最近、あなたの周囲にも、コーチを名乗る人、コーチングを受けている人が増えてきているのではないでしょうか?
そういう意味では、もはや、コーチングは怪しい、「なんだかわからないもの」から脱却しつつあると言えます。
ある意味、喜ばしいことであると思っております。
さらに、お手軽な料金でコーチングを提供してくれる業者が出てきましたので、コーチングに対するハードルは随分と低くなったのではないでしょうか。
それはそれで、大変結構な事なのですが、私は、コーチングを広めてゆきたいという思いと共にコーチングが持つ可能性と「本当の価値」を理解して欲しいという考えもありますので、コーチングを受ける際のいくつかの注意点を書かせていただきたいと思います。
これから、コーチを付けたい、コーチングを受けたいという方がいらっしゃいましたら、参考にしていただけたら幸いです。
コーチング受ける目的を明確にする
先ほど、お手軽な料金で提供してくれる業者さんが増えてきたというお話をしましたが、コーチングを広めようという心意気は素晴らしいし、良い取り組みをしているなと思います。
ただし、少し考えていただきたいのです。
「安い」という事はどう言うなの事なのか?という事です。
あなたが、ちょっとした悩み相談に乗って欲しいというのであれば、是非活用すべきですし、どんどん利用すべきであると思います。
自分の話を聞いてもらったことによる、つかの間の安心は手に入るでしょう。
ただし、重要なのは、あなたが抱える問題の本質は何か?という事です。
ここにフォーカスしない限り、本当の意味で「悩み」は解決しません。
悩みや愚痴を聞いて欲しいだけなら、それでも良いでしょうが、今ある問題を解決して、自分の未来を切りひらいてゆくという目的があるのであれば、受けるべきコーチングとコーチが変わります。
経験上、クライアントが口にする問題や課題は、表面的なものであり、「本当の問題、課題でない」場合が多く、一回30分程度話をするセッションでは、表面的な行動の方向性は見えても本来あなたが求めている解決には至らない事が圧倒的に多いのです。
なぜなら、人はそう簡単に「本当のことを」話さないものだからです。
だから、問題を解決して真の成果を手に入れたいのなら、30分程度話をして「あー、スッキリした!!」になってはいけないのです。
一回数千円のコーチングは安価で利用しやすいのは事実ですが、安易に利用するのではなく、
ご自身の目的を明確にし、どういうサポートが必要なのか?をしっかりと考え、臨む方が良いと思います。
結果を急がない
コーチングは魔法の箱ではありませんので、一回受けて人生が変わる事はありません。
実際に効力を発揮するには、ある程度時間がかかります。
何で時間がかかるのかと言うとコーチとの間に「信頼関係を築く時間」が必要だからです。
信頼関係とは、ある意味「心の内の全てを話せる」という事になりますので、そう簡単に築けるものではありません。
クライアントがコーチに対し、心の内を話せるようになるのと同じで、コーチも感じた事を率直にクライアントに伝える必要があります。
そこにはある意味「勇気」が必要です。
それは、コーチにとっては、伝えにくいことであっても、クライアントの痛いところを突く「勇気」であり、クライアントもそれを受け取る「勇気」です。
「勇気」を発揮出来るようになるには、背景に「クライアントの為になるならば」というコーチの思いと「自分の為に言いにくいことを言ってくれる」というクライアントの思いが噛み合わなくてはいけません。
それを支えるのが「信頼関係」です。
コーチングが機能するのは、コーチとクライアントに「信頼関係がある事」が前提である事を忘れないでください。
セッション=コーチングではない
一番初めに安価なサービスについての是非を話しましたが、その理由がこれです。
コーチングの本質は、クライアントの成長に向けた意識変容と行動変容にあり、それを促進するのが継続的な行動です。
つまり、セッションの間においてクライアントが自発的に行動する事こそ、一番大切な事なわけです。
コーチングを受けたら、コーチを付けたらすべてがうま行くのではなく、自分で決めた事を実行してゆく事によって、ブレイクスルーを起こせるというわけです。
なので、コーチングにおいて、一番重要なのは、「セッションとセッションの間」で何をしたか?であると認識してください。
コーチ=先生ではない
コーチとクライアントも人間同士なので、必ず相性があります。
これは、最初に会った時の印象や「会った時に自分の心に何が起こったか?」を観察する必要があります。
良い相性のコーチ巡りあうためには、なんとなく、理由はなくても「話しやすそうだ」「リラックスできる」など、あなたが関係を築きやすい人かどうかを大切にしてほしいと思います。
ただし、この判断を曇らせる要素が、「教えてもらう」「導いてもらう」という先入観です。
つまり、コーチが「偉い」と思っているからこそ起こる感情です。
これは、後々クライアントのコーチに対する依存心を生み、本来のコーチングの進行を阻害する要因になります。
また、何か「与えてもらえる」という勘違いを起こし、コーチに不満を抱く原因にもなります。
状況によって、コーチはクライアントが望めば、アドバイスはできますが、そこに拘束力はなく、聞くかどうかの判断はクライアントにゆだねられます。
あくまで、コーチはあなたの理想に向かって寄り添うパートナーであり、上下関係はないという事を忘れないでください。
新たに問題提起できるコーチかどうか?
コーチングをある期間続けてゆくとクライアントが自覚するテーマが見えなくなることがあります。
「今日は何話そうかな?」という言葉をクライアントが吐くときです。
クライアントが成果と成長を自覚でき、好調な時や、当初の目的を達成した時に抱く事が多いのですが、その時に、
「あの件はどうなったの?」「この辺はどうなの?」とか「今考えるべきことは?」というようなクライアントが新たな課題を自覚できるように「提起」できるかコーチかどうかも重要な要素です。
クライアントはもしかして、もうコーチを付けなくても良いかもしれないと感じ始めていたとしても、なんらかの課題がある事は間違いありませんし、好調な時こそ次に向けて、考え始めないと後に大問題になる芽が発生したりします。
でも、それが出来ない、ただ惰性で契約を続けているようなコーチングであれば、契約を終了させた方が、お互いにとって良いでしょう。
コーチとしては、コーチングをビジネスとしてやっている以上、契約が続く事は、ありがたいことではありますが、続けることが目的にならないようにコーチ、クライアントとも自制する必要があります。
もし、本当にコーチングは必要ないなと感じた時に「やめましょう」と言えるコーチかどうかも頭の隅に置いておく必要があります。
以上5つのポイントについて書かせていただきましたが、これからコーチを付けたいとお考えの人は、ご参考にしていただけれ他にも考えるべきポイントはあります。
それは、また別の機会にお話しできればと思います。