で本来は自分がやるべきでない事項や何となく慣習でやっている事が入ります。
明らかに無駄である事です。

このようにマトリクス上に「もれなくダブりなく」というレベルでクライアントが抱えているものを書き出してもらいます。

すると、自分が何に囚われているのか?や障害になっているもの、加速させてゆくべきものが見えてきて今から近未来に向かって、何から着手すれば良いかが明確になります。

着手順番に関するセオリーはありませんが、基本的には緊急性の高く、重要でない事項の軽減から着手するのがお勧めです。
なぜなら、緊急かつ重要の領域や緊急でなく重要の領域に対する行動の量や質に影響しているからです。
大谷さんの事例ではまさしくそうですよね。
ここまでやるだけでも十分価値がある事なのですが、さらに各領域毎に対し「コーチ」と対話をしながら進めて行くので場当たり的でない、エグゼクティブとして本当に取るべき行動が見えてきます。

私は経営をよく車の運転に例えるのですが、前進しようと思ってアクセルを全開にしてもサイドブレーキを引いたままでは効率よく進むこともできませんし、体力も消耗してしまいます。
でも、こういう事はご本人だけでは意外と気付かないものです。

立ち止まって俯瞰して客観的な視点を得る事で燃費の良い運転にシフトできますし、目的地へ着く為の最短で到達する道筋を見つける事が出来ます。

ある意味エグゼクティブコーチは対話をしながら道筋を見つけるためのナビゲーションシステムと言っても良いかもしれません。 
 
マトリクスを使ったコーチング。

もし、ご興味がありましたら、一度体験してみませんか?

キンコーズ渡辺社長が語ったコーチングの真髄

以前お伝えした通り、オンラインイベントでキンコーズの渡辺社長と対談しました。

渡辺社長は一年間、コーチングを受けた後、現在、ご自身もコーチングを学んでおられ、幹部社員との定期的な1on1によって、会社の風土を自ら変えてゆく活動をされています。

なぜ、渡辺社長がここまでコーチングに惹かれていったのかという事ですが、コーチングを受けてみて、コーチングの真髄に触れることができたからだそうです。

その真髄とは何かというと「自分をエグル」という事だそうです。

「自分をエグル」とは、もしかして「ドM」?と思われたかもしれませんが(私だけか?)、そうではなく、自分自身と「とことん向き合う」という意味です。

改めて、「自分をエグル」という言葉をかみしめてみると、「コーチング」の核心を突く、素晴らしい表現だなと感じました。

一般的に経営者の方々にコーチングをお勧めした時に還ってくるのは、「何をしてくれるの?」または「何をされるの?」もっと言うと「なんで、私がコーチをされなきゃいけないの?」と言う反応です。

これは、従来のスポーツコーチ等による上下関係のイメージが強いのと「コーチング」を言葉で説明するのが難しいので、誤解されやすいという事が原因だと思われます。

また、何をやるかは理解できたとして、自分で自分をエグルのに、なんでわざわざ他人にお金と時間を投資しなくてはならないの?というのも良く抱かれる疑問かもしれません。

ですがここに「コーチ」をつけることの意味があります。

どういうことかと言うと、自分だけでは自分をエグレないからです。

と言うのは、私たちにはそれぞれ、考え方や思い方に「癖」があり、何も刺激がないと一定の枠の中で思考するようになり、固定しがちになるからです。

そして、その「癖」は自分を無意識に正当化する「癖」であり、自分を守るための「癖」でもあります。

なので、時折コーチを使って、本当にそうなのか?なぜなのか?他にはないのか?を深く掘り返して思考したり、「ここはどうなの?」「どう考えているの?」「あなたが相手の立場であったら、どう思うだろうか?」など視点を変えてもらう事によって、その人が居る「安心領域」から引きずり出してもらう事で、視野が広がり、今まで「見えていなかった」、あるいは、「見ようとしていなかった」発見があり、結果として最適な判断ができるようになるのです。

勿論、セルフコーチングと言って、自分で自分をコーチすることもそれはそれで有効ですが、やはり、限界があります。

なぜなら、先ほどお話しした通り、人間には自己防衛本能があり、本当の意味で「自分が見失っていたもの」「見たくないもの」に到達することが不可能に近いからです。

したがって、客観者であるコーチがエグル材料を提供することは、一人ではたどり着けない答えを導くうえで大きな意味があります。

しかし、経営者の方々は総じて多忙です。

とてもじゃないけれど、コーチングのために時間は取れないよというのも理解できますが、多少、無理してでも「定期的に立ち止まった方が結果として早くなる」事も多く、新たなフェーズに向かう上では「コーチを使う」という事にチャレンジをしてみる価値は十二分に「ある」のではないでしょうか?

ちなみに、渡辺社長ですが、次にどんなコーチをつけたいか?という質問に対して「子供も良いかも」とおっしゃってました。

子供なのでコーチングのスキルはないけれど、曇りのない目で見て、素朴に感じた疑問をぶつけられたら、何か、新しい気づきが得られるのではないか?と思ったそうです。

それを聴いて思い出したのが、以前お聞きした、ソフトバンクの孫さんのお話です。

孫さんはなんとコーチを7人つけていて、そのうち一人は女子大生コーチだというお話でした。

コーチングの真髄を理解しているからこそ出てくる発想ですね。

さすがです。