会社経営とコーチング

今度キンコーズ様の渡辺社長とあるオンラインイベントでモデレーターとして対談いたします。

テーマは「会社経営とコーチング」です。

渡辺社長はもともと心理学やコーチングにご興味をお持ちでそれが高じて、コーチングを1年間お受けになったことのですが、実際にクライアントとしてコーチングに触れた中で、その魅力を知り、会社経営に活かしたいと言う思いから、現在はご自身もコーチングを学ばれています。

いつもはプレイングマネージャーに焦点を置いて書いておりますが、実は組織改革に最も早く効果を生むのが、渡辺社長のように経営者の方がコーチングを受ける事なんです。

では、コーチングとは何か?といううことですが、イベントの打ち合わせの時に渡辺社長がコーチングについて語った言葉が核心をついた説明になっているのでご紹介したいと思います。

それは、コーチングは「コーチを使って自分をえぐることである」という言葉です。

私も仕事柄、経営者の方と接する機会が多いのですが、こういう認識をお持ちの方は非常に少なく、大半の方が「私はいいから、社員をやって欲しい」「コーチングって何をしてくれるの?」という方が圧倒的に多いのが実情です。

もちろん、コーチングの認知度はまだまだ低いですし、仰ることもよくわかります。

たしかに、社員の方に対するコーチングも有効ではありますが、経営者がコーチングを受けることで生み出されるものと比較したら、その「破壊力」はけた違いです。

コーチングは、クライアント自身がコーチとの対話の中で「自分のあり方や思い」などについて、日常ではなかなか作れない「自分と向き合う」時間を作ることによって内省し、奥底にある「答え」を見つけ出すことで、新たな行動に繋げてゆく事に大きな意味があります。

特に経営者の方は影響力が大きいので、社長が気づきを得て変ったことで、今まで変化しなかった社員たちが変わるという事が良く起こるのです。

例えば、典型的なワンマン経営で指示命令で部下を動かす事しかできず、YESマンだらけの組織になった会社が、社長がコーチングを受けたことで、部下へのかかわり方が変わり、会社自体が大きく変容した例があります。

それまでは、いつも社員批判を繰り返していた人が、「社員が率先して動いてくれるようになったので楽だよ~」なんて言葉も吐けるくらい大きく変わり、「今までの自分は、ダメ社長たった」なんて、素直に自分を話せるくらい器が大きな社長になられています。

こうお話しすると「コーチング」を受ければ、必ず良いことがあるという風に伝わるかもしれませんが、ただ受ければ良いわけではなく、「どういうスタンスで受けるか?」によって果物は大きく変わります。

それは先ほど渡辺社長が仰った「自分をえぐる」勇気を持って臨めるか?という事です。

「本音」や本当は気づいているはずの「自分の弱いところ」や「ダメなところ」と向き合うのはとても勇気のいることで、コーチとの信頼関係があったとしてもなかなかできないことでもあります。

良く私は「鎧を脱ぐ」という表現をしますが、私たちは大人になるにつれて「多くの鎧」を身に付けて生きるようになり、自分を偽って生きることにも慣れてゆきます。

この鎧が自分の「ありたい姿」や「あるべき姿」を遠ざけ、「本当はどうすべきか?の答え」を自分の中に奥深く、埋もれさせてしまうのです。

コーチングではコーチとクライアントが共同作業で「このような鎧」を時間をかけて、一枚一枚一緒にはがしてゆきます。

そうすると自分はどうしたら良いのか?という答えをクライアント自身が発見し、行動に至ることで大きな成果を生むようになるのです。

鎧が重ければ重いほど、脱げたときの恩恵は大きいでしょう。

今回は経営者がテーマになりましたが、どなたでも「本気で自分を変えたいという思い」があれば、コーチングは大きな力になりますし、周囲との関係性を大きく変えるきっかけにもなります。

最近、「このままではいけない」「何かやらなくては?」と思う事が多くなったなとお感じになりましたら、一度コーチングをお試しになってはいかがでしょう?

きっと、今まで見えなかった「答え」が手に入ると思います。