どんな人でも人生において、少なからず心に傷を負う。
特に幼少期から思春期にかけての傷は、その後の価値観に大きな影響を与える。
中には、過去をこじらせ、傷を抱えたまま生きる人もいる。
それでも、生きてゆく為に、その傷に対し、リアクションを取って、バランスを取りながら生きる。
ただし、バランスのとり方には一人一人「個性」がある。
- 恨んだり、諦めたりして、ネガティブな感情を持ち続けてバランスを取ろうとする人
- 忘れよう、自分を平静に保とうとして生きる人
- 過去の背を向けて、隠して生きようとする人
- 悲劇のヒロインの如く、被害者として生きる人
- 克服して、笑い飛ばして逞しく生きる人
様々だ。
ただ、はっきりしているのは、出来事をどう解釈するかによって、今と未来が決まるという事だ。
よく、「過去と他人は変えられない、未来と自分は変えられる」という言葉を聞く。
でも、「自分なりの解釈で作られている世界」に生きている私たちは、過去も他人も変えられる。
もちろん、起こった事実や人そのものは変えられないが、解釈は変えられるし、「表現する言葉」を選びなおす事もできるという事だ。
例えば、コロナ禍で楽しみにしていた「初めての家族海外旅行」が中止になったとしよう。
Aさん一家は、ぶつけようのない怒りを抱えたまま、「なんて、ついていないんだ。よりによって、何で今年にこんなことが起こるんだ!!」と言う思いを持ち続けて、休暇を過ごす。
子供たちはゲーム三昧で、自分はインターネットで時間をつぶす。
女房は、テレビを見ながら、スマホで何やらやっている。
Bさん一家は、気持ちを切り替えて、せっかくだから、家族一緒にいられる時間を有意義に過ごそうと決めた。
日頃できないような話を沢山する事に時間を使ったり、家族みんなで大掃除をし、料理を作り、楽しんだり、ゲームをしたり、状況を楽しもうとしている。
どちらの家族にも時間は平等に流れる。
あなただったら、どちらを選ぶだろうか?
命が続く限り、時は流れてゆく。
どう生きたいのか、素直な自分に問いかけたら、どのように解釈をするのが良いか?消化するのが良いかわかるはずだ。
人生いつも順調に進むわけではないし、起こった事は変えられない。
であれば、自分の今と未来を大切にしながら、これからの人生を良くするために生きた方が良い。
なぜなら、未来の保証はないからだ。
私たちは、一人一人「個別のタイマー」を背負って生きている。
いつ終わるかもしれない人生、不可抗力で想定しない未来があるかもしれない。
であれば、今と未来を選ぶ自由がある事を忘れずに生きたいものだ。
幸せに生きるコツは、案外身近にあるのだから。