行動を認める
前回は部下の「存在を認める」と言うお話をしました。
今回は、「行動を認める」についてお話ししたいと思います。
まず、どうして「行動を認める」という事が大切なのか?と言う事ですが、それは「成長」に大きくかかわってくるからなんです。
「成長」とは何か?をシンプルに表現すると、私は、
- わからなかったことがわかるようになる(知識、視野、視座、感情、思考)
- 出来なかったことが出来るようになる(スキル、知識、思考)
- 出来ていたことがもっと旨くなる(スキル、知識、思考)
の3つであると思っています。
この3つは何かしら、行動が伴う事で初めて確認できる事です。
なので、部下の行動を注意深く「観察」する必要があるのです。
観察と言うと大げさに聞こえるかもしれませんが、部下がいらっしゃる方でしたら、部下に対し、「おっ!!」と思う事は少なからずあるはずです。
これは、私がコーチングや研修において、多くのマネージャーの方々に関わらせていただいた時にいつも感じることで、グループワークなどで対話の機会を作ると意外なほど多く出てきます。
なので、思ったより「部下の事を良く見ているんだな」というのが私のマネージャーさん達に対する印象です。
ただし、ただし・・・・・「次の一歩」がないんです。
それは部下に「伝える」という事です。
せっかく、部下の変化をキャッチできているのに「伝えない」のは非常にもったいない。
極端な事を言うと、うまく「変化をキャッチ」出来ていなかったとしても、例えそれが「思い過ごし」であったとしても「伝える」事の方が大切です。
なぜなら、部下は上司からどう思われているのか?について、とても関心があるからです。
何も伝えなければ、部下は「上司は自分のことをどう思っているのだろう?」「認めてもらえているのだろうか?」疑心暗鬼になってしまいます。
そうすると、いつまでたっても心理的な距離は縮まらず、警戒心から、自己防衛本能が働き、余計な事はやらないでおこうと考え、結果、成長も鈍ってしまいます。
なので、気が付いたら、感じた事をそのまま伝えるという事に慣れて欲しいのです。
ちなみに、これは部下に対してだけでなく、子供やパートナーに対しても有効です。(なおの事、できないですかね(笑))
それから、伝える上での大切なポイントがあります。それは
- 鮮度
- 事実を伝える
- アイメッセージ
の3つです。
まず「1」の鮮度ですが、伝える時は「新鮮なうちに」と言うのが大原則です。
気が付いたら、早め伝えないとお互いに「忘れてしまう」からです。
これは、注意する時も同様です。
後で言われると「心当たりがなくなってゆく」ので、素直に相手の言葉を聴けなくなりがちです。
「2」「3」は特に「褒めるのが苦手」と言う方にお勧めです。
「やり方変えてみたんだ?」「工夫したんだね。良いと思うよ」と言うように変化を捉えて、そのままを言い、(私は)良いと思うよと伝える。
たった、それだけです。
それでも、直接本人に口頭で伝えるのは・・・・と言う方は「スラック」等のチャットを使って伝えるのもありですし、直接本人に言うのではなく「周囲の人に伝える」のも有効です。
これはまた別に機会に詳しくお話ししますが、直接、言われるよりも「●●さん、君の事褒めてたよ~」などと間接的に言われた方がうれしいという人も少なからずいるからです。
基本的には「直接伝える」という事をお勧めしますが、どうしても難しいと言う方は、自分にあったやり方で部下の行動変化を認めてあげてください。
できれば、これも習慣づけする為に1日1回「伝える」を目標にすると「なお可」です。
最初の内は、何を伝えたら良いか見つからず、苦慮するかもしれませんが、コツを掴むとできるようになります。
コツを掴むには、気のせいでも良い、間違っても良い、と言う風に考え、ひたすら「感じた事を伝える」事が重要です。
これは、私がファミレスの店長時代に実行したことでもあり、その効果は実証済みです。
日々の声掛けが、後で大きな喜びに変わります。
是非、実行してみて下さい。
次回は「コミュニケーションの生産性」の2つ目テーマ「繋がる」についてお話しします。