部下に変容を求める前に

教育研修でマネージャーに対し、関わり方や知識、スキルを提供していますが、今最も力を込めてお話ししている事は知識、スキルではなく、「リーダーとしてのあり方」です。

研修で学んだ知識・スキルを活かすためには「信頼関係」があるか否かが最も重要なファクターになりますが、その中で最も大切なのはリーダー自身が成長するための「軸」を持っているかどうか?だと思っています。

簡単に簡単に言うと「部下に言う前に自分はどうなのよ?」という事です。

自分がチャレンジする姿勢を見せなければ、当然部下もチャレンジしようとはしませんし、研修でいくら立派な知識やスキルを身に付けてもそれが機能することはありません。

上司が目先の事ばかりに囚われて、保身に走っていたら、部下は嫌気がさし、その上司を尊敬できなくなりますし、信頼もできなくなります。

勿論、私の専門である「コーチング」的なかかわり方も大切ですが、信頼していない上司が接し方を変えたぐらいでは「ストレス」は減ったとしても、部下の意識・行動は変わらないと思います。

部下に主体性を求めるのでしたら、上司が失敗を恐れずにチャレンジする姿勢を見せる必要があり、失敗したとしてもそこから歯を食いしばって立ち上がる姿勢を見せなくてはいけません。

「自分の事は置いておいて・・・」は通用しないのです。

自分の考え方や行動を変えるという事はとても勇気が要ることでエネルギーも必要になります。

だからこそ、まず上司がお手本を見せないといけないのです。

しかし、私たちは立場が上がるにつれて、プライドが高くなり、自分のダメなところや失敗、弱点を隠そうとします。

隠そうとすればするほど、その姿は滑稽で部下から軽蔑されるばかりでなく、「こんな上司の下ではやっていられない」と退職を助長することにもなりかねません。

なので、リーダーは自分の「滑稽さ」に気が付けるようにならないといけません。

では、どうしたら気が付けるようになるかと言うと、自分が「リーダーとしてどうありたいのか?」を考え、言語化する必要があります。

そして、ありたい姿になるために「どうあるべきか?」という行動指針を具体的に考えるのです。

そして、「それ」を部下に公言し、実行してゆくことです。

これは、相当な勇気がいる事かもしれませんが、その勇気は部下にも伝わりますし、信頼を勝ち取る上で非常に大きな意味を持ちます。

なぜなら、部下に言うという事は「間違ったら言ってくれ‼」という意味に他ならないからです。

これは、自分の成長に対し、代償を払う覚悟があるという事なので、部下にこういう姿を見せられる上司であれば、自ずと部下も上司の期待に応えようとします。

時には苦しさを感じるかもしれませんが、完璧である必要はありません。

弱い所も出して良いし、失敗しても良いのです。

ただ、間違ったら素直に謝り、修正する。

そういう姿を見せてこそ、初めて知識やスキルが活きてくるものです。

もし、プレイングマネージャーが育っていないなとお感じになるようでしたら、知識やスキルの前に「軸を創る機会」を先に与えてあげてはいかがでしょう?

私にチャンスをいただければ、「私自身の軸」もオープンにしながら、参加者と真剣勝負したいと思います。