日本人に合ったコーチングを創る③

前回は「自信」を育てるために「自己肯定感(自分の存在価値を認める)」を向上させる必要性と育て方についてお話をしました。

今日は「自信」のもう一つの要素である自己効力感について考えてみたいと思います。

自己効力感を向上させる

自己効力感は「自分が成し遂げたいと思う事をやれる力がある」と信じられる事です。

この「自己効力感」を獲得できるようにするためには、「描く」力とそして「描いたものを」具体的にする事、そして行動力、継続力が重要にあります。

なので、上司としては部下に以下のような視点で関わってゆく事が大切です。

  1. 目的、理由の深堀り
  2. 目標の具体的明確化
  3. スモールステップ
  4. アクションプランの具体化
  5. 成長(小さな変化)に目を向ける

今日は「1.目的、理由の深堀り」について、考えてみましょう。

まずは何と言っても、ここが「肝」になります。

なぜなら、私たちは日常の業務をこなす中で「目的」「理由」よりも「早く着手する事」や目の前の「目標」に関心を置くことが多いからです。

したがって、「そもそもなんで?」という事に関して考える事に慣れていません。

しかし、ここが「甘い」と全てがズレてきて部下の行動が「止まる」ったり、パフォーマンスが落ちる原因になります。

なぜなら、「目標」ばかりに焦点が当たると、それが延々と続くことによって、次第に「義務感」や「強制感」ばかり感じるようになるからです。

「目的や理由」を深堀するのは、部下にとって新しい取り組みが「自分事」といて捉えてもらう為です。

価値観まで堀さげる

では、どこまで掘り下げるのか?という事ですが、部下の持っている「価値観」にたどり着く事が重要です。

「価値観」はその人が大切にしている「考え方」や、何かを決める時の「判断基準」になるものです。

簡単に言うと「良い、悪い」「好き、嫌い」「やる、やらない」を決めているその人なりの「考え方」ですが、今回扱うのは「理想像を描く」上で基準となる「価値観」で「こうありたい」「こうなりたい」の根拠となるものです。

この会社、仕事を通じてどうなりたい?どうありたい?を言語化できると、期限を決めた「目標設定」がしやすくなります。

後は、「価値観」探求をどうやってやるかですが、その人の過去にヒントがあるので、昔の事を「聴きだして」みてください。

ただし、過去の出来事は膨大であり、沢山時間が必要です。

なので、比較的、仕事の中で活きる価値観を聴きだすためには、リアル、二次元問わず、「影響を受けた人」に焦点を当てて質問すると「理想像」が描きやすくなります。

例えば、

  • 今まで出会った人の中で尊敬する人はどういう人?なんで?
  • 好きな歴史上の人物、有名人は?なんで?どういう所が好き?
  • 過去出会った中であこがれた人は?なんで?
  • 先生、先輩や上司で影響を受けた人は?なんで?
  • 好きなアニメのキャラクターは?なんで?

こういう質問を部下に投げてみてください。

そうすると部下自身も「自分が理想とする人物像」を描きやすくなりますし、「なぜそう思うのか?」という価値観も見えてきます。

まずは、「習うより慣れろ」という事で、最初から上手くいかないかもしれませんが、「なんでそう思うの?」と部下が言う事に関心を持って聴きだしてください。

もしかしたら、意外な発見があるかもしれません。

次回は②目標の具体化についてお話しします。