スマホの登場によって失われたもの「Z世代とミラーニューロン」

Z世代とミラーニューロン

最近読んでいる本に「スマホ脳」という本があります。
スマホの登場によって私たちは「快楽」を手に入れたが、その反面、私たちの「脳」が対応できておらず、うつの増加など「負」の影響も受けているという事を分かりやすく分析している本です。

久しぶりに「なるほど!!」と思う事が多く、良著だなと思っていますので「まだ読んだことないよ」と言う方は良かったら、読んでみてください。

最近、Z世代について取り上げているのですが、また、この書籍によって新たな気づきがありました。
私たちの脳にはミラーニューロンという神経細胞があり、人の行動を真似する事で他者への共感性や感受性を強くする役割があります。

ミラーリングといってコーチングでもクライアントとの共感性を上げるために同じ姿勢やポーズを取ったりするのはこのミラーニューロンの特性を利用したものです。

ミラーニューロンが機能する事で他人の感情や考え方に対する理解力の向上に結びつくのですが、「直接人と関わる」事によって活性化するという特徴があり、画面越しやスマホ越しでは機能しにくいそうです。

つまり、SNSなどリアルで人と関わる機会が減っているZ世代において「他者共感力」や「対人関係における感受性」に課題があると言われるのはこのミラーニューロンに答えがあるのかもしれません。

1990年代にスマホが登場し、Z世代と言われている人達もこの時代に生まれています。

最初から、スマホがあるのが当たり前の環境であり、直接人と関わるよりもスマホでやり取りをする事が多い環境で育っているので、スマホがなかった時代に育った人間にとっては理解しにくい層であるのは当然の事であると言えます。

この事にいち早く気が付き、手を打ちはじめたのがコロナをきっかけに広がったテレワークを積極的に推進した企業です。

GoogleをはじめITの先端を走っているような企業や時代の最先端を走る大手企業がテレワークの廃止も含め、出勤比率を高める施策を打ち出してきたのです。

勿論、他にもメンタル不調やコミュニケーションに生産性低下など様々な問題があっての事ですが、画面越し、スマホ越しのコミュニケーションが増えると利己的なモノの見方になりがちで他者理解、共感性が衰退する事でチーム運営に悪影響があるという事がわかって来たからでしょう。

では、非接触コミュニケーションにどっぷりつかってきたZ世代に対して、どう接して行けば良いのか?と言う事ですが、私は「腹を決めて」彼らのミラーニューロンが機能するまで直接対話の機会を増やしてゆく以外に無いと思っています。

どんなに嫌な顔をされても対話をする機会を増やし、それを続けてゆく。

そして、いつか彼らのミラーニューロンが十分に機能することを信じて接してゆく。

言い換えるとZ世代の育成はミラーニューロンの活性化に対する教育と言い換えても良いかもしれません。

私自身も教育の場面でZ世代と接する時は直接対話の大切さを彼らが考える「自己都合のキャリア」育成に合わせて伝え続けてゆくつもりですし、プレイングマネージャーち接する時にはZ世代の謎解きをしつつ、対応策を提示してゆきたいと思っています。

ショートカットできる道があるかどうかわかりませんが、また新しいアプローチがあったら、ここで公表したいと思います。