プレイングマネージャー「虎の巻」
今日は「自信の能動的獲得と受動的獲得」についてお話ししたいと思います。
これまで部下の自信を育むことが主体性の覚醒に繋がるというお話をしてきました。
人の成長とはまさに自信を増やしてゆく事に他なりません。
では、その自信はどのように獲得されるのかという事ですが、まず、イメージできるのは、何かしら目標を達成できた時ではないかと思います。
努力が実り、成果に繋がった瞬間に私たちは、「自信」を感じる事が出来ます。
私は、これを自信の「能動的獲得」と呼んでいます。
日々そういう出来事があれば、放っておいても勝手に自信は積み重なってゆくのでしょうが、実際にはそうはいきません。
なぜなら、上手くいく事よりもいかない事の方が多いのがこの世の常だからです。
なので、私たちが部下を育てる上で成果が表れる場面にだけ「注目」していると、なかなか「自信」を獲得してもらう場面は訪れないわけです。
そこで、今日一番お伝えしたい事である「受動的獲得」が重要になってきます。
自信の「受動的獲得」とは「人からのメッセージ」で獲得する自信の事を意味しています。
簡単に言えば、人から「褒められる」「称賛される」「承認される」事によって得られる自信です。
これは、部下自身も何気ないひらめきやちょっとした発見によって行動に移すことも多く、本人も自覚しにくい場合もありますので、上司であるプレイングマネージャーの観察力が問われます。
どういう所を見るのか?どういうタイミングなのか?は慣れが必要なので、しばらくは意識的に「訓練」する必要があります。
自信の受動的獲得はなぜ有効なのか?
訓練してまで、「褒める」「称賛される」「承認する」等のメッセージを送る意味は、日常の中で、観察の仕方がわかると部下がプチ成長している場面にたくさん遭遇することができるからです。
「説明の仕方を変えたな」「資料の整理、工夫したんだな」「いつもより良い笑顔で接客できていたな」など、ちょっとした成長を感じたり、いつもと違う改善が見られたり、部下の何気ない変化に気が付くことがあるはずです。
それを「そのまま」伝える事で上司は、自分を見てくれている、認めてくれると思うようになり、
仕事に対するモチベーションが上がるのと同時に「自信」を持つことができます。
元々私たち人間には、「自分を見て欲しい」「気にして欲しい」という帰属認知欲求と言うものがあり、これが、信頼関係の構築や、成長を加速する要因に繋がるわけですが、これを十分理解した上で「部下育成」に活かせば、部下は、上を向いて進み続ける事が出来ます。
でも褒めるのは難しい?
「いざ、褒めようと思うとなかなかうまくいかないんですよね」
私の研修に参加したプレイングマネージャーから良く出てくる「悩み」です。
誰しも「褒められれば」うれしいものですが、無理して「褒める」必要はありません。
「褒めなくては」と思うと「なんて言おうか?」と伝える言葉を考えてしまったり、表情や言い方が「不自然」になってしまう事もあり、度が過ぎると「逆効果」になってしまう場合もあります。
なので、「感じたまま」をそのまま伝えれば良いのです。
先ほどの例で言えば、「説明の仕方変えたんだね」「資料整理工夫したんだね」「今日笑顔良かったよ」みたいな感じです。
そして、あともう一つ大切な事は、気が付いたら「すぐに伝える」という事。
なぜなら、後で言おうと思うと忘れてしまう事が多いのと、本人も自覚がなくなってしまうからです。
なので、鮮度管理も部下を承認する事においてとても大切なので気に留めていただきたいと思います。
今日は、「自信の能動的獲得」と「受動的獲得」についてお話ししました。
忙しいプレイングマネージャー育成の一助となれば幸いです。