プレイングマネージャーの育成⑤

プレイングマネージャーが良いチームを創る為に・・・「繋がる」

今日は「コミュニケーションの生産性」を向上させる為の「繋がる」「本音で対話する」についてお話しします。

ひと世代前は「ヒト、モノ、カネ、情報」が会社経営を考える上で必要な資産という風に言われてきました。

そして、ここ数年で良く言われている新しい資産が「ソーシャルキャピタル」(社会関係性資産)です。

「繋がり」を強く、多く持っているかという事が、規模拡大や利益増大に結び付き、会社のパフォーマンスを考えて行く上でも「重要」になるという事です。

ソーシャルと言う言葉から連想されるようにSNSは私達にとって、切っても切れない大切なサービスになっていますし、GAFAを始めとして、これを大きく保有している企業は世界の経済を牛耳っていると言っても過言ではないでしょう。

それだけ、私達は繋がりを求め、依存していると言う事の裏返しでもあります。

そして、この「繋がり」はマーケティングの面だけでなく、組織運営においても大きな鍵となっています。

では、組織における「繋がり」とは何か? という事ですが、私は「共同体意識」であると考えています。

ここで言う共同体意識とは「同じ理念の元、その実現を目指し、切磋琢磨する仲間であるという思い」です。

言い換えると、「チームのあるべき姿を仲間と共に心から実現したいと思えるような関係性」を言います。

これを築く事がなぜ大切なのか?は改めて説明するまでもないと思いますが、敢えて言うなら、一人一人が主体的にチームに関わるようになるのでパフォーマンスが圧倒的に違ってくるからです。

指示命令で動く組織との違いを考えていただくとイメージしやすいのではないかと思います。

では、共同体意識をどのように築くかですが、私は以下のようなステップを踏む事をお勧めしています。

  1. チーム内で会社の経営理念を深堀する
    ・誰の為なのか?
    ・何のために存在するのか?
    ・何を実現したいのか
    ・どうやって実現するのか?
    ・それはどうしてなのか?
  2. 経営理念から自分たちのチームはどうあるべきか?自分はどうあるべきか?を考える
  3. あるべき姿と現状のギャップを洗い出す=問題
  4. 問題を課題化する
  5. 課題をアクションに落とし込む(具体的計測可能)
  6. アクションと成果を振り返る➡「3」に戻って「6」までを繰り返す

まず、経営理念から考える理由は、昨今、「答えのない時代」と言われるようになり、自分達の判断基準として「経営理念」の重要度が以前と比べて格段に増してきた事によります。

時代に勢いがあったシンプルな時代は、トップダウンで良かったのですが、今はそうはいきません。

だれも正解がわからないので「一人一人が考え、自分達でどうするのか?」を考えて、行動に移す事が求められています。

ただし、経営理念は抽象度の高い言葉やあいまいな表現を使って構成されている場合が多いので、そもそもどういう意味なのか?何を目指しているのかを「議論」し、自分たちなりに定義付けする、つまり、共通言語化をする必要があります。

これも正解はありませんので経営理念を自分たちなりに解釈して、チームとして、個人としてどの様に実現に向かって行くかを言葉にすれば良いのですが、その際にチームメンバー自身の「ありたい姿」や「ビジョン」を考えておいてもらえると、なお一層、このワークが活きたものになります。

それは、生活の為という事以外で、会社で働く目的が見いだせると義務感や強制感に支配されることなく、主体的に活動できるようになるからです。

そして、取り組みに躍動感を与えるために実はもうひとつ必要な事があります。

それは「本音で話せる」環境創りです。

チームに関わる全員が平等に自分の意見を話す機会がないと、チーム内で意識ギャップが大きくなり、義務感や強制感が漂うチーム運営になってしまうからです。

本音を話すという事は、関係を壊すリスクがある為、そう簡単にできる事ではありません。

なので、全員が意見を平等に言える環境を創る為に「ひと工夫」必要なんです。

具体的にどうするかですが、例えば最初は付箋を使って、全員分の意見を壁に貼りだし書いた人が順番に発表するようにすると良いです。

いきなり、口頭で意見を求めるよりも自分の意見を言いやすくなります。

少々手間がかかりますが、チームメンバーがこういうプロセスを踏んでチームについて、自分について考えられるようになると、その後のチーム運営はものすごく楽になります。

今日は「繋がり」をどう創るか?についてお話ししました。

次回は「コーチング能力」についてお話ししたいと思います。